夢と郷愁を売る夜店
- サブタイトル
- 商法の不思議とテキ屋の世界
- 編著者名
- 三瓶 恵史 著
- 出版者
- 現代史出版会
- 出版年月
- 1984年(昭和59年)3月
- 大きさ(縦×横)cm
- 20×
- ページ
- 237p
- ISBN
- 4198128901
- NDC(分類)
- 384.38
- 請求記号
- 384.38/Sa61
- 保管場所
- 地下書庫半藤図書
- 内容注記
- 昭和館デジタルアーカイブ
はじめに
序章 F1レース・安全耳カキ・神農道
現代露天商三つのパターン
F1世界選手権と元東映女優/親子二代三五年の「安全耳かき」/高市を駆ける男/神農道を生きる現代の香具師
第1章 前橋初市を歩く
「庭主」と「ショバ」と「ショバ割」を見る
夜店を構成三つの要素/前橋の高市の庭主は寄居一家である/いよいよショバ割に入る/「ショバ割」の苦労と腕の見せどころ/ショバ割にも近代化の波が/実際の手順はこうだ/昭和初期のショバ割にその原型を見る/"夜見世"のルーツは天保のころ/
不況と混乱期に栄える露店
第2章 物珍しさか?ノスタルジアか?
夜店のネタ・ネタ元・原価・利益はどうなっているか
コンピュータ時代によみがえる縁日/物珍し派?それともノスタルジア派?/縁日の商品の流通機構を考えてみる/夜店のベスト・スリー商品は風船とおもちゃとお面/キャラクターおもちゃは利幅が小さい/「縁起もの」には東南アジア産が多い/
金魚の原価は稚魚一匹九円/昭和初期におけ的屋の流通系統/夜店に並んでいる商品、原価、利益/商品構成の七〇パーセントは昭和初期と同じ/風情や情緒はどこへ行ったか?/夜店の店舗作り日本一は須田商事/タコ焼きの店は一式約十五万円
第3章 露店の構造
ショバ・的屋・親分・子分
ショバは的屋の死守の地/初詣でベスト・テン神社の露店と庭主は/関東地域のおもな的屋と東京の庭場/モータリゼーションで的屋社会にも二つの変化が/庭場をめぐる勢力争い/露店店員の七割は的屋である/"ゲソをつける"動機はさまざま/
吉田氏の「神農さん道」履歴書/「マンボ団」を結成する/"オオドサ"をくらい初逮捕/教員や自衛隊あがりもいる現代の的屋群像
第4章 夜店は現代商法のルーツである
現代に生きる神農商法
的屋の年収は一人当り八五〇万円/的屋急増により取締りもきつくなった/夜店の不思議な生命力の源泉は?/「見る」「買う」「食べる」「遊ぶ」は商法の原点/コマーシャル、あげ底、過剰包装まで的屋のマネか?/ネタヅケこそ的屋の生命/露店の種類と業態/
大じめ師/リツ師/みんさい/すりく/ごと師/ヤセリ/じく/ちぎり/もんたん/ろくま/ゲソ屋/一役・五役/打オロシ/ごみ師/じみ師/はこ師/がせみつ打ち/はぼく/きんけん/キスグレ打ち/たぐり/ばさ/とざん打ち/うべ師/がんすい屋/がまとろ/るふて/
くろとり/もりこう/タカモノ師/ぬけ打ち/「馬ちゃん」「ギャング」「ケイチャン」という特種な売り方/販売方法こそ的屋商法の秘訣
第5章 タンカはコマーシャルの元祖である
的屋口上集
タンカ
第6章 盃事(ズキサカ)、売旅(バイタビ)、仁義(アイツキ)、破門
現代神農道入門
盃事――的屋に入門する/的屋の身分制度/的屋の仁義/的屋の売旅/的屋の義理/的屋のエンコズメ/的屋の破門
第7章 神農道と的屋
的屋の職神と変遷
「神農」は香具師の"職神"(セイント・パトロン)/神農黄帝と炎帝神農は別人/現代の中国でも神農の実在を肯定/神農は香具師だけの守り神ではない/香具師と売薬業者の関係/香具師が神農を守護神とした時代は/寛政時代が香具師の胎動期/幕府からの身分権の確保/
五十年で庭場を確立/変革する神農業界/「てきや」の語源/露店と縁日の関係/縁日の意味と起源
終章 夜店はどこへ行く
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