図書コウタ カイセツ080007662

小唄解説

サブタイトル1~10
編著者名
平山 蘆江 著
出版者
住吉書店
出版年月
1953年(昭和28年)5月
大きさ(縦×横)cm
19×
ページ
181p
ISBN
NDC(分類)
768
請求記号
768/H69
保管場所
地下書庫半藤図書
内容注記
和書 半藤一利氏旧蔵資料
目次

いつしかに
初出見よとて
はやつぐる
春がすみ
橋本へつけるや
晴れて雲間に
はるがすみ
とめてもかへる
地まはりは
茶のとがか
ぬけがらや
ぬれて見たさに
ぬしと二人で
ぬしさんと
おゝい山王の
お互ひに
わしが在所は
わしが思ひは
われがすみか
春日野の
がん首の
桂川お半を背に
枯柳いとも
かぐらばやし
夜ざくらや
よみ流す
たれと根岸の
空ほのぐらき
空や久しく
つがひはなれぬ
露は尾花と
月あかり
情もしみる
浪の上
向ふ通るは
無理な首尾して
無理な首尾してわくせきと
虫の音を
梅は咲いたか
うからうからと
梅が香を
梅の實も
梅一輪
浮氣同士が
鶯の身を
うらの背戶や
うたたねの
打水の
のび上り
雲にかけ橋
菅相亟は
柳橋から
八重一重
野暮なやしきの
ままになるなら
まちわびて
又の御見を
船に船頭
舟ぢや寒かろ
降る雪に
ぶらり瓢簞
筆のかさ
ふたりづれ
小諸出て見よ
紺の前だれ
こひしき人は
心でとめて
今宵は雨か
木枯らしの
ござれや
これ泊らんせ
五萬石でも
江戶の人
あすはお立ちか
あけぼのに
あさ黃染
有明の
あうて別れて
あひたい病ひ
逢うてうれしや
雨や大風が
あちらはあちら
朝顏のあした
酒の一つが
さんさしぐれ
さとを離れし
されば浮世を
ささのきげん
酒と女
さくら見よとて
山谷の小舟
さぎをからすと
西行さんはじめて
さみだれに
さみだれや
さてもやさしや
伽羅のかほり
きみは今ごろ
銀のびらびら
雪のだるまに
雪はしんしん
夕立ちや
雪のあした
雪は巴と
夕立のあまり
行こかもどろか
目見えそめしは
めぐる日の
みなここに
見わたせば
都はなれて
三日月の
三つの車
水の出ばな
水さしの
道は二筋
四條の橋
島田金谷
しげく逢ふのは
しぐれして
一聲は
ひとり寢の
人に意見を
人とちぎるなら
ひろい世界を
ひろい世界に
緋鹿の子の
緋ざくらや
もちの月
默阿彌さんの
誓紙書くたび
世辭でまるめて
翠帳紅閏に
すきやちぢみと
好いたお方に
いさましや
いはぬはいふに
いざさらば
意氣なからす
色氣ないとて
一生つれそふ
石川や濱の眞砂は
因果同士は
木小屋
蓮の葉に
葉ざくらや
半月に
春の夜の
初雪に
春風さんや
春の野に
半染めの
腹の立つ時
晩に忍ばば
はんなりと
はなし白けて
はをり着せかけ
ほととぎす
ほれて通ふに
當代珍らし
とんとん唐辛子
とめては見たが
どうぞかなへて
土手にとびかふ
ぬれて來た
おつと合點
お伊勢まいり
お前あるゆえ
お前まへ髮
おしどりの
おゝい田吾作
思ふこと
からくりの
からかさの
からす啼きでも
風折烏帽子
かのたれやらが
よりかかりし
よしの川に
夜やふけて
與作思へば
竹に雀は
竹になりたや尺八
竹になりたや
たまさかに
辰巳やよいとこ
それで濟まうと
月はおぼろに
月はおぼろに冴えもせず
つれてのかんせ
つつみになびく
長い浮世に
淚かくして
ながき夜の
うがひのあと
殘る月
待つているより
待ちわびて
風鈴の音に
ふたり一緖に
ふたりして
こり性で
こひしこひしが
このやうに
あまり辛さに
あひ持ちで
あごで知らせて
秋風さそふ
あふは別れの
あきらめて
あの花が
あら心なの
さなきだに
着せる羽織を