映像チュウニチニュースダイ220ゴウ V1H2020000022

中日ニュース第220号

撮影年月
1958年(昭和33年)3月頃
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中部日本ニュース映画社
製作
中部日本ニュース映画社
配給
時間
8分37秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

一、狂った季節
 みちのくにも春が来ました。盛岡にある農林省の牧場では、沢山な赤ちゃんが生れ、大にぎわい。牧場は今が春の真っ盛りです。
 ところが東京は雪化粧。時ならぬ寒波に木の芽はずっかりこごえてしまいました。それでも、今年は暑いというのが打扇屋さんのハッケ。気ぜわしく夏支度です。
 また水着の女優さんが写真屋さんからとやかく注文をつけられて夏を呼ぶのに一苦労。暖冬のあとにやって来た春寒異変で、女優さんたちがふるえ上るのも無理はありません。
一、完成したスポーツの殿堂――国立競技場――
 昨年着工してから僅か一年二ヵ月で、旧神宮外苑競技場が世界一流の国立競技場に生れ変りました。三月三十日は、秩父宮妃殿下らを迎えてその落成式。総工費十三億一千万円、七万人の観衆を収容するこの大競技場は第三回アジア大会のメーンスタジアムとなるばかりか、オリンピックの東京招致に重要な役割を果すことでしょう。
一、利尻岳に挑む
 二月二十五日、日本の最北端、礼文島と並ぶ利尻島に着いた中大山岳部一行は雪と氷に閉された利尻岳の登頂に向います。
海抜一、七〇〇メートル、深雪のラッセル、三〇度を超す急斜面といった難路を、一行は変り易い悪天候に悩まされながら登ってゆきます。
 岩尾根の連続、切り立った雪の斜面と戦うこと十日間以上、三月下旬ついに大槍のアタックに成功しましたが厳冬期としては初めての試みでした。
カメラ・ルポ
低い姿勢の先生たち
 低迷する解散風に浮足立った今日この頃の政局。先生たちのサボタージュがめっきり目立ち、委員会も傍聴席とは裏腹に閑古鳥の鳴く淋しさ。
 当の先生片は選挙区から上京したお客さんの接待に大童。議長室へ案内するなどサービスも心得たものです。自民党では禁足令を出していましたが、先生方には馬耳東風、一路選挙区へと霧散してゆきます。
 到着早々、先生たちはそれぞれにわが党の政策をひとくさり、ささやかなバンサンを共にして恐縮の連続。
 時節柄、機を見るに敏な先生は、入学式に臨席したり、客寄せに楽団まで招くなど大車輪の活躍ぶりです。また、鳩山薫子夫人や岸総理の奥さんまでが内助の功よろしく旦那様をよろこばせています。
 一方、革新派の先生たちも春斗を足場に大いに売込んでいますが、すでに与野党の攻防は国会の外に在るようです。
 こうしたなかで三十三年度の予算は政府の原案通り参議院で成立。追詰められた解散へ岸さんの思惑が注目されています。

原文

Chunichi news No.220