まだ燃えている服を着て歩く男 まだ燃えている服を着て かすかに生きている 天をにらみ よろめきながら ぶつかりながら 黒焦げの手から/ただれた肉がこぼれ落ち 死と生を彷徨(さまよ)う 『赤い涙-東京大空襲・死と生の記憶-』p.70