昭和政治思想研究
序
第I部 労働と科学・技術
第一章 政治思想における労働と技術
一 労働の意味づけと政治思想―二つの労働観をめぐって―/二 労働と技術の関連―特にその現代的形態について―/三 社会政策をめぐる労働と技術/四 産業合理化をめぐる労働と技術/五 農業機械化をめぐる労働と技術
第二章 テクノクラシーの思想と運動
一 テクノクラシーの形成/二 一九三〇年代のテクノクラシー運動/三 社会科学におけるテクノクラシー論
第三章 ファシズムの「実験」―「大陸科学院」と「技術公開」―
一 ファシズムの実験国家「満洲」/二 大陸科学院の設立とその影響/三 技術の公開をめぐって
第四章 大東亜共栄圏の労働秩序
一 共栄圏の同心円的構造/二 共栄圏の階層的構造/三 共栄圏における朝鮮の位置づけ/四 共栄圏構想の労働観
第II部 資源と生活
第五章 資源問題とファシズム体制
一 政治と資源問題/二 国家総力戦の構想/三 資源問題とファシズムの論理
第六章 戦争と人造石油
一 米、生糸および石油とナショナリズム/二 代用品イデオロギー/三 神々と石油/四 人造石油の技術と方法/五 開戦の決定と人造石油/六 戦争と人造石油と資源
第七章 大東亜共栄圏と資源
一 「与える」ものなく「取る」ばかり/二 資源と「動議」の交換/三 資源と「技術」の交換
第八章 戦時下民衆の「生活」と生活科学
一 生活科学と「最低生活」論/二 生活の合理化と科学/三 戦時下における生活規制/四 社会科学における「生活」/生活の破壊と生活科学の破産
第III部 思想と言語
第九章 言語をめぐる政治と戦争
一 言語の政治的機能/二 言語における改良主義と伝統主義/三 総力戦と言語
第一〇章 「近代の超克」と科学・技術
一 天皇制国家の科学軽視・敵視論/二 座談会「近代の超克」について/三 科学・技術論と戦争への対応/四 「近代の超克」における技術と文学
第一一章 大東亜共栄圏の構想
一 「道義ニ基ク・・・・・・搾取」―大東亜建設審議会―/二 二〇年後の「大東亜戦争」―総力戦研究所案―/三 グワテマラに総督を―軍・拓務省案―/四 共栄圏理念の「引きさげ」―大東亜共同宣言―
第一二章 「靖国」と「軍法会議」
一 「靖国」―天皇制国家のSanctus―
二 「軍法会議」―天皇制国家のTrenendum―
索引(人名・事項)