図書目録シバ リョウタロウ ノ バクマツ メイジ資料番号:080007544

司馬遼太郎の幕末・明治

サブタイトル
朝日選書 728 『竜馬がゆく』と『坂の上の雲』を読む
編著者名
成田 龍一 著
出版者
朝日新聞社
出版年月
2003年(平成15年)5月
大きさ(縦×横)cm
19×
ページ
309p
ISBN
402259828X
NDC(分類)
910
請求記号
910/Sh15
保管場所
開架半藤文庫
内容注記
朝日カルチャーセンター(新宿)での「講座」(2000年5月-2001年7月)をもとに書きおろしたもの
昭和館デジタルアーカイブ
和書 半藤一利氏旧蔵資料
目次

「国民作家」司馬遼太郎/「歴史と文学」という議論/歴史家と小説家の差異/史実と虚構/司馬の書く二つの時間軸/没後の司馬ブーム―もう一つの時間軸/三つの時間軸/司馬の書いた歴史意識/なぜ『竜馬がゆく』と『坂の上の雲』か
 
第二章 『竜馬がゆく』を読む
1 近代日本の出発点としての〈明治維新〉
歴史像を読み解くには―問題意識とスタイル/「相対化」して主人公を批評する手法/司馬と歴史学手法の共通点―〈事後〉と〈外部〉/エピソードの役割/〈史実離れ〉と〈その後〉という手法/文明と経済/語り手の登場
2 近代人・司馬のみた〈近代〉形成の論理
〈西洋〉との対峙/近代人・司馬の視線/桜田門外の変から動き出す物語/変革をどのコースからみているか/過激主義への嫌悪/〈鳥瞰〉と〈事後〉の観点/〈公〉と〈私〉の領域意識
3 1960年の坂本竜馬像
司馬の描く竜馬像のかたち/攘夷観・西洋観/明治維新の主体のとらえ方―下級武士重視/元治元年という〈時空間〉の重視/天皇という正統性/経済活動をする竜馬/〈本当のこと〉と〈創造されたこと〉/一つ一つの出来事の評価が維新観に/
「薩長史観」と「英雄史観」/近代史としての竜馬像/「尊王」と「勤王」の違いの解釈
4 司馬遼太郎の明治維新像/歴史学の明治維新像
流通の「利」に着目する竜馬/アジアへの視線/竜馬の理想の具現化としての海援隊/明治維新を革命ととらえる/中岡慎太郎を重視/流血革命の回避=大政奉還/船中八策の解釈/〈西洋〉の視線/「大政奉還」の論じ方/大政奉還後の政権構想をどう描くか/青春期の近代日本
 
第三章 『坂の上の雲』を読む
1 描かれる〈国民国家〉の試練
物語の見取り図/〈教育〉と〈軍事〉という視点/東京という〈場所〉/〈私〉という小説の語り手/〈西洋〉に〈認知〉される日本/戦争は必然だったか/司馬の認識と記述の特徴/国際法の重視/ナショナリズム/清国をみる目/銃後の国民
2 文明/民族/帝国―19世紀の世界史像と日本像
新興市民国家「アメリカ帝国」/もう一つの帝国ロシア/義和団運動をめぐる列強と日本/子規に語らせる市井の様相/帝国主義観/防衛戦という認識
3 〈戦争の語り〉(1)認識
「戦略」/「国民」の創出、「軍神」の消去/陸軍の戦略/ロシア軍の動向/人事の観点/戦闘の叙述の仕方―ヒトとモノ/民族性を重視する/遼陽の会戦と姿なき中国人/メディア戦略/旅順攻撃で噴出したもの/人事が失敗した組織としての陸軍/
民族の叙事詩として/バルチック艦隊という組織
4 〈戦争の語り〉(2)記述の作法をめぐって
ロシア軍部内の分裂と対立/「死者」と「国際法」/戦略の評価/司馬の話法と修辞法/戦闘における民族性/参照系としての「ロシア」と「昭和日本」/「モノ」「ヒト」「情報」「技術」/ロシア革命論/乃木論/民衆論/重ね書きによるリアリティ
5 司馬遼太郎が描いたこと/描かなかったこと/描けなかったこと
兵士の証言/組織力の差というとらえ方/奉天会戦の分析/日本海海戦をめぐる考証/宮古島のエピソード/連合艦隊とバルチック艦隊の差/日本海海戦の記述の手法/日本近代化の総決算としての日本海海戦/勝利ののち/描かれていないもの/
描けなかったこと/70年代に語りの方法が変化/司馬作品をテキストとして読む意味
 
あとがき
坂本竜馬 七人の刺客

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