対論昭和天皇
はじめに(原武史)
第一章 <記憶>をめぐって
関東大震災と訪欧体験
<視覚的支配>とは何か
京都への意識
行幸啓と鉄道
三代の皇后という存在
退位論の真実
「人間宣言」とは何だったのか
第二章 <御製>を読む
天皇の胸中を知る
明治天皇の御製と比べて
貞明皇后が処分した大正天皇の漢詩
地方視察をどう詠み込むか
御製は感情の発露だった?
第三章 <声>の支配、<時間>の支配
「石地蔵」が英国でスピーチできたのは何故か
ラジオの登場と「肉声」の遮断
玉音放送は国民に届いたか
<時間支配>の拡大
アイデンティティの確認か、形式の重視か?
皇統の正統性を担保するもの
第四章 天皇と<祈り>
満洲国皇帝溥儀の回想
伊勢神宮と靖国神社
韓国併合で何が起こったか
「一億一心」の祈り
『独白録』に残る天皇のことば
伊勢神宮で祈ったのは何か
「一億一心」の祈り
「一億総神拝」の登場
溥儀と建国神廟の謎
貞明皇后と祭祀
「満州国」の神社の実態
三種の神器への執着
宮中に蠢く不穏な宗教
松本清張が描いたある世界
「国体」護持か否かのせめぎあい
第五章 昭和天皇の<父>と<弟>
大元帥としての父からの教え
秩父宮と陸軍
人格が凝縮された遺言の重み
皇太子教育への高松宮の不満
第六章 <軍部>と<身体>
田中義一より浜口雄幸
「昭和維新」に「元勲」はいなかった
水戸と五・一五の考察
マルキシズムこ超国家主義
大元帥にふさわしい<身体>か
「君民一体」を体現する天皇像とは
二・二六事件をめぐる秩父宮ミステリー
天皇機関説は理解されたか
洋上で訓練されたスピーチとテーブルマナー
天皇のボキャブラリー
「奉祝歌」はどこへ消えた
占領下の皇居前広場で天皇は何を見たか
第七章 平成に受け継がれる昭和とは
三笠宮の距離感
現天皇の幼年期の記憶
小泉信三の帝王学は生きているのか
平成の天皇と戦後民主主義、そして「人格否定」発言
あとがき(保阪正康)