中日ニュース第204号
一、明大初優勝――国際ルール・バレーボール
十二月十四日から二日間、川崎市民会館で六人制のバレー・ボール公式戦が日本で初めて行われました。
国際試合は、全部六人制のため、早くから、日本のバレー・ボールも今までの九人制から切りかえされることが要望されていました。
優勝をかけた明治と慶応の一戦は、慶応の反撃ならず、豊島、谷中などオール・ラウンド・プレーヤーを揃えた明治が慶応をストレートで破り、関東大学国際式バレーボールに栄の初優勝を飾りました。
一、自爆した人口衛星
スプトーニクの打ち上げであわてたアメリカの人口衛星打ち上げは、十二月六日午前一時四十五分、ケープ、カナベラルで行われました。しかし、意外にもみじめな地上爆発を起し、派手な前宣伝とはうらはらに、全世界が見守る中にソヴエトへの負けを証明するという悲劇となり、アメリカをたのみとする西欧陣営に大きな動揺を与えています。
一、海の子の中学校
三重県の宿田曽中学校では、遠洋漁業の根拠地という地理的な条件を生かして生きた産業教育をとりあげています。男子は漁網の修理やカツオ釣りの作業から海洋観測まで水産学校顔まけの勉強。女子はカンズメやカマボコなど水産加工を教わり、明春の卒業生は全員就職が決まっているという、就職難のこの頃うらやましがられています。
カメラ風土記
一、新土佐日記
冬なお暖い土佐の都、高知からは、維新の志士、坂本竜馬を始め自由民権運動を唱えた板垣退助など数多くの偉人を出しました。
戦国時代から伝わる無形文化財“太刀踊り”の中でも、“しのぎの舞い”は最も美しいもので、土佐の伝統が流れています。
名物闘犬は、土佐っ子の自慢のタネ。横綱の表情は、犬年の来年を祝っているようです。
遠洋漁業の基地、室戸岬の漁師たちは度重なる原水爆実験のため漁場を制限され、抗議船団を出すことを決意しましたが、その反対運動は板垣退助以来の思想が支えとなっています。
こうした折、放射船の俊鷹丸が原水爆禁止の願いも空しく、若い生命をうしなった青年の霊を抱えて帰って来ました。
このようにして、遠洋漁業から沿岸漁業に転向した人も少なくありませんが、それも不漁つづき、益々深まる国際対立の影響は、平和な土佐の漁村にまで及んでいるのです。
Chunichi news No.204