朝日クロニクル週刊20世紀 日本人の100年 32号(1999年9月)
フロントページ 100通りのことば(元朝日新聞「天声人語」筆者・辰濃和男)
特集 狂乱の列島
「今太閤」倒れて、「青天の霹靂」が船出 狂乱物価に金権選挙。人気は急落し、月刊誌の報道がとどめを刺す。田中首相は退陣を表明。三木新首相が「十字架を背負って」船出する。(元朝日新聞論説委員・深津真澄)
間違いみたいな狂乱物価。買い物が怖い 福田蔵相自ら嘆じた「狂乱物価」。食料品も日用品も値上がりし物不足。日本中がまさにパニック状態。正常な経済活動まで疑われ…。(ジャーナリスト・永沢道雄)
照準を国際派企業に合わせた爆弾テロ 夏の昼下がり、東京・丸の内で大爆発が起こった。血だらけのサラリーマン、OLが泣き叫び、逃げまどった。卑劣な爆弾テロ。(朝日新聞論説委員・木村卓而)
「それみたことか!」原子力船「むつ」の蹉跌 包囲の虚をつき船出した「むつ」だったが、放射線漏れを起こす。地元漁民は怒り、以後原子力船は漂流をつづける。(元朝日新聞科学部長・柴田鉄治)
憂き世にサジ投げ、オカルト騒ぎ スプーン曲げ、エクソシスト、大予言、催眠術、コックリさん…。大人も子供も、科学者まで巻き込まれ、突然のオカルトブーム。(ジャーナリスト・江森陽弘)
ひと
フィリピン山中で30年「任務解除の命令がなかった」 小野田寛郎(朝日新聞外報部・大野拓司)
少女マンガのタブーを破った「ベルばら」が大ヒット 池田理代子(ジャーナリスト・赤坂英人)
クロニクル1974 写真と年表でこの年を振り返る
[1-2月]東南アジアで反日デモ/米新聞王令嬢の誘拐事件
[3-4月]小野田寛郎さんが帰国/交通ゼネストで列島マヒ
[5-6月]日本女性隊マナスル征服/輪島が世界王者から転落
[7-8月]北の湖が最年少横綱に/韓国・朴大統領狙撃事件
[9-10月]大風16号で多摩川決壊/モハメド・アリの「奇跡」
[11-12月]フォード大統領来日/台湾出身日本兵を保護
20世紀社会面 朝日新聞社、週刊朝日、アサヒグラフなどの記者に当時の世相を見る
物価上昇・モノ不足に自衛策さまざま
生涯学習へカルチャーセンターが開講
団地でおきたペット殺人
別府で3億円保険金殺人(ジャーナリスト・東嶋和子)
世紀残像―「戦後」的動機の終焉(作家・関川夏央)
子ども百景―少女漫画ブーム(子ども調査研究所長・高山英男)
活字の周辺『かもめのジョナサン』(評論家・塩澤実信)
はやり歌「昭和枯れすすき」(音楽文化研究家・永沢道雄)
食の情景―コンビニ登場(ジャーナリスト・中居あさこ)
生きもの往来―オオカナダモ(「サイアス」編集長・柏原精一)
映画「エマニエル夫人」(映画評論家・宮本治雄)
冥銘録[物故者を追悼する]
木村伊兵衛(写真家・田辺武能)
いわさきちひろ(ジャーナリスト・大久保元三郎)
斎藤秀雄(音楽ジャーナリスト・雑喉潤)
ふるさと人国記 奈良(下) 高い農林技術そして「人間に光あれ」(朝日新聞奈良支局・沖真治)
戦後政界の実力者4 椎名悦三郎 大幹をつかむ椎名流で政権を目前に自らの裁定で三木を推す(政治評論家・冨森叡児)
歴史をあるく 不思議空間の街タカラヅカ 兵庫県宝塚市(元朝日新聞編集委員・浜田逸平)
広告と生きた世紀30 英語コンプレックスを逆手に快打を放つ(広告評論家・中井幸一)
はじめてモノがたり27 おいしければ消費者はついてくる あさげ