朝日クロニクル週刊20世紀 日本人の100年 28号(1999年8月)
フロントページ 100通りのことば(元朝日新聞「天声人語」筆者・辰濃和男)
総力編集 祭りと狂気と
最後の「打ち上げ花火」に酔った万博 来場者は、平均4時間待ちをいとわず「夢の未来」を垣間見た。産業技術の進歩がひたすら誇らしく思えた最後の万博だった。(朝日新聞社社会部・速水徹)
「憂国」を地でいく三島自決に国内外驚愕 三島由紀夫は、憲法改正に向けて自衛隊の決起を促す演説ののち、割腹自殺した。その憂国的なハラキリは内外に衝撃を与える。(文芸評論家・川村湊)
日本中に「開発」という名の破壊の跡 ヘドロ、煤塵、有害物質。気がつけば「開発」という名の破壊が進んでいた。経済・企業重視から生活優先への転換が急がれた。(朝日カルチャーセンター社長・柴田鉄治)
減反―有史以来の主食減らし 過剰米対策として、政府は本格的な「減反」に踏み切る。しかし、行政指導による、全国一律の減反は、稲作体質を変えられなかった。(ジャーナリスト・長谷川●)
コザで反米焼き打ち、荒れ狂う沖縄の怨念 本土復帰が決まっても、基地労働者の解雇問題、米兵による犯罪に沖縄の人々はいらだつ。そんな臨界状態で事件は起きた。(沖縄市役所・今郁義)
ひと
持ち前の動物的直感で〝辻説法〟を続ける公害の発見者 宇井純(日本大学教授・岡本雅美)
ジョン・レノンを変身させた強烈な自己主張と愛 オノ・ヨーコ(音楽評論家・田川律)
クロニクル1970 写真と年表でこの年を振り返る
[1-2月]広島・大久野島に毒ガス650本/「ヘアー」公演中止
[3-4月]「よど号」ハイジャック事件/大阪の密集地でガス爆発
[5-6月]米軍、カンボジアに戦線拡大/最大規模の反安保行動
[7-8月]ベトナム「虎のオリ」の惨状/「歩行者天国」スタート
[9-10月]アラブゲリラが乗っ取り/米軍演習場の座り込み
[11-12月]沖縄選出国会議員7人初登院/タンカーに女性船員
20世紀社会面 朝日新聞社、週刊朝日、アサヒグラフなどの記者に当時の世相を見る
万博博覧会に行列つくって忍耐の訓練
「ディスカバー・ジャパン」スタート
学校の部活動で相次ぐシゴキ事件
現代のモルグと化したコインロッカー(ジャーナリスト・東嶋和子)
世紀残像―よく晴れた晩秋の一日(作家・関川夏央)
子ども百景―三里塚少年行動隊(子ども調査研究所長・高山英男)
活字の周辺『誰のために愛するか』(評論家・塩澤実信)
はやり歌「傷だらけの人生」(音楽文化研究家・長田暁二)
食の情景―缶コーヒー(ジャーナリスト・中居あさこ)
生きもの往来―チョウザメ(「サイアス」編集長・柏原精一)
映画「緋牡丹博徒・お竜参上」(映画評論家・宮本治雄)
冥銘録[物故者を追悼する]
円谷英二(特殊撮影監督・川北紘一)
大宅壮一(ジャーナリスト・大隅秀夫)
シャルル・ドゴール ほか
ふるさと人国記26 広島(下) 軍需を教訓に、したたかに民需へ脱皮(元朝日新聞記者・大塚栄寿)
素顔の宰相26 小渕恵三 融通無碍なれど並の「凡人」にはあらず(政治評論家・冨森叡児)
歴史をあるく 頑固、倹約の精神が生んだ缶コーヒー UCCコーヒー博物館(元朝日新聞記者・浜田逸平)
広告と生きた世紀26 寺山修司の詩に託した「ジャンボで太平洋横断」の夢(広告評論家・中井幸一)
はじめてモノがたり23 パリ・コレで度肝抜いた新素材 人工皮革「エクセーヌ」