死と生 一瞬の運命 真昼 砂町の工場地帯が爆撃された 戦慄(せんりつ)に充ちた防空壕からとび出して見上げると 爆撃の硝煙(しょうえん)と吹き上げられる破片はすさまじかった ピュルル・・・・・ 空気を震(ふる)わせる音が/急に消えた 一秒 二秒 死の秒読み 壕(ごう)が直撃された 砕(くだ)かれた人間の混(ま)じった土砂が 降り落ちてきた 『赤い涙-東京大空襲・死と生の記憶-』p.15