死体の下を川が流れていた 炎に映る川波は 死神(しにがみ)の唾液(だえき) 夜が明けると川面(かわも)は見えず 死体が重なり合って揺(ゆ)れている 子供を背負った母親もゆれている 『赤い涙-東京大空襲・死と生の記憶-』p.55