中日ニュース第228号
一、長期政権へ地固め――総選挙終る
二大政党という枕言葉で行われた総選挙は、戦後最高の投票率を示しましたが新人や元代議士の進出がめだちました。
農村や漁村の多い即日開票で自民党は、社会党を大きくリードして全く独走。自民党本部の公認候補者一覧表は、当選を印す真紅のリボンでいろどられてゆきます。
ぬりかえられてゆく新しい勢力分布に岸さんの表情もほころびています。一方、三宅坂の社会党本部は予想外の不振に水を打ったような静さ。日頃のファイトも何処えやら。浅沼さんも悄然たる面持のようです。
しかし、後半大都市の開票と共に社会党の進出はめざましくやっと面目を一新、東京では婦人候補者が相次いで勝名乗りをあげました。
また愛知二区、四区でも亡き夫の身代りとしてそれぞれ当選しましたが、長野では唐沢法務大臣が落選するなど世論の強い批判を浴びました。
こうした中で五月二十七日、岸さんは長期政権への地固めのため党内の有力者を官邸に招き、組閣や党人事について意見を求めましたが反主流派の処遇に岸さんの思惑が注目されます。
一、美と力の祭典ひらく――第三回アジア競技大会――
第三回アジア大会は、すばらしい五月晴に迎えられた五月二十四日、七万の観衆で埋めつくされた東京神宮外苑、国立競技場で華かにその幕を切って落しました。
エバーオンワード(限りなき前進)の旗のもとに集ったアジア二十ヵ国、一七一〇人の一糸乱れぬ入場行進や、マニラのリサ―ル競技場からはるばる選ばれた聖火の点火に七万の観衆の大歓声と拍手の波が絶えなくつづきました。
開会式にひきつづき、静岡県婦人会有志の茶切節をはじめ、見事なエキジビションが繰りひろげられました。
翌二十五日からはいよいよ競技が開始され、日本チームの男女選手は陸上に、あるいは球技にレスリングにと大活躍ですが、男子卓球団体は予想外に振わずヴェトナムに破れました。
しかし、大会四日目で三十八種目中二十種目に優勝。
Chunichi news No.228