中日ニュース第213号
一、猪谷選手廻転で三位――世界スキー選手権――
オーストリアのバドガスタインで、二月一日から開かれた世界スキー選手権大会には二十五ヵ国の選手が参加、華やかな妙技を競いました。
猪谷は一回目独特のやわらかさでスピードをあげ五六秒七の最高タイムをあげましたが、二回目慎重になりすぎ惜しくも優勝を逸し三位にとどまりました。
総合得点ではザイラーが優勝。二位リーダーとオーストリアが圧倒的な強さをみせ、猪谷も日本人初の四位に入賞しました。
一、予算攻防戦――衆議院
衆議院の予算委員会は総括質問の二日目を迎え、社会党の成田知巳氏が立ちベトナムの賠償問題を質したが、政府側の不手際も手伝って委員会は終始混乱を招くにいたった。大臣一年生とはいえ藤山外相の不勉強はおおうべくもなく、幾つかの黒星を重ね、大臣にあるまじき醜態の連続だった。
一、サーカスとカーニバル――西独
★西ドイツのミュンヘンで命知らずのサーカスが人気をよんでいます。人間大砲や火をつけたドラムかんの中へ火だるまの人間が飛び込むなど、一寸ドギモをぬかれるサーカスです。
★一方、ライン地方で毎年行われる華やかなカーニバルがミュンヘンで開かれました。ヨーロッパ各地から人気者の映画スターや芸能人も参加、優雅なワルツにのった大舞踏会は夜更けまでつづきました。
カメラ・ルポ
“暖冬貧乏”――東京、神奈川、愛知
噴水の水も早々と春をよんで今年も暖冬。ところがこの暖い冬がかえって悪く、豊橋市近くのノリ場は高い水温のため、赤腐病が発生し例年にくらべて七割も減収です。これに反して、冬野菜は大豊作、腐るほど出来すぎては、相場も大暴落、一貫目五円では運賃にもなりません。
青果市場でも馬鈴薯や玉ネギの芽つみという思わぬ被害に大弱り。こうして豊作貧乏は冬野菜を牛のエサに変えてしまいました。
Chunichi news No.213