図書目録テンノウ ト セイジ資料番号:080006911

天皇と政治

サブタイトル
近代日本のダイナミズム
編著者名
御厨 貴 著
出版者
藤原書店
出版年月
2006年(平成18年)9月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
307p
ISBN
4894345366
NDC(分類)
312
請求記号
312/Mi25
保管場所
地下書庫半藤図書
内容注記
「天皇と政治」関連年表:p291-300
昭和館デジタルアーカイブ
和書 半藤一利氏旧蔵資料
目次

はしがき
 
Ⅰ 戦前―天皇と憲法からなる独立国家
明治国家の完成―東洋の弱小国家の矜持と悲しみ(対談・新保祐司) 憲法に規定されない天皇という存在を真正面から捉えることなしに、明治以来の日本の近代はわからない―明治という国家とその精神。
日露戦争とは何だったのか―明治天皇と建国の父祖たちの一大プロジェクト(対談・坂元一哉) 明治憲法体制を支えた「天皇と元勲の共同体」の消滅後、「藩閥」・「政党」・「天皇親政論」の攻防に翻弄された近代日本―日露戦争という日本政治の分岐点。
後藤新平から考える日本の政治―政党型政治とプロジェクト型政治 今日明らかに行き詰まりを見せつつある政党政治。逸早く政党を超える政治のあり方を模索した後藤新平の構想の今日的意義。
二・二六事件とは何だったのか―「天皇と憲法」という日本政治の核心 天皇機関説の昭和天皇が、自らの立場に反して下した二つの超法規的「聖断」―二・二六事件への対処、終戦の決定において顕わになった日本政治の核心。
一九三〇年代という時代―大佛次郎と伊東治正のリベラリズム 「暗い時代」に明治憲法と議会制を守るべく、紳士的スタイルで抵抗した二人のリベラリスト―その精神が物語る「戦前」社会の成熟度。
 
Ⅱ 戦後―「占領」の自動延長
占領と戦後日本―「安保・講和・新憲法」という三位一体 「独立」の際、日本が受け入れた「講和条約・安全保障条約・日本国憲法」の三位一体―占領期に確定された戦後日本の「国のかたち」。
戦後政治の完成―九条棚上げの歴史を分析する 対決型政治の岸内閣に始まり、池田内閣が批判的に継承した統治のあり方が憲法論争の不毛化を決定づけた―自民党・社会党による戦後政治の共演体制。
一九七〇年前後という時代―大きな安定の中の小さな反乱 いったい何に対しての反乱だったのか―反乱をも吸収する大きな安定の中で、国家、イデオロギー、歴史の問題が忘れられていった時代。
 
Ⅲ 現代―歴史問題に向きあうことが「占領」からの脱却
国家を論じない憲法論議―坂本多加雄の国家論の射程 国家をめぐる対話と議論のないところで憲法を論じることはできない―活発になりつつも、憲法議論の中身が顕わにする政界・言論界の「戦後」的閉塞状況。
東京裁判見直しが求める国家論―戦争責任問題にどう向きあうか 二・二六事件を抑え、終戦の「聖断」を下した昭和天皇に、開戦を許した責任はないのか―東京裁判史観の意義とその限界。
「祈る」天皇―サイパン、慰霊の旅
天皇のサイパン慰霊の旅は、「歴史の政治化」を超越し、天皇夫妻の「祈る」姿の崇敬さをあらためて感じさせる行為となった―今日における天皇の存在意義。
「敗戦責任」を問う―徳富蘇峰の終戦後日記(対談・杉原志啓)
敗戦責任をラディカルに突き詰める蘇峰の立場は、昭和天皇を戦犯から除いた戦後日本の責任論の不徹底さを顕わにする―明治人が見た「戦後日本」。
昭和天皇、慰霊の思い―元宮内庁長官・富田朝彦のメモ(対談・半藤一利)
昭和天皇は、東京裁判を受け入れつつ、晩年まで戦争に関する道義的責任を感じ続けていた―一身にして二世を生きた天皇自身の肉声の重み。
 
史料をどう読むか―あとがきにかえて
関連年表
人名索引
初出一覧

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