新日本ニュース第52号

1.第三年目のお正月
　都会ではお餅も満足にないありさまでしたが、農村ではささやかながら子供たちには楽しいお正月でした。小さな手を火鉢にかざしてお餅の焼けるのを待つ子どもたち。書き初めにも「平和」といった文字が書かれており、時代の変化をが感じられます。おじいさんおばあさんを孫たちがにぎやかに取り囲んで、昔ながらのお正月を迎えました。雪深い農村では子どもたちは、真っ赤な頬をほてらせて雪だるまを作っています。世知辛い世の中に農村の子供たちだけはなんの屈託もないのびのびしたお正月を迎えたようです。
2.電力の危機迫る（岐阜・東京）
　電力危機の実相をキャッチする為、岐阜県大井発電所を訪れました。ここは木曽川の水を利用していますが渇水期の為に標準より三メートルも低くなっています。それに破損箇所の修理が出来なくて困っています。
3.時の話題
　春はダンスから
　　九州八幡製鉄所の労働者達がダンスを始めました。東京でも民主主義連盟の主権で働く者の為のダンスの講習を開いています。
4.学校給食はじまる
　　連合国の好意によって一月から全国的に行われる学校給食に先だち東京の八十九校は暖かいシチューを給され、連合軍司令部のサハス大佐、ラ・ノローズ女史、田中文相等が視察しました
5.京大対慶大ラグビー（西宮）　
　　京都帝大対慶應大学短期ラグビー戦は、西宮球場で寒風の中で熱戦を展開しファンを唸らせました。
6.特報　関西大震災第二報
　震災の被害は通信連絡の回復するとともに、その状況は惨たんたるもので、紀伊半島南部、串本町、新宮市方面の惨状が明らかになり、政府はその対策を実施しています。お正月を迎えた罹災者達は起ち上る為に戦っています。

New Nippon news No.52