太陽も泣いている 灰燼(かいじん)と化した東京の空が白(しら)む 生きながら殺された 人間の死臭(ししゅう)に満(み)ちて 十万人を焼きつくした煙が重くたゞよう 血の色で昇る太陽/母がポツリと言った ほら/太陽も泣いている 『赤い涙-東京大空襲・死と生の記憶-』p.68ー69