潮 第1巻第1号-第5号、第2巻第2号(昭和27年6月~28年2月)
第一巻第一号(昭和二十七年六月十五日發行)創刊号
<隋筆>もく星号事件余話(早乙女勝元)
魚釣奇談(矢高行路)
映画生活(冬木映彦)
現代哲学の課題(柳田謙十郎)
日本はどこへ行く?(風見章)
京都学派の復活(大井正)
不戦アジアの誓い(大山郁夫)
座談会 日本民族の運命(杉捷夫/都留重人/中野好夫/務台理作/司会・柳田謙十郎)
モスクワ 国際経済会議(立花享)
耳と鼻(空點房)
強姦・噂・いい話(山本茂実)
=共通の広場=
「眞相」不敬罪事件の眞相(佐和慶太郎)
[溜息]せんべい廃業(会田ひろし)
卵の物語(市川格)
峡の空(池田久子)
広告(丸山はない)
豚が鳴く(並木修)
★書評★
空論と現実[中野・都留・小泉氏の平和論](飯島宗享)
ラスキーの国家論(森正夫)
農村の次男坊をどこへ棄てるか?
農村次、三男実態調査報告(葦会社研)
調査をみての感想(近藤康男)
うしおアジア会議を開け
明治・大正の先覚者[一]田中正造(林広告)
外国新聞紹介
☆吉田首相の秘密書簡
☆失業都市デトロイト
☆禁書時代
☆99人の文化と32人の母親の手紙
☆会議派とインド共産党
☆細菌戦争
<映画>日本フランス映画の危機(ミナミ・ヒデオ)
<演劇>「国際演劇月」など(川尻泰司)
<文学>文壇のペシミズム(湯地朝雄)
アジア青年会議<座談会>(インド・バーンダリ/ゲインド/ドウワン/中国・陳萼芳/陳峯竜/朝鮮・高成浩/許基連/タイ・ブンソン/越南・トランドウ/日本・桧山久雄/山本茂実他)
カット(大坪実/岡野益)
第一巻第二号(昭和二十七年八月十五日發行)八月号
<隋筆>東京の並木(秋山清)
犬と首切り(落合巳代治)
机を買った話(菱山辰一)
郷に入るの記(篁澄)
特集 迫り来る大破綻
民族の危機と労働大衆(高野実)
五・一五事件と学生の動向(阿部行藏)
アメリカに抗議する日本経済(山下辰雄)
自由と人権は危機に瀕す(潮見俊彦)
[アンケート]現代史をどうみるか(田畑忍/荒正人/坂西志保/菅間正朔/中村哲/尾高朝雄/林髞/除村吉太郎/桑原武夫/村山知義/市原豊太/池田龜鑑/竹内好/堀真琴/山下肇/伊藤永之介/壺井栄/木下半冶/神近市子/小田切秀雄/山崎正一/本田喜代治/佐多稻子/真下信一/江口渙/国分一太郎/佐々木基一/藤森成吉/高桑純夫/池田潔/山本健吉/小松攝郎/藏原惟人/服部之聴/宮城音彌)
戦后右翼の精神病理(藤原弘達)
狼の民主主義(菊地謙一)
おんばしら(山本茂実)
無名特集
私の前にある鍋とお釜と燃ゆる火と(石垣りん)
童説(細川洋子)
わたしやにくい(矢山みつ)
夕方の駅で(近江てるえ)
[今月の書評]
原始マルクス主義[レヴィット、ラスキー、ル・フェーブル]
サラリーマン渡世[源氏鶏太「三等重役」]
明治維新の研究[井上清と遠山茂樹]
★部落座談会[東北の旅から](栗原百寿)
★色街に迷いこんだ話(柳田謙十郎)
東京の鬼ヶ島[絵と文](丘野美)
=共通の広場=
[溜息]偉い人(北川英子)
失業(浜野春保)
着物(山本巳年子)
赤んぼ(会田ひろし)
かつぎ売り/中川寅吉)
うしお 自惚について
西谷教授の再武装論(市川白弦)
「唯物論者」の原爆擁護説(大沼正則)
小説における人間の問題(湯地朝雄)
現地報告底曳網漁業(工藤鋼)
<美術時評>「美術とは何ぞや」(永井潔)
海外情報★巨済島事件の波紋
★アデナウワー首相の狼狽
★シンパ御用心?
★ソヴィエト二題
★試験管のストライキ
★ヨーロッパ一の貧乏
<対談>政界放談(風見章/西園寺公一)
第一巻第三号(昭和二十七年十月十五日發行)十月号
不正を支持する政府の下では(中野好夫)
特集 新局面に立つ平和運動
平和論とヒウマニズム(務台理作)
平和擁護運動は階級闘爭か?(畑中政春)
平和運動と民族解放闘爭(柳田謙十郎)
平和論と大衆指導者群(高橋玄一郎)
細菌の国際情勢とわれらの進路(堀真琴)
現地報告『村八分』事件におどる選挙ボス(落合巳代治)
★クレムリンと天安門(中尾和夫)
<随筆>二十日鼠と人間と(岩田知夫)
今月の書評
安田德太郞著『人間の歴史』(中島健一)
入江德郞著『泣虫記者』(兵藤正之助)
伊藤整著『裁判』(本部克巳)
大沼正則氏への質問[『唯物論者の原爆擁護説』を読んで](近藤完一)
学生白書・「何が学生運動の根本問題であるか」(山之内一郎)
<随筆>法窓閑話(神道寛治)
座談会 切実なもの—今日の文学者—(臼井吉見/梅崎春生/野間宏/武田泰淳/榛葉英治/安部公房)
=共通の広場=
東京の極楽島をゆく[絵と文](丘野美)
混血児は日本人か?(青木慶一)
<戯曲>劫火ので[一幕](斉藤唯志)
無名特集 すいか(伊藤和)
我百姓について(錦米次郎)
光よ さんさんと降れ(北本哲三)
PD工場(山本茂実)
第一巻第四号(昭和二十七年十一月十五日發行)十一月号
一九五二年秋の総選挙(中島健蔵)
反米思想の分析(本田顕彰)
反共反米感情の行方(戸川行男)
インドの立場から(A・M・ナイル)
保安隊論(大井篤)
<隋筆>日常茶飯(壺井栄)
部落の嫁取り(きだ・みのる)
落伍者のない世界(鈴木鎮一)
生活綴方 お母さんとぼくのけんか[他二篇](国分一太郎選)
今月の書評
板垣進助著『この自由党』(まつしま・えいいち)
蜷川新著『天皇』(戒能通孝)
徳永直著『静かなる山々』(野間宏)
外務省押しかけの記(柳田謙十郎)
★テンノウサン(松本信也)
世界仏教徒会議(赤岩栄)
対談 日本人の庶民と知識人(無着成恭/山本茂実)
田宮虎彦論ノート(はぎわら・とくじ)
私の思想的立場(田宮虎彦)
プロ・ノンプロ・六大学(大井広介)
詩 ずい虫(岡田重吉)
おとぎ話(高原伊都夫)
=共通の広場=
毛沢東研究[第一面](毛沢東研究会)
第Ⅰ部哲学
=テキスト=実践論 矛盾論 整風文献
今月の担当者(出隆/大井正/務台理作/山崎正一)
第一巻第五号(昭和二十七年十二月十五日發行)十二月号
虚構の魔術化(唐木順三)
「真空地帯」論(窪川鶴次郎)
現代ニヒリズムの系譜(大井正)
<座談会>岐路に立つ民主戦線(伊井弥四郎/上原専祿/太田薰/松尾隆)
ルポルタージュ 国境線を行く(山本茂実)
祖国なき者の祖国[朝鮮人戦犯の手記](金喆松)
歴史の鞭の下に[戦犯からある学生の手紙](池山一夫)
詩 炊煙の歌(佐藤さち子)
京浜・山手分離すべし(青木慶一)
今月の書評
コールドウエル『タバコ・ロード』(宇治田富造)
中野重治『鷗外 その側面』(大西巨人)
ウエツプ『ソヴェト・コミュニズム』(中島健一)
地方通信
新しい農村文化運動としての下伊那ミチューリン会(菊池謙一)
古都の疼み(中薗英助)
軍事基地フィリッピン(岡倉古志郎)
=共通の広場=
おおらかで、しまりのある論争を(久米十三郎)
徐々に「葦」精神の前進を!(山崎義元)
「湖」に望む(池田一雄)
「責任」をもつ編集を(一読者)
選挙にくじけず反省と前進をしよう(杉森重三)
毛沢東研究[第二面](毛沢東研究会)
第二部文化Ⅰ
「廷安文芸座談会における講話」
担当者(岡崎俊夫/斎藤秋男/佐々木基一/桧山久雄)
第二巻第二号(昭和二十八年二月十五日發行)二月号
頑強に守るということ(勝田守一)
新天皇論(神山茂夫)
1 はしがきにかえて—なぜ今の天皇制を問題にするか
2 再軍備と天皇の地位の強化を結びつけて憲法を改正する企みが進んでいる
3 人間天皇は神様天皇に、「象徴」から「元首」にかえられようとしている
4 敗戰までの天皇制の本質は絶対主義的君主制であった
5 第二次世界大戰の複雑な性質—それと結びつく和平工作と天皇制問題
6 降服後、日本は「征服」されて従属国となり、天皇は征服者の道具になった
労働運動・一九五三年の展望(加藤長雄)
第十五特別國會(潮太郎)
★ペストと龍(渡辺一夫)
今月の書評
アラゴン『レ・コミュニスト』(佐和三郎)
=共通の広場=
自己批判のありかた(槇収)
自殺用原爆薬売りたし!(佐藤正)
重役へのコース(中田徹)
明日への祈り(丹羽八重子)
★松川事件・その後(岡林辰雄)
二つの怪文書
二つの怪文書[帝銀・下山・松川・鹿地事件をめぐる]
スリラーと常識(乾孝)
権力と人間性(赤岩栄)
共同調査 現代青年のモラル(葦会社研)
毛沢東研究 第一部 哲学Ⅱ(毛沢東研究会)
(1)実存哲学と毛沢東哲学
(2)毛沢東哲学の革命性
(3)毛沢東哲学と日本共産党
担当者(出隆/梅本克巳/大井正/山崎正一)
発禁原爆歌集 ざんげ抄(正田篠枝)
<小説>密出國(不二越夫)