共同研究・戦友会
新装版まえがき(高橋三郎)
まえがき(高橋三郎)
I 戦友会の一日――「空母燕鵬戦友会」再訪(溝部明男)
一 神社にて
軍艦旗掲揚/報われざる体験の呈示/慰霊祭/集合的オーディエンスと「ヤスクニ」
二 大広間にて
「式」と来賓/慰霊碑建立計画/「機関科グループ」の存在/宴会を待つ間
三 宴会
日常からの離脱と共同体的結束/乾杯と自己紹介/歌と演芸/人々の融合状況の中でのインタビュー
四 小部屋の時間
ある飛行機乗りの話/軍人恩給のことなど/海軍びいき/「生死をかけた」ということ/戦友会の特質/慰霊碑について/出席者の顔ぶれ
五 翌朝
II 戦友会を作る人々(高橋由典)
はじめに
一 戦友会を把握するために
再集団化集団とは何か/集中と分散/再集団化集団のメンバーシップ/平等主義の規範/例会参加の動機
二 戦友会のコミュニケーション
戦友会のタイプ分け/戦友会を他と区別するもの/戦闘行動における死者/死者への集団的自己呈示/「死者との連続」という観念/戦友会の内と外/戦死者と戦後の社会/戦友会の理念と現実
III 戦中派世代と戦友会(伊藤公雄)
はじめに
一 戦友会的結合の諸相
1・戦友会の分類にあたっての基準
2・戦死者と戦友会
3・生き残った者たち――体験の意味づけ
4・戦友会の三類型・まとめ
5・戦友会は政治化するか
二 戦友会と戦後
1・昭和二〇年代と四〇年代
2・"戦後戦争"の将校団――学校戦友会
3・戦後の共有体験――昭和二〇年代結成の大部隊戦友会
4・連続する戦中・戦後――昭和二〇年代結成の小部隊戦友会
5・過去との対話――昭和四〇年代結成の小部隊戦友会
6・共有すべき過去の不在――昭和四〇年代結成の大部隊戦友会
三 戦中派という世代
IV 慰霊と戦友会(新田光子)
はじめに
一 戦死者慰霊の一般的性格
二 戦友会による慰霊
三 戦友会の慰霊行事
1・会合での語らい 2・遺骨収集 3・戦跡訪問 4・慰霊祭 5・慰霊碑
おわりに
V 「神祭り」としての戦友会(橋本満)
一 戦友会にとっての過去
二 現実からの脱出
「戦後」が生んだ戦友会/戦後的現実からの乖離/非日常のやすらぎの時間
三 風化してゆく世界で
四 「結衆」の方向
運動としての戦友会/異端の神まつり/勧請せざる神/戦友会運動の方向
補説 「戦記もの」の40年と戦友会ほか(高橋三郎)
一 戦友会と軍事関係諸団体
二 戦友会と「戦記もの」
あとがき
戦友会についての調査と集計