SPレコードトウキョウオリンピックNHKジッキョウ(VOL.1 ダイ1カン SIDE2 カイカイシキ)OPH2791902141

東京オリンピックNHK実況録音集(VOL.1 第1巻 SIDE2 開会式)

人名・団体名
土門正夫 実演家
鈴木文弥 実演家
レーベル
発行会社
NHKサービスセンター
SPレコード番号
演奏時間
16分15秒
ジャンル(大分類)
演説・講演・朗読・実況
ジャンル(小分類)
実況記録
レコード盤無 音源登録済
盤面情報

※オープンリール資料
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資料補足

ナレーター 土門正夫  開会式実況 鈴木文弥
東京電気化学工業株式会社録音
オリンピック東京大会組織委員会監修 昭和39年12月1日発行 

【開会式】1964年10月10日 国立競技場
「しばふの白い式台に立った安川会長は、IOC創立七十周年を祝い、各国選手を歓迎するあいさつ この途中で、故クーベルタン男爵が、ベルリン大会に寄せた講演の録音が放送された 続いて、ブランデージ会長があいさつのあと、日本語で、天皇陛下に開会宣言をお願いした ――天皇陛下の開会宣言のお声が場内に流れ、二時五十七分、東京大会はここに開幕した 
 古典六段を基調にしたファンファーレの余韻が消えるとともに、大会期間中フィールドボールにひるがえる五輪旗が、六人の海上自衛隊員に保持されて入場、「空と大地に生気が溢れ・・・・・・」と歌う、サマラ作曲、オリンピック賛歌の大合唱のうちに掲揚された 
(中略)
 北口から、こんどはローマ市から東京都に引き継がれる五輪旗が牛込中之小学生三十一人の鼓隊とともに入場、ペトルッチ・ローマ市長からブランデージ会長、東知事へと引き渡された 
三発の祝砲がとどろき、一万個の風船が空に舞った 
(中略)
 北入り口から、トーチをかかげた聖火最終走者の坂井義則君が、ランニングシャツの胸に日の丸をくっきり浮かべて、走り込んできた
きれいなストライドで、トラックを回り、ひと呼吸して、百六十三段をいっきにかけあがる 聖火台のわきの台座に、右手のトーチを高くかかげすっくと立ち上がった若い日本の姿 
聖火台に、トーチをかざす わきあがる赤いほのおと黒煙 オリンピアから二万六千□を十万七百十三人の手でリレーされた聖火が東京の空に燃えあがった 
 どよめきが消えないうちに、式台にあがった小野喬選手の選手宣誓 まわりを半円形に九十三本の各国旗がかこむ 小野選手は、右手を高くあげ、左手に福井旗手の差し出す日の丸をつかんで、力強い口調で宣誓した 
 スタンド下から放された八十羽のハトが、上空に輪を描いて消えふたたび「君が代」吹奏 このとき、航空自衛隊員のジェット機五機が、三千メートル上空に五色の五輪マークを描いた 
 電子音楽のなかを両陛下がご退場 続いて、マーチとともに退場する選手たちの行進を、スタンドから自然にわいた手拍子が、場内いっぱいにひろがって、最後まで見送っていた 」

(『日本経済新聞』 昭和39年(1964)10月10日夕刊 「東京オリンピック開幕」より)