回想戦後の文学
編集者になるまで―堀辰雄との縁
昭和二十八年の夏―小説家の生活に初めて接して
福永武彦―人生が芸術であるかのように生きる
武者小路実篤、野間宏―入社の年に会った人
柴田錬三郎―『週刊新潮』創刊のころ
石川淳―昂然たる姿勢を崩さなかった文士
幸田文―料理・洗いもの好きの人柄がにじむ文学
〝第三の新人〟たちを知る―「構想の会」のころ
丸岡明と原民喜―対照的だった二人の作家
伊藤整―奮闘し続けた、温厚な紳士
室生犀星―「女ひと」への讃美と愛惜の思い
武田泰淳―「森と湖のまつり」のころ
中野重治―厳しさを持ち、妥協せぬ文学者
大江健三郎―開高健と並び文壇に新風をもたらす
新田次郎―山岳小説を文学として確立
昭和三十年代前半の文学―「歴史の曲り角」に新鋭や才女が輩出
『近代文学』の人びと―私的にも親しくした先輩たち
司馬遼太郎―歴史に夢を馳せる
「純文学書下し特別作品」―純文学の過渡期に発刊
安部公房―『砂の女』で始まった親密な付合い
有吉佐和子―社会問題を先取りして小説を書く
遠藤周作―カトリック文学者の敬虔さと奇嬌ぶりと
昭和五十年代の文芸雑誌―短篇小説の衰弱で文芸雑誌に翳り
島村利正―起伏の多い人生の襞がにじみ出る
堀田善衞―飄々として、やさしさを秘めた人
丹羽文雄―天衣無縫の生き方から生まれた文学
中村真一郎―その博識とロマンへの情熱
吉行淳之介―『夕暮まで』が完成するまでの十三年
佐多稲子―一途に生き抜いた人のやさしさ
菊村到―巧みなストーリー・テラーの誕生
小島信夫―未刊に終った「いつかまた笑顔を」
円地文子―素養と小説家の技術を『源氏物語』に結晶
津村節子―同人雑誌での苦節十年に堪えて…
吉村昭―誠実で緻密な人柄から生まれた迫真の記録文学
結城信一―独特の芯の強さで自己の美意識を貫く
山本健吉―「無私」「自己没却」の批評の姿勢を貫く
晩年の室生犀星
ひさびさの作品集『黒髪の書』出版
「女ひと」讃歌
理想の女性像
作品に影をおとす女性
あとがき