東京オリンピックNHK実況録音集(VOL.1 第1巻 SIDE1 開会式)
鈴木文弥 実演家
※オープンリール資料
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資料補足
ナレーター 土門正夫 開会式実況 鈴木文弥
東京電気化学工業株式会社録音
オリンピック東京大会組織委員会監修 昭和39年12月1日発行
【開会式】1964年10月10日 国立競技場
「深くすみ渡った秋空、まぶしい日ざし、第十八回オリンピック大会を迎える十日の東京はすばらしい日本晴れだ あざやかな緑のしばふのうえ、五輪旗のもとに集まる九十四の旗、六千五百人の選手、役員たち――開会式会場の明治公園国立競技場に流れる天皇陛下の開会宣言 アジアで初めて、参加国は史上最高の一九六四年オリンピックが、始まった
(中略)
聖火台階段真下の指揮台に立った齋藤陸上自衛隊音楽隊長の白い手袋がさっと動いて、はなやかなオリンピック序曲(団伊玖磨作曲)がわきあがった スタンドをかこむポールにいっせいにあがる九十四の参加国旗 北側電光掲示板うえ、ひときわ高いメーンボールには、大五輪旗、左に日の丸、右に東京都旗がひるがえった
日本の名鐘の音色を集めた電子音楽「オリンピックの鐘」(篤敏郎作曲)が場内いっぱいにひびいて、両陛下のご臨場を観客に告げるなかで、両陛下はロイヤルボックスに着かれ、満場起立のうちに「君が代」が演奏された
(中略)
二時ちょうど、選手団の“美と力”の入場行進が始まった 先頭は、オリンピック発祥の地、ギリシャのチーム 以下アルファベット順に続く
(中略)
九十四カ国の選手団がつぎつぎに入場、お国ぶりの敬礼とともに、ロイヤルボックス前を通り過ぎた
終わり近く米、ソの入場行進のあとまっかなブレザー、白いズボン、スカートの日本選手団が、みごとに歩調をそろえて、最後に入場、全選手団がギリシャを中心にしばふのうえに整列した 」
(『日本経済新聞』 昭和39年(1964)10月10日夕刊 「東京オリンピック開幕」より)