別冊歴史読本 第32巻第16号 = 第761号(平成19年5月)
巻頭特別企画
■誌上ロードショー 『俺は、君のためにこそ死ににいく』 若き特攻隊員たちと、彼らを心で抱きしめた「特攻の母」こと鳥浜トメが織りなす青春群像
■戦跡は証言する 特攻最前線基地の街を歩く 沖縄戦時、特攻作戦の出撃基地になった南九州の基地跡を巡る
第1部 特攻の思想
第1章 特攻作戦を生んだ日本軍の戦略思想 日本人にとって死ぬことの意味とは? 前代未聞の作戦を実行した日本軍の目的(吉田昭彦)
第2章 なぜ日本軍は特攻作戦に踏み切ったのか 拒否から容認へ――悪化する戦局が後押しした体当たり攻撃(雨倉孝之)
第3章 米軍は日本軍の「カミカゼ」攻撃をどう見ていたのか 日本の特攻機に狙われた対特攻作戦「レーダー・ピケット戦法」(森山康平)
第2部 蒼穹の死闘
第1章 神風特別攻撃隊「敷島隊」突入す! 直掩の零戦までも突入した初の神風特攻隊の大戦果(渡辺大助)
第2章 国民的なヒーローになった「敷島隊」の五軍神 メディアを総動員して神風特攻隊を戦意高揚の最前線に立たせた大本営(渡辺大助)
第3章 フィリピン上空に散った陸軍特攻隊 内地から続々送り込まれた、敵艦に体当たり攻撃の必死部隊(森山康平)
第4章 第二御盾隊、硫黄島へ出撃 硫黄島の将兵を奮い立たせた特攻隊の米空母撃沈(水島吉隆)
第5章 沖縄決戦で敢行した日本陸海軍の全軍特攻 大日本帝国陸海軍が明治の建軍以来初めて採った陸海軍同一の連携作戦(大原徹)
第6章 人間爆弾「桜花」、唯一の戦果 一発で大型艦も撃沈できる超強力兵器の悲劇(雨倉孝之)
第7章 超空の要塞B29機への空中特攻 難攻不落の要塞に果敢に挑んだ本土防空戦闘隊(水島吉隆)
第3部 蒼海の死闘
第1章 特攻の魁となった特殊潜航艇の戦い 初陣の真珠湾攻撃から沖縄戦まで、期待された「海の特攻兵器」はいかに活躍したか(平塚柾緒)
第2章 海中特攻・人間魚雷「回天」の戦い 生還は期し得ない必死の海中特攻兵器と運命をともにした隊員たち(渡辺大助)
第3章 海上特攻「震洋隊」の孤独な戦い 戦場に散った体当たり専用の爆装モーターボート、歴戦の軌跡(雨倉孝之)
第4章 陸軍海上挺身戦隊の肉迫作戦 二百五十キロ爆雷を抱いたベニヤ板製のモーターボートで敵艦に体当たりした海上特攻隊(大原徹)
第5章 戦艦「大和」、沖縄特攻に出撃す 沖縄への海上特攻の意味とは? 九州・坊ノ岬沖に沈んだ史上最強の戦艦(萩原宙)
第4部 特攻の証言
第1章 多くの隊員を見送った特攻の母・鳥浜トメ 若者たちに愛された知覧の「お母さん」と受け継がれる彼女の意思(日高恒太朗)
第2章 軍神の母・関サカエの苦悩と辛酸 戦後の悲惨な生活を巣くってくれた山間の純真な子供たち(渡辺大助)
第3章 離島に不時着した少年特攻隊員 生と死のはざまに生きた若者たちの撰択した道とは?(日高恒太朗)
第4章 最後の陸攻隊「攻七〇四」硫黄島戦に突撃 硫黄島の米軍に夜間爆撃を二度も加えて帰還した搭乗員の証言(森山康平)
第5部 特攻長官と指揮官
1 特攻生みの親 大西瀧治郎海軍中将 玉音放送を聞いて割腹自殺、特攻戦死した部下の後を追った司令長官(村尾国士)
2 最後の「特攻提督」 宇垣纏海軍中将 航空特攻で敗戦を迎えた大艦巨砲主義者のエリート将軍の最期は?(村尾国士)
3 初の特攻隊「敷島隊」隊長 関行男大尉 「最愛のKAのために行くんだよ」妻を護るために米空母に体当たりした特攻隊長(野口恒)
4 第四航空軍司令官 冨永恭次陸軍中将 特攻作戦を進めながら、独断で台湾に“逃亡”した特攻指揮官(野口恒)
5 第六航空軍司令官 菅原道大陸軍中将 部下の特攻を見送りながら、自らは生き延びた司令官(水島吉隆)
第6部 日本軍の特攻兵器(山崎遊)
多種多様な特攻兵器 エスカレートする特攻作戦で増殖し続けた体当たり兵器
特攻作戦に“根こそぎ動員”された航空機
特攻に使用された海軍航空機
零式艦上戦闘機/夜間戦闘機「月光」/九六式艦上爆撃機/九九式艦上爆撃機/艦上爆撃機「彗星」/九七式艦上攻撃機/艦上攻撃機「天山」/艦上攻撃機「流星」/陸上爆撃機「銀河」/
艦上偵察機「彩雲」/九三式中間練習機/機上作業練習機「白菊」/二式飛行艇/九四式水上偵察機/零式水上偵察機/零式観測機/一式陸上攻撃機
特攻に使用された陸軍航空機
一式戦闘機「隼」/九七式戦闘機/二式戦闘機「鍾馗」/三式戦闘機「飛燕」/四式戦闘機「疾風」/二式複座戦闘機「屠龍」/九九式双軽爆撃機/一〇〇式重爆撃機「呑龍」/四式重爆撃機「飛龍」/
九八式直接共同偵察機/九九式襲撃機・軍偵察機/一〇〇式司令部偵察機/九五式一型練習機
驚愕の特攻専用兵器
特別攻撃機「桜花」/特殊攻撃機「橘花」「梅花」/人間魚雷「回天」/甲標的丁型「蛟龍」、特攻潜水艇「海龍」/水上特攻艇「震洋」、四式肉迫攻撃艇/その他の特攻専用兵器「剣」「神龍」「伏龍」
コラム
特攻基地と歌碑
六十年前の自分との再会
青春を味わった人のため
わが子の成長を願う父の想い
写真・資料強力((c)2007「俺は、君のためにこそ死ににいく」製作委員会/ホタル館/近現代フォトライブラリー)
装丁・レイアウト協力(島崎哲雄デザイン事務所・島崎哲雄/深澤康一/CM/BOX・佐藤誠)
企画・編集(太平洋戦争研究会)