すぎた歳月

李方子(りまさこ)さんの越えてきた道(大谷智子)
　
第一章
幼い頃の思い出
明治は遠くなりにけり
明治天皇の崩御(ほうぎよ)
　
第二章
本人がいちばん驚いた婚約発表
日鮮融和(につせんゆうわ)の礎(いしずえ)として
東宮さまの御婚約内定
李太王(りたいおう)さまの薨去(こうきよ)
　
第三章
複雑な李王朝(りおうちよう)の内部
垠(ぎん)殿下の生い立ち
前途への不安
この方と運命を共にしよう
　
第四章
晴れの儀式の日
しあわせのなかで
長男晋(しん)の誕生
初めての朝鮮への旅
　
第五章
心こもった朝鮮の儀式
突然訪(おとず)れた晋(しん)の死
さらば崇仁園(すうじんえん)
悲しみの帰京
　
第六章
写経(しやきよう)に心願(しんがん)こめて
関東大震災のころ
徳恵姫(とくえひめ)の来日
大正から昭和へ
　
第七章
ヨーロッパ旅行へ
徳恵姫のご病気
念願の玖(きゆう)の誕生
戦禍の泥沼の中へ
　
第八章
戦局は日々に暗く
広島に原爆投下
ああ、八月十五日
韓国(かんこく)は独立したけれど
　
第九章
敗戦の虚脱(きよだつ)の中で
臣籍降下(しんせきこうか)
わが道を行く
玖(きゆう)のアメリカ留学
　
第十章
不幸はなおも続いて
苦しいタケノコ生活
たくましき成長
水入らずのしあわせな生活
　
第十一章
ふたたびアメリカへ
ハワイ行き
姉上尹大妃(いんたいひ)との再会
夢にみた崇仁園(すうじんえん)へ
　
第十二章
帰国の準備
夫の病状悪化
世界はひとつ
日本よ、さようなら
　
私の念願
『あとがき』にかえて
老いたる母の願い(梨本伊都子)
歸還居住十週年記念の辭