松本清張 [正]
- サブタイトル
- その人生と文学
- 編著者名
- 田村 栄 著
- 出版者
- 啓隆閣新社
- 出版年月
- 1976年(昭和51年)9月
- 大きさ(縦×横)cm
- 20×
- ページ
- 277p,図版 [1] 枚
- ISBN
- NDC(分類)
- 910
- 請求記号
- 910/Ma81/1
- 保管場所
- 開架半藤文庫
- 内容注記
- 昭和館デジタルアーカイブ
1 貧窮の長子――文学的出発まで
木綿の手ざわり「半生の記」/新聞記者になる夢/最も惹かれた作家たち/清張文学を解く一つの鍵/菊池寛から受けた示唆/朝日新聞西部支社へ入る/不合理な「優越」への反発/「組織」と松本文学/商売の合間の歴史探訪/空しい勤め人生生活ののちに
2 埋もるる志への悲歌――初期作品の性格
処女作「西郷札」の発想/芥川賞受賞作「或る『小倉日記』伝」/初期の傑作「菊枕」/最初の推理小説「火の記憶」/政治の非情を描く「戦国権謀」/「断碑」の鮮烈な人間像/「ヒューマン・インタレスト」に発する作品群/「最も気に入っている歴史小説」
3 悪の社会性――推理小説への出発
トリック本位の絵空事でなく/一瞬のいのちの炎をとらえた「張り込み」/「大衆文学」/「純文学」/「中間小説」への言及/動機の社会性/「顔」――日本探偵作家クラブ賞受賞/短編小説の佳作相次ぐ/清張ブームのきっかけ「点と線」「眼の壁」
4 芸と美について――『小説日本芸譚』の世界
作家的興味の対象/運慶の芸術観に対して/「芸術家とは巧緻な職人である/清張の雪舟観/感慨をこめた一篇「岩佐又兵衛」
5 庶民の悲哀――社会派推理小説の確立
「無宿者」への共感/社会派宣言「黒地の絵」/モーム『コスモポリタン』の形式で/現代的な不条理と不安の物語/陰湿な学閥の壁にいどむ/清張作品中の異彩「波の塔」/「霧の旗」が投げかけているもの/「聖職者」を告発
6 告発の記録――「日本の黒い霧」「深層海流」及び「現代官僚論」
「なぜ『日本の黒い霧』を書いたか」/大岡昇平の批判について/時代の証言者として/権力の本質をあぶり出す「深層海流」/「文学は告発の文字である」/痛憤の書「現代官僚論」
7 或る絶頂「わるいやつら」「砂の器」など
「智的労働の限界に関する実験」/インテリゲンチャにひそむ否定的人間像/本格推理小説/「考える葉」の設定と主人公について/出世主義官僚の生態/若い日の人生への感慨を託す
あとがき
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