中日ニュース第216号
予算案衆院を通過
予算審議大詰めの三月三日、議事堂前では官公労など七千名の組合員が集団陳情を行い春季斗争の火蓋を切りました。折から衆院本会議では江崎予算委員長の審査報告のあと記名投票に入り、政府予算案を可決しました。
フィリッピンの遺骨収集終る ―銀河丸第2報
比島遺骨収集団は二月十五日二人の日本兵がいるバング島にヘリコプターを飛ばし、家族の手紙やビラなどをまきましたが、手がかりはありませんでした。
こうして約一ヶ月にわたる遺骨収集を終えた一行は二月二日マニラの日本大使館で二千五百体の合同慰霊祭を行い、帰国の途につきました。
“温泉ニッポン”
観光シーズンの到来で各地の温泉は団体客や新婚組で大振い。福島県の内郷では炭鉱から出たお湯を川に流し、時ならる川原温泉が出現しました。野良からストレートで入れるこの温泉は、神経痛によく効くとあってお年寄りがひねもす湯治を楽しんでいます。
宮城県鳴子の東北大学の病院は温泉を小児マヒの治療に利用し、大きな成果を上げています。とにかくお湯は豊富ですから、警察の留置場まで温泉付きの暖房完備です。また静岡県伊東の小学校にはよい子の身体をきたえる温泉
教育があります。あたたまると一斉に飛び出し勉強、温泉を生かした愉快な健康法です。
刑事殺し“矢野”ついに自首
セツ盗容疑で内偵に行っていた刑事が突然射殺されるという事件が三月一日昼、新宿の盛り場で起りました。
犯人矢野伸明は現場から逃走、その夜、近くにいる姉を訪ねたり、愛人に逢いに来た矢野をとり逃がすという大失態の捜査本部は戦後最大といわれる大がかりな捜査網を全都内にくりひろげました。
ふくろのネズミ同様に追いつめられた矢野は四日自首。ヤジ馬と報道陣にモミクチャにされながら淀橋署の捜査本部に連行されました。事件発生以来警察をあわてさせ、東京の血なまぐさい話題をさらった四日間でした。
Chunichi news No.216