図書キョモウ ノ サンゴク ドウメイ080007298

虚妄の三国同盟

サブタイトル1~10
発掘・日米開戦前夜外交秘史
編著者名
渡辺 延志 著
出版者
岩波書店
出版年月
2013年(平成25年)6月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
xix,324,8p
ISBN
9784000225991
NDC(分類)
319
請求記号
319/W46
保管場所
地下書庫半藤図書
内容注記
関連年表:巻末p1-4 主要参考文献・資料:巻末p5-8
和書 半藤一利氏旧蔵資料
目次

はじめに
 
第一章 三国同盟成立「正史」――松岡洋右の視点から
1 松岡洋右の逮捕
身柄の拘束/尋問の開始
2 「バスに乗り遅れるな」
外相松岡とドイツ大使オットー――最初の会談/一九四〇年夏以前の日独関係/日本の世論の変化/「収穫の手伝いは不要」/「和平の密使」――トラウトマン工作
3 英雄「松岡全権」
国際連盟臨時総会での松岡演説/前半生から外相への起用まで
4 特使シュターマーの来日
特使派遣の背景/同盟締結への機運
5 密室での交渉
6 御前会議
 
第二章 秘密書簡G一〇〇〇号――「秘密議定書」の正体
1 「状況を見てこい」
シュターマーへの尋問開始――来日の経緯/ドイツの立場
2 「それはシュターマーの仕事だ」
特使シュターマーを迎えた大使オットー/秘密条項に代わる「手紙」/書簡「G一〇〇〇号」の提出/シュターマーから見た秘密書簡/事後報告すらなかった
3 松岡の弁明
書簡をめぐる尋問/書簡の実物を前に
4 枢密院での質疑
枢密院審査委員会記録による尋問/「自動参戦」か「自主参戦」かをめぐる質疑/ソ連との関係、旧ドイツ領植民地をめぐって/南弘顧問官の質問/踏み込んだ質問の数々と松岡の答弁/枢密院質疑をめぐる尋問二日目
 
第三章 同床異夢――同盟締結交渉の舞台裏
1 ドイツ側の思惑――外交官の報告・尋問から
大使館員上申書が語る日独関係/ボルツェとマルヒターラーの尋問/ドイツの対英敵視と日本への関心/オットの駐日大使就任以後
2 「ヒトラーの外交官」「総統の密使」の横顔
リッベントロップの人物像/外相就任後リッベントロップ/特使シュターマーの素顔/大島大使との交渉/「総統の密使」の実像
3 バトル・オブ・ブリテン
ロンドン空襲/戦局の変わり目
4 ベルリンでの調印式
調印当日の日記から――シャイラーとチアーノ/日本での祝賀ムード
 
第四章 調印後の駆け引き――「松岡外交」の実態
1 「正直な仲買人」
満州での足止めと約束不履行/ソ連外相の訪独
2 大島浩大使の再登場
エリート軍人としての前半生/駐独大使としての栄光・挫折・再起/リッベントロップ―大島会談/独善的な言葉の応酬
3 「シンガポールを攻めさせろ」
ヒトラーの機密司令/スペイン情勢とドイツ/大島発言が招いたもの
4 外相松岡の訪欧
意気揚々と出発/松岡がヒトラーに語ったこと/松岡―リッベントロップ会談
5 「秘密にしてくれ」
外相会談をめぐる松岡への尋問/秘密が漏れるのを怖れる/松岡が隠したかったこと
6 「はっきりした物言い」
リッベントロップを喜ばせるために/「何かの間違いだ」/「話すのは自由だ」
 
第五章 破綻――埋もれた調書が語る歴史の真実
1 日ソ中立条約
ブラフとカムフラージュ/スターリンの決断/松岡の野望と思い込み
2 日米交渉
駐ソ米大使との会談/松岡の帰国と「日米諒解案」/松岡帰国後の展開/主導権を握りたい松岡
3 独ソ戦争の勃発
独ソ開戦の報/「ロシアを攻めるべきだった」/外相辞任へ/三国同盟の末路
4 「南京の人たちが信じますか」
太平洋戦争と大島浩/戦争末期のシュターマー/「僕一生の不覚」/何のための同盟だったのか/東京裁判
5 ワイマールの教え
参事官ボルツェの告発/オット大使の真実
 
おわりに
あとがき
主要参考文献
関連年表