映像チュウニチニュースダイ210ゴウ V1H1920000012

中日ニュース第210号

撮影年月
1958年(昭和33年)1月頃
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中部日本ニュース映画社
製作
中部日本ニュース映画社
配給
時間
7分27秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

一、難産した予算原案
 昭和三十三年度の大蔵省原案をめぐる予算の分捕りは、かつてない混乱を呈した。砂防会館にある自民党の本部では、代議士までが血眼になり選挙区の陳情団や圧力団体に押されて奔走、いつ果てるともない醜態を繰返した。
 このため、連日連夜開かれた党六役会議は、もっぱら一万田攻略に集中。やがて、疲れきった表情で霞カ関の大蔵省に帰った一万田さんは広い大臣室にションボリ……
 今まで傍観していた岸総理も事態がここに至ってようやく斡旋にのりだしたものの、結局一万田さんをかばいきれず、党三役の前に屈してしまった。
 斯くて難航を極めた予算問題も、二十日未明の臨時閣議で岸内閣初の政府原案をまとめたが、予算編成の基本方針もいづこえ、三悪追放も空念仏に終るなど、複雑な党内事情に捲込まれて自からの弱体を暴露するのだった。
一、週間話題
☆牛の厄よけ――福井
 これは福井県美浜に古くから伝わる変った牛のオマジナイ。ドンドの火は厄払いにあらただそうですが、この火で牛の毛を焼き、一年の無病息災を祈るならわしです。
☆抑留韓国人釈放さる――長崎
 日韓覚書きによる一月十九日長崎県大村収容所から六十九人の韓国人が釈放されました。平均三年の収容所生活からやっと解放され、どの顔も喜びにあふれています。
☆吉葉山ついに引退
 大相撲初場所不振の横綱吉葉山は、八日目に至り五敗をきつし、ついに引退を決意。一月二十日声明を発表。絶ちきれない土俵への愛着と悲運に涙する横綱の淋しい引退でした。
カメラ・ルポ
一、高校生の“原子力科”――東京・山梨・岐阜・兵庫
 日本で初めての原子力学校が東京に出来、一月二十日正力国務大臣を招いて開港しました。ところで全国の工業高校でもいま原子力教育が盛んに行われており、兵庫工高では原子炉の講義が終ると模型の組立てまで勉強しています。岐阜工業高校でも総額三百万円の設備を整えて昨年から測定実験。放射能研究で有名な甲府工高は奥秩父の調査も今年でもう七年。増富地区には東洋一のラジウム温泉を発見しています。
 こうして新しい時代のエンジニアーが生まれるのも間近なことでしょう。

原文

Chunichi news No.210