映像チュウニチニュースダイ227ゴウ V1H2020000027

中日ニュース第227号

撮影年月
1958年(昭和33年)5月頃
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中部日本ニュース映画社
製作
中部日本ニュース映画社
配給
時間
9分02秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

一、アジアの若人つどう
 アジア大会も真近の五月十四日、東京では国際オリンピック委員会(IOC)総会が天皇陛下をお迎えして開かれました。
 オリンピック讃歌の大合唱などで盛り上った雰囲気にIOC委員もすっかり感激。一方アジア大会の選手団も、殆ど揃った選手村の東京第一ホテル(男子)や、プリンスホテル(女子)は大賑い。
 ロビイや食堂ではさまざまな国の選手達がテーブルをかこんでカタコト混りで話しあうほほえましい風景もみられます。
 銀座通りや、百貨店の飾りもアジア大会一色。選手は連日激しいトレーニングをつづけ、国立競技場では予行演習が繰り返されています。
一、週間話題
1インカのミイラ
 今からおよそ一〇〇〇年前、南米ペルーの山中で栄えたインカ帝国のミイラが、ペルー政府から届けられ、東大アンデス調査団によって解剖されました。
 このミイラは地下四メートルの土中から発掘されたものですが、美しいインカ織の布で幾重にも包まれています。
 ミイラは一〇〇〇年前の姿そのまま、ひざを立てて座った姿で出てきましたが、アゴの骨の老化からみて四十才以上の男と推定されました。
 ミイラが完全な姿でとり出されたことは学術的にも貴重な収獲だと言われています。
2日本にもパゴダ
 門司の港を見下す丘の上にこのほど金色に輝くパゴダが完成しました。
これは日緬親善のためにビルマ政府と地元が四千万円の費用で建立したものですが、ビルマから派遣された五人のお坊さんが念仏三味の生活をしています。
 南方仏教には二二七に及ぶ戒律があってきびしい修道の明け暮れですが、この五人のお坊さんたちは布教を通じて日緬の親善につとめたいと言っています。
カメラ・ルポ
一、売春Gメン
 夜の港から赤い灯が消えて二ヶ月。深く根をおろした売春は手を替え、品を替えて町の片隅に今なお暗躍しています。
 これを見張る取締まりの刑事さんたちは、人眼のつかない路地裏に集り証拠集めの情報や、張込みなど眼を光らせてヤッキの捜査。
 一方警視庁に設けられた売春対策本部ではすでに二百九十九件、三百五名を検挙、ブラックリストも日毎に多くなりました。
 ところが連日連夜の張込みに刑事さんたちはスッカリ疲労コンパイ。僅かの休みに夢を結ぶこともあります。やがて夕暮れ、異常な緊張につつまれる検挙前のひととき。
こうしてあやしい旅館や街婦などを一斉に手入れしましたが、この道では海千山千のツワモノ相手にして刑事さんたちも容易ならざる苦労のようです。
 そして今宵も、地下に潜った売春を追って、取締のきびしい追放がつづけられています。

原文

Chunichi news No.227