関東大震災と朝鮮人虐殺
犠牲者一人ひとりが明らかにされるまで(高橋磌一)
真の日朝連帯をめざして(渡辺佐平)
第一部 大震災と朝鮮人虐殺の真因の究明(今井清一/齋藤秀夫)
一兵士の日記
九月壱日~一一月二十八日
大震災の発生と被害
天皇の詔書
軍の出動と警察力の回復
「何よりもまず治安維持」
陸軍の出動
海軍の出動
想像以上に速い警察機能の回復
神奈川警察の状況
横浜各署の行動
朝鮮人暴動の流言
「不穏の徒あらば、撃滅」の命令
流言の内容分類
流言の発生状況
流言発生は権力中枢の周辺地域
九月一日は特別警戒体制がとられていた
敏速に行なわれた朝鮮人「保護」検束
特高課、内鮮係
無差別の検束も流言の要因
流言を伝えた軍と警察
戒厳令の施行と臨時震災救護事務局
支配層は戒厳令を急いだ
救護は名ばかりの〝警備〟事務局
「適当処分」という方針
対敵戒厳として実行
軍部のまきかえし
朝鮮人の虐殺と迫害
自警団の暴行とその背後
「保護」収容者を虐殺
戦時俘虜以下の扱い
こんにちまで明らかでない被害者数
排外ナショナリズムをあおったもの
自警団への煽動と取締り
すべて責任は民衆に押しつけられた
上から組織された自警団
自警団に組織された階層
自警団の取締り
亀戸事件と大島町事件―王希天事件
「悪用せんとする日本人あるを忘るべからず」
亀戸事件
大島町事件
社会主義者への弾圧
はじめて明らかとなった王希天事件
大杉事件
事件の真相の追究と隠ぺい
思想弾圧とこれへの抵抗
天譴論―権力者の新たな攻勢
新聞差押え―弾圧された世論
「思想善導」運動の展開
労働運動の停滞
農民運動と市民運動の抬頭
日支鮮人追悼会―労働者の国際連帯の前進
第二部 関東大震災における朝鮮人虐殺事件の歴史的背景(犬丸義一)
はじめに―日本帝国主義と朝鮮―
第一次世界大戦後の日本社会の変化
日本独占資本主義の確立
工業国への転化
独占資本主義の確立
日本帝国主義の確立
四大工業地帯の形成
大戦後の階級構成の変化と諸階級の動向
独立産業労働者階級の大量的形成
在日朝鮮人労働者階級の形成と労働状況
在日朝鮮人の流入と増加
在日朝鮮人労働者階級の形成
都市の発達と新中間階級の確立
新中間階級の確立
民本主義
都市問題の出現
都市問題と住宅問題
日本帝国主義と日本人民・朝鮮民族との対立、闘争
シベリア出兵宣言
米騒動とロシア革命
三・一独立運動
「文化政治」と「産米増殖計画」
五・四運動
三・一運動と新聞論調
日本帝国主義の四大矛盾
シベリア干渉戦争の継続
ニコライエフスク(尼港)事件
労働運動はじめ人民諸階級・諸階層の闘争の発展
ひろがる普選運動の波
社会主義運動の発展
日本共産党の成立
対露非干渉運動
過激社会運動取締法案の流産
シベリア撤兵
第一次軍縮
普選運動の再高揚
「無産者階級運動の方向転換」
民主主義闘争と社会主義運動
統一戦線の可能性
日朝労働者提携の芽生え
第三部 朝鮮人虐殺の歴史資料(松尾章一/鬼頭忠和 編解説)
虐殺の目撃者
関東大震災下の朝鮮人虐殺・原忠彦
朝鮮人を焼き殺したひとたち・篠原京子
「鮮人」十数名を殺した在郷軍人・長倉康裕
部落あげて朝鮮人を守った話・徳田慶蔵
小学校の校庭で伊藤国太郎
震災時における朝鮮人の体験記
南葛での体験・全虎巌
日本観光の途上で・慎昌範
かくまってくれた日本の友・曹高煥
虐殺状況の調査及び報道
冊子『虐殺』より
金希山氏宛報告
軍隊輸送中の朝鮮人を殺害す、船橋町の惨事<千葉>
埼玉県の暴行自警団検挙さる、関所を設けて通行人を一々検査
本庄の虐殺事件を語る・中島一十郎
「不逞鮮人」との報道<群馬>
同胞の惨殺されるのを目前に眺めて・朴南波
埼玉県の犠牲者調査
藤岡の自警団員は何故に多数鮮人を虐殺したか
栃木県の概要
宇都宮地裁管内の殺害事件調査
事件当時の軍隊の動き・近衛師団・第一師団
虐殺を生んだもの
戒厳令と〝朝鮮人騒ぎ〟・水野錬太郎
船橋送信所の電報
埼玉県内務部の発した通牒
「不逞鮮人各所に放火し、帝都に戒厳令を布く、鮮人いたる所、めったぎりを働く」(『東京日日』)
米騒動や大震災の思い出・正力松太郎
軍人の予断と虚報・井染大佐
船橋送信所長の問題
朝鮮問題に関する協定 <極秘>
上官が命令した・津野田少将
事件の批判・論評
警察官憲の明答を求む(上杉慎吉)
朝鮮人虐殺事件(吉野作造)
朝鮮問題の問答集(山崎今朝弥)
鮮人騒ぎの調査(布施辰治)
「朝鮮人虐殺」 『種蒔く人』
◇陸上自衛隊「関東大震災から得た教訓」
第四部 大震災テロを描いた文芸作品(中村新太郎 編解説)
車中の出来事(江口渙)
一兵卒の震災手記(越中谷利一)
関東大震災の思い出(越中谷利一)
「ファイヤガン」(徳田秋声)
草間中尉(藤森成吉)
夜警(佐藤春夫)
一五円五〇銭(詩)(壺井繁治)
砂けぶり 二(詩)(折口信夫)
民族解放の道徳(秋田雨雀)
《作家の証言》
虐殺は明白な事実(柳田泉)
大震災日記(河東碧梧桐)
不安と騒擾と(水守亀之助)
縄でしばられた人たち(生方敏郎)
運命のみにくさ(細田民樹)
震災についての感想(倉田百三)
東京近県震害地図(時事新報)
焼けた東京の図(都新聞)
あとがき