図書目録メイタンテイ マツモト セイチョウシ資料番号:080006972

名探偵松本清張氏

サブタイトル
編著者名
斎藤 道一 著
出版者
東京白川書院
出版年月
1981年(昭和56年)7月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
286p
ISBN
NDC(分類)
910
請求記号
910/Ma81
保管場所
開架半藤文庫
内容注記
昭和館デジタルアーカイブ
和書 半藤一利氏旧蔵資料
目次

第1章 名探偵清張氏の事件簿
四分間の幻術
偶然劇をあたかも必然のように
作者はこれを胴忘れした
「四分間のトリック」に重心の掛け過ぎ
今に至るまでこの調子だ
清張リアリズムの秘密
神を実証的心理劇に置き換えた
なぜか挫折と幻滅に終る結末
絶対化してしまった「政治と社会」
政治を海坊主に見たてている
大時代がかった謀略史観
清張VSバルザック
対米開戦を回避する画策
政治と社会背景を道具立てに
巧まずして成功した探偵小説
政治的題材での被害妄想
「社会派推理小説」考
体制批判に届かないただのメロ・ドラマ
古めかしい俗悪な価値感
狭く淀みがちな展開になるのはなぜか
彫りこんだ凄みを欠く芸と技法
 
第2章 名探偵清張氏の憂鬱
「正義の味方」は誰でしょう
冷やかしの中の真理
欧米の探偵小説に比べて目立つ脆弱さと欺瞞性
「市民的正義」に基づく欧米の探偵小説
「庶民的」刑事の背後には警察の巨大な影が
お話にならない「お話」の話
対話と会話の区別のない探偵小説
とどのつまり哲学が貧困なのだ
本当らしさの中の庶民像
おすすめ品三篇
「反推理小説」の既成の探偵小説への嘲笑
身を持って戦後体制を告発する
安吾の本格謎とき探偵小説二篇
安吾捕物帳と清張捕物帳を分つもの
「国民的作家」松本清張
文学としての探偵小説の面白さ
「政治と社会」をミステリーとして捉え切れていない
漱石と並び称せられる「国民的作家」
社会とその民衆が作家を作り出す
 
第3章 歴史探偵清張氏の冒険
使い分けの商法
作家? それとも歴史研究家?
シャム双生児としての歴史と文学の不可分論
思いつきだけでは歴史にも文学にもならない
歴史と文学の使いわけを古代史でもやっている
歴史と「ブンガク」
歴史認識の甘さがはびこっている
女学者の論文が「清張史学」の運命を左右する
作者自身が資料の洪水におぼれている
いたるところに「ブンガク」が顔を出す
清張氏の二・二六事件
史料目録としての「松本二・二六事件」
「ブンガク」で歴史的意味を解せるか
資料の見落しや欠落は「ブンガク」ゆえか
一元的な見方では真相を見誤らせる
反乱の「臍」が見えない
ミステリー以上にミステリーの多い二・二六事件
推定だけでは真相は摑み切れない
「松本二・二六事件」の設定した関数を批判的に評価する
思いつきが史料を歪めている
 
第4章 歴史探偵清張氏の遍歴
「陰謀史観」で明治を割れば
蓼食う虫もすきずきの明治讃歌
文学たらんとして歴史書ができ上る
事実関係がメチャメチャで歴史書と呼べるか
習癖というより病的な陰謀史観
乱世芸人人物模様
ミステリーの多少によりジャンルに差がある
初心忘れるべからず
平土間の観客のいない悲劇
安吾史観のおもしろさ
文学的に歴史を造型することの意味
「邪馬台国」なんかどうでもいい
古代史研究家清張氏の登場
当り前の史料批判でお茶をにごす
日本古代史学が科学になりきれないのは
なぜ邪馬台国に固執するのか
ヤブニラミの史学
テーマの遍歴の意味するもの
唯物史観とは縁遠い「タダモノ史観」
生々しい息づかいが聞えない
読む前に察しのつく清張史学
松本文学と清張史学の間には
 
あとがき

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