ボロボロの抱擁 早朝の交差点 市電のレールがまだ熱い 髪(かみ)も身体も焼けただれた 裸足(はだし)の人間が駆(か)け寄ってきた 累々(るいるい)とつゞく死体の中で/ボロボロの抱擁(ほうよう) 『赤い涙-東京大空襲・死と生の記憶-』p.86