図書オモテ ノ ゲンロン ウラ ノ ゲンロン080007160

オモテの言論ウラの言論

サブタイトル1~10
発言者双書 5
編著者名
保阪 正康 著
出版者
秀明出版会
出版年月
1999年(平成11年)6月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
327p
ISBN
4915855163
NDC(分類)
210.7
請求記号
210.7/H91
保管場所
地下書庫半藤図書
内容注記
和書 半藤一利氏旧蔵資料
目次

プロローグ 昭和史を語り継ぐ三条件
 
第一章 オモテの言論とウラの言論の考察
第一節 大東亜戦争と太平洋戦争、その呼称について
「対中国侵略戦争」と「支那事変」/戦争目的と呼称/日本に戦争目的はあったか/開戦時の呼称論を見ると/GHQの『太平洋戦争』の登場/「昭和大戦」という考え方/今、何が問われているか
第二節 顕在化している言論とその中心軸
社会的認知度の高い言論とは/教師集団に見られる言論/言語に対する姿勢/社会党の説いた非武装中立論/「戦前」への道というおかしさ/「時間」と「モノ」に還元された幸福感
第三節 密教化した臣民の言論とその検証
「大東亜戦争」肯定論とは/ある空間で生きる言論/「オモテの言論」との違い/攘夷と「単純な膨張史観」/臣民意識涵養運動の広がり/「ウラの言論」を注入された世代/新しい言論体系とは何か
 
第二章 現代史の視点、そのどこが問われるか
第一節 「昭和」をどう語り継ぐか其の壱
中江兆民の警告/時代と歴史に生きる姿/戦争体験世代の責務/「現在の立場」という視点/占領期という理解
第二節 「昭和」をどう語り継ぐか其の弐
占領前期と占領後期/生きた教材、「東京裁判」/吉田茂の果たした役割/改革者たちの実験/誰でもなれる平和主義者
第三節 「昭和」をどう語り継ぐか其の参
歴史的耐久性の意味/ひとりよがりの護憲論者/ハイスクールの生徒ではないか/幻想にしがみつく人たち/問われる戦争指導者の責任
第四節 何がどう見落とされているか
誤解を与える首相の手紙/"偽文書"田中メモランダム/国際連盟脱退の真実とは/日本を襲った集団ヒステリー/八月十五日か九月二日か
 
第三章 戦後社会の出発点と二つの史実
第一節 大東亜戦争調査会と東京裁判の史観
歴史観をめぐる戦い/新聞全紙を覆うGHQ史観/善玉、悪玉論による国民支配/大東亜戦争調査会の設立/反軍部と新英米派の委員/幣原と青木の熱意/なぜ調査会は挫折したか/日米合作による歴史観の呪縛
第二節 日本人による「東京裁判」の幻
五十年間埋もれていた文書/戦争指導者の自決を防ぎたい/「自らの子を斬る覚悟」がいる/失敗に終わった日本の目論見/「天皇免責」が吉田茂の使命/次田書記官長の日記には/緊急勅令案の内容/
最後に陸相がした謝罪演説/もしこの裁判が開かれていたら
 
第四章 現在が明かしている歴史の断層
第一節 「東條英機はそんなに偉いか」
事実と異なる映画/敗戦国の、一方的な改ざん/通俗的な「忠臣蔵」風の歴史観/「近代日本の負の清算人」
第二節 全貌をあらわした「機密戦争日誌」
焼却を免れた最高機密資料/統帥部の怒りと焦り/開き直っていた東郷外相/百年戦勝の覚悟と高まる戦意/形骸化していた枢軸同盟/斜陽の戦況のなかで
第三節 いつになったら戦争のツケは消えるか
軍人恩給という名称の法律はない/GHQに無視され二十八年に復活/特攻隊、七三一部隊から東條まで/受領額は減っても減らない支給額/大日本帝国のシステムにまで復元/軍欠連の怒り
第四章 二つの顔をもつ戦友会の「八月」
戦友会を食いものにする時代/戦友会のパターンは十二種類/戦友会に加わらないグループ/「私はその孫を抱けない」/「密教的呪文」という空間/"愛される偕行社"/長続きしている戦友会/
長生きの秘訣は戦友会にあり/戦友会の発展した姿
 
第五章 天皇家を見つめる新しいアプローチ
第一節 皇室報道の迷走と錯誤
錯覚するレポーター/無作為の天皇制解体論者/送りてと受けての退廃/国民を愚弄する報道/とり返しのつかない時代
第二節 報道が皇室に勝利するとき
「開かれた皇室」の範囲/皇室のイメージと国民感覚のズレ/皇后の「コミュニケーション拒否」/皇室報道が示す未来の予兆
第三節 側近たちが語る昭和天皇の実像
第二次円内の証言者たち/「悲しむべき戦争」/「真崎には父親の話はしない」/侍従・岡部長章の悲しみ/英国人生物学者の目/全人格の反映/生活感覚には隔たりが/記憶力にすぐれていた昭和天皇/
「皇帝」と「天皇」/がんを気に懸けていた
 
エピローグ 昭和史証言者の適格性
あとがき