図書オザワ ジサブロウ080007421

小澤治三郎

サブタイトル1~10
PHP文庫 果断・寡黙・有情の提督
編著者名
宮野 澄 著
出版者
PHP研究所
出版年月
1999年(平成11年)6月
大きさ(縦×横)cm
15×
ページ
315p
ISBN
4569572812
NDC(分類)
289
請求記号
289/O97
保管場所
地下書庫半藤図書
内容注記
「果断、寡黙にして情あり」(祥伝社1994年刊)の改題
和書 半藤一利氏旧蔵資料
目次

文庫版のためのまえがき
 
まえがき
 
序章 戦(いくさ)おわりても同じ志(こころざし)のもとに――戦争責任を自(みずか)らに課す陸海軍のリーダー
若者たちを死に至らしめた責任
心を許し合った今村均との交(まじ)わり
井上成美との奇縁
 
第一章 過(あやま)ちを改むるに憚(はばか)ること勿(な)かれ――人生の転機となった、戦場から届いた一通の手紙
暴(あば)れん坊だった少年時代
弱気を助け強気を挫(くじ)く
無念の退学処分
人生の転機となった一通の手紙
"真の勇気"とは何か
「粗暴なことは二度とすまい」――心機一転して上京
喧嘩から始まった三船久蔵との奇縁
心優しい高鍋の級友たち
戦争を始めた者は、戦争の終結を
 
第二章 軍人として夢かぎりなく――兵学校を卒(お)え、海軍少尉・小澤治三郎の誕生
念願の海軍兵学校に合格
厳しくスケジュール化された兵学校生活
愛称は「ジザ」、雅号は「酔夢(すいむ)」
温(あたた)かい連帯感があった「海軍一家」
卒業航海で「宗谷(そうや)に配乗」
乃木(のぎ)大将の寂しそうな姿
母を泣かせた明治天皇の拝謁(はいえつ)
同郷後輩から慕(した)われた小澤
航空機攻撃への先見性
任官できなかった同期仲間
「人間は、過去の苦悩を好むように創造されている」
一時代の終焉――明治天皇の崩御と乃木(のぎ)大将の殉死
 
第三章 男の夢、男のロマン――洋上決戦のカギを握る「水雷屋(すいらいや)」を志(こころざ)して
寡(か)を以(もつ)て衆を制する――日本海軍の宿命
ドイツへの宣戦布告――未体験で終わった海戦
水雷屋は「男の夢、男のロマン」
「航空魚雷攻撃」こそ近代的戦法
箸(はし)の倒れたほうの女性を妻にめとる
愛情表現がヘタだった職業軍人
 
第四章 "三面"を持つ男――人心をつかむ「謹直」「鋭利」「快活」な生き方
戦争は甚大な人命喪失をともなう
戦争に勝つだけが、軍人の人生ではない
歴史は黒幕によって動かされる
勝つことの本当の意味
「戦いの後の戦い」
軍人は何のために存在するのか
「戦争はしないほうがいい」――井上成美のためらい
「東京は熾烈(しれつ)な空襲にさらされ・・・・・・」
聞き入れられなかった小澤の主張
組織は流動的でなければならぬ
ニックネームは"三面"
世の中で大切なのは誠
嵐の中の連合艦隊演習で、全治四カ月の重傷
 
第五章 戦(いくさ)は人格である――戦闘場面で活(い)かす、指揮官のための三つの戦策
戦(いくさ)は人格である
個人の判断を尊重した小澤の指導法
出世の妨(さまた)げも恐れぬ信念と志
先輩参謀長の死に、涙が頬(ほお)を伝(つた)い
戦闘場面で活(い)きる三つの具体策
 
第六章 歴史の流れをつかむ――指令室で雑誌『中央公論』を読む理由
歴史は常に動く
自由な発想で歴史の流れを読む――艦内で堂々と読んだ『中央公論』
絶賛されたバイアス湾上陸作戦
軍令部と海軍省との激しい衝突
戦闘は図上作戦どおりにはいかない
ある部下へのアドバイス
航空機攻撃への先見性――航空部隊司令官に
時代遅れの海軍首脳たち
 
第七章 暗号指令「西の風晴れ」――ついに、アメリカとの戦争に突入
「志(こころざし)」と相反する陸軍の方針
海軍大臣に提出した画期的な意見具申書
栄転人事にも失望を隠せず
権威や前例に囚われない自在の心
甲板上で山本五十六と二人で対談――手記『思い出す儘』
謎のアナウンス「西の風晴れ」――米英との戦闘態勢に突入
日米開戦を決めた御前会議
「どうして井上成美を海軍大臣にしないのか」
問いかけにうわの空だった山本五十六
 
第八章 名将は名将の心を知る――陸塊両軍の心を結びつけた小澤治三郎の英断
紛糾したマレー上陸地点論争――「小澤の決定に従ってくれ」
艦を動かすのも人、戦うのも人
兵力増強で大艦隊を編成
前線を知り、人を熟知すれば不安感はなくなる
名将は名将の心を知る――陸軍の主張を受け入れた英断
情報は目と耳と足で集める――手記『思い出す儘』
「敵機を撃墜せよ」――想定していた作戦緊急信の発令
陸海軍の協力で成功したコタバル上陸作戦
異常気象で危うく同志討(う)ちに――敵艦隊との臨戦態勢
マレー沖海戦で敵艦隊二隻を撃沈
「俺もいつかは同じ運命」――英国長官が拒(こば)んだ退艦
作戦遂行の面子(メンツ)にこだわる南方総軍
敵情無視の要請に立腹
パレンバン上陸作戦結構のX日(エックスデー)
戦没者を悼む電文――勝利に酔わなかった名将
今村均(いまむらひとし)が小澤に寄せていた信頼
夜の海を泳いで救われた今村均
「海軍は陸軍と、もっと話し合うべきである」
独創的だったベンガル湾機動作戦
 
第九章 やがて、あと追うわれなるぞ――国民的英雄だった山本連合艦隊司令官の死
東京、名古屋、神戸での初空襲
米豪分断を狙(ねら)った珊瑚海(さんごかい)海戦
洩(も)れていた暗号電報――快進撃に初めて歯止めがかかる
米軍先制攻撃で撃沈された空母四隻
開戦以来の「奢(おご)り」――戦死を遂(と)げた三五〇〇の人名
山本と小澤の会談――「暗号は盗まれていない」
餓島(がとう)と化したガダルカナル島
飢えと病気で倒れる将兵たち
「ガ島を餓島ならしめた責任は大本営」
「山本長官、死に急がないでください」
畏敬(いけい)のまなざしを浴びる"鬼瓦(おにがわら)"小澤
濃(こま)やかな目配りと小澤流の人心掌握術
「い号」作戦の発動――「ますます戦果を拡大せよ」
陣中クラス会――「山本長官は、大事な人物ですから」
山本司令長官の死
「やがて、あと追うわれなるぞ」
 
第十章 最後の連合艦隊司令長官――歴史の幕引きは、どう行われるのか
戦場で求められる先見の明
食い違う日本軍の戦果
搭乗員の死に嗚咽(おえつ)を漏らし
古賀司令長官の死
三つの"帽子"をかぶる男
兵力の犠牲も辞さない決意
劣勢にも怯(ひる)まない勇気
必勝の好機を奪った暗雲
小澤の無念「もう一度決戦を・・・・・」
悲劇のサイパン島
死場所を得たい"自裁(じさい)"の思い
小澤艦隊に命じられた囮(おとり)作戦
「覚悟」という言葉――敵軍から絶賛された小澤艦隊
死場所は海で――軍令部次長に補されて
陸海軍の幕僚は、いつも同じ場所に
恐るべき戦術「特攻」
吉田茂(よしだしげる)の和平工作
歴費の幕引き役――"最後"の連合艦隊司令長官
名ばかりとなった栄光の連合艦隊
「すべてが終わった・・・・・・」
敗戦を受け入れられない軍人たち
「戦争を起こした責任は俺にはない」
 
終章 戦争の罪とつぐない――果断(かだん)、寡黙(かもく)な生き方は何を遺(のこ)したか
敗戦の傷跡
残った者は何をすべきか
売り食いの"たけのこ生活"
「日本は四等国に落ちた」
酒を飲むと思い出される部下の死
石蕗(つわ)の失言
相次ぐ"戦犯者"の逮捕
自分だけ幸せにはなれない
吉田茂の信念と気骨
頻発した"米よこせデモ"
買い戻したピアノ
女遊びはハシカ
「桜星(おうせい)会」の旗揚げ
犬死に終わらせるな
小澤が惹(ひ)かれた良寛の"愛"の心
歴史を正しく伝えるために
無言で気まずい小澤家の食事風景
定期購読していた『朝日ジャーナル』
「同志の団結こそが大切」
山本から贈られた十カ条の真意
「あなた、たばこどうですか」
 
解説(鰍沢伶平)