特集丸 第3巻第1号 = 第11集(1959年1月)
特集丸 3巻1号 1959年1月
丸 重巡戦史 1
グラビア
日本重巡の回想【海軍大演習のアルバムより】
興隆途上をかざった装甲巡洋艦
妙高・愛宕・鳥海・青葉・最上・高雄・利根
日本重巡のライバル【米英濠主要重巡集】
世界の眼に映った日本の重巡(元海軍中佐 吉田俊雄)
世界を驚倒させた平賀譲博士の傑作「古鷹」にはじまる日本造艦技術の華・重巡に対する海外の反響!
日本重巡とそのライバル(戦史研究家 豊田澄夫)
日本重巡は緒戦以来連合軍の一大脅威だったがそれだけに勝負を挑まんとする強敵が立ち塞がった!
第二次大戦に果した重巡の役割(軍事評論家 柏木浩)
栄光あり自沈あり、極東遠征の夢空しく消え去るあり、それぞれの運命を生きた世界重巡の種々相!
ブイとり珍聞
水雷艇指揮官
安眠できる重巡
全力
よいデッキ、わるいデッキ
重巡のナキどころ
ブルキか本物か
重巡とその装甲
緑の部屋
三景艦から重巡までの四十年(本誌編集部)
軍縮会議の申し子、そしてわが造艦技術の粋を結集した“精鋭重巡”の生い立ちにスポットをあてる!
日本重巡戦記▲その栄光と受難の生涯▼
先頭第一の栄光に生きた重巡“筑摩”(元筑摩艦長・海軍少将 古村啓蔵)
終始“先頭第一”の信条をもって卒先敵戦列に突進、レイテ湾にその栄光を沈めた重巡筑摩一代記!
重巡“利根”の戦跡と生涯(元利根砲術長・海軍中佐 谷鉄男)
ゴールデン・シップと噂され不死身を誇りつつ太平洋各域に勇戦奮闘、連合軍の度胆を抜く激戦譜!
空母殺し重巡“羽黒”決戦記(元羽黒砲術長・海軍中佐 浅井秋生)
濛々たる褐色の煙、身をこがす焦熱の中で艦を守る兵の挺身と空母殺しの異名をとった羽黒の生涯!
海の尖兵重巡“足柄”の激闘(元足柄航海長・海軍中佐 吉津信一)
天に沖する焔煙、飛散する破片、不動明王のそれにも似て劫火を負って突進また突進の足柄半生記!
ソロモンの狼重巡“青葉”奮戦記(元青葉乗組・海軍大尉 竹村悟)
ひとたび咆哮すれば獅子もまた遠きにこれを避けるという―狼とあだ名された青葉が織なす死闘!
勲は高し、重巡“鳥海”(元鳥海水雷長・海軍中佐 小屋愛之)
重巡随一の式勲艦鳥海―シブヤンの碧海におけるその最後はそのまま日本海軍の弔鐘でもあった!
【重巡の誕生とその歩み】
世界の重巡が辿った栄光と悲惨(戦史研究家 山内隆)
棋譜でいえばまさに飛車角といわれる重巡の位置を世界の造艦史と軍事的見地からその焦点を絞る!
超弩級戦艦「大和」が当る軍艦クイズ 第二回募集
読者から編集者から
編集後記
火の玉重巡“最上”血戦譜(軍事評論家 野村靖二)
放棄されても最上は沈まなかった、いや沈むことを肯んじなかった―壮烈、鬼神も哭く最上の最後!
重巡“利根”太平洋を驀進す(元利根艦長・海軍大佐 黛治夫)
まさに天衣無縫、その征くところ敵なきをほこった日本重巡第一の精鋭艦“利根”の太平洋転戦記!
夜戦の雄、重巡“三隈”の生涯(元三隈通信長・海軍大尉 植村吉郎)
夜戦となるとゴキゲンだった艦長以下猛者連が集う三隈の源平壇の浦合戦を地でゆくような勇戦譜!
悲憤濃し重巡“鈴谷”の最後(元鈴谷艦長・海軍大佐 寺岡正雄)
サマール沖にあげられた花火―それは戦場の華やかさであり又滅び行くものへの弔砲でもあった!
特別読物
ラプラタ河口の悲劇【グラーフ・シュペーの自沈】
その出現から最後までわずかに三年あまりその間第二次大戦海戦史上もっともけんらん多彩で、劇的だったドイ
(軍事評論家 小谷到)
ジャワ海のまぼろし重巡【ヒューストンの最後】
敵の重囲の中に飛びこみ八七本の魚雷と百発もの敵弾に沈みゆく米重巡ヒューストンのマストには星条旗がひる
(戦史研究家 浅野茂樹)
カラーセクション
悲壮!ソロモン海に潰えた二重巡―古鷹、衣笠の最後―
重巡摩耶、黎明のパラワン水道に死す
誌上レーダー よく遊び、よくカセげ―フラ・フープの道徳教育―
読書室 “二匹のサソリ”と基地日本―近ごろの軍事書と評論から―
日本重巡の奮戦と最後
サンタクルーズ湾の斜陽【熊野】
艦首はまくれ、浸水のために二万トンの重量の身をひきずって、たどりつく運命の基地!
(元熊野航海長海軍中佐 山県侠一)
梟雄よ、とこしえなれ【愛宕】
パラワン水道の夜はまさに明けんとするとき敵潜水艦の魚雷は愛宕の船腹を深く抉った!
(元愛宕副長海軍大佐 根岸実)
天佑!スコールの奇蹟【妙高】
戦雲ただようサイパンの沖にくりひろげる敵雷撃機との追いつ追われつのかけあし競争!
(元妙高航海長海軍少佐 佐藤文雄)
レイテ沖、暁闇の激闘【高雄】
敵潜感度大、右舷電跡発見、息詰る緊張の中に轟ろく爆発音、暁のレイテに波が砕ける!
(元高雄航海長海軍中佐 長益)
好評二大連載
長翔千二百浬の大移動【撃墜王第六回】
台南からホロまで驚異的な大移動を終えた零戦隊がボルネオ、セレベスに展開するB-17との血闘記!
(元台南空戦闘機搭乗員・海軍中尉 坂井三郎)
ロンボック海峡にこだまする霧笛【積乱雲第六回】
ほの暗い商船の一室で悲鳴に似た僚船の最後の霧笛をきいたとき、私は戦うことのむなしさを知った!
(元海軍報道班員現読売新聞普及部 吉田一)
折込解剖三面図
重巡妙高型・高雄型概略配置図