蔵相
第一部 日本経済近代化の苦悩
大隈重信 経済近代化、苦悩の第一歩
松方正義 超均衡財政と日本銀行の創立
渡辺国武 金本位制準備、ポスト日清の財政運営
井上馨 実業界と緊密、"釣鐘"の能力発揮
曽禰荒助 太腹豪放で日露を乗り切る
阪谷芳郎 官僚大臣登場、鉄道国有に踏み切る
桂太郎 戦時財政の緊縮整理
第二部 軍事国家と民衆不安
山本達雄 増師問題で行財政整理つまずく
若槻禮次郎 大正デモクラシーにもまれた俊秀の大蔵官僚
武富時敏 第一次大戦で苦境脱す
勝田主計 積極財政に転換、貧富の格差深まる
高橋是清 インフレ財政の源流(1)
市来乙彦 軍備削減と民間の消費節約
浜口雄幸 寡黙と剛健、徹底した行財政整理
第三部 昭和恐慌か大戦へ
片岡直温 金解禁への心意気、昭和金融恐慌の引き金も
三土忠造 金融恐慌の処理、金融の抜本的改正
井上準之助 金解禁を断行、水ぶくれ経済のあく抜きをねらう
高橋是清 恐慌の跡仕末、最後は軍部に抵抗、倒さる(2)
馬場鍈一 軍部と妥協、高橋財政を修正
結城豊太郎 軍財抱合路線で準戦時経済体制へ
賀屋興宣 ファシズムへの道歩む財政経済三原則(1)
池田成彬 自由経済守り、国家総動員法に抵抗
石渡壮太郎 大蔵省勢威低下期、戦時統制の強化で国家の窮乏化進む
青木一男 物資動員計画の総元締としてにくまれ役に終始
河田烈 大蔵衰退、官僚の出番なく
賀屋興宣 戦争下逆い難い歴史の中で自己の任務を黙々と遂行(2)
第四部 復興への舵とり
津島壽一 占領軍の軍票流通を阻止
渋沢敬三 悪性インフレと格闘、経済民主化のレール敷く
石橋湛山 一貫した積極財政で戦後復興に貢献したケインジアン
栗栖赳夫 "安本"に敗れた社会党経済政策
北村徳太郎 掛け声に終わった経済再建、短命内閣で成果残せず
泉山三六 応托酒、大トラ事件で前代未聞の失脚
池田勇人 超均衡財政(デスインフレ財政)で「苦難の道」選ぶ(1)
第五部 向井忠晴 常に「民」の立場で産業政策重視への転換を模索
小笠原三九郎 「一兆円予算」で自立と安定図る
一万田尚登 三十年代高度成長のレールを敷いた堅実財政
池田勇人 日本経済発展、歴史に池田財政の名を残す(2)
佐藤栄作 景気上昇の波に乗り無難にこなした素人蔵相
水田三喜男 高度成長からニクソンショックまで、"生きた経済"の優れた判断力
第六部 財政大転換の時代
田中角栄 開放経済への移行、四十年不況克服に腕ふるう庶民感覚と決断力
福田赳夫 安定成長論者、財政転換期に対応
愛知揆一 党きっての政策マン、激務に死す
大平正芳 環境悪く財政家としての腕ふるえず