煽動の研究
第Ⅰ章 リーダーシップの研究
プロパガンダとはなにか
はじめに
プロパガンダの概念規定
歴史のなかで考える
コミュニケーション理論の多角的研究
プロパガンダの倫理的問題
アジテーションとの違い
プロパガンダの史料
史料の不十分さ
内容分析の有効性
態度調査の方法
説得心理学の分野
媒体の統計的分析
宣伝の目的と媒体―類型論・その一
政治的権力
経済的信用
戦争と軍事
外交関係
教育的効用
イデオロギー的刺激
逃避的属性
直接伝達される媒体
ピラミッド型媒体
印刷された媒体
二十世紀の多面的媒体
メッセージの文体と主題―類型論・その二
文体のもつ効用
構造上の分類
比喩と象徴の活用
テーマ別の類型化
効果的テーマとはなにか
説得を阻むものと強めるもの―類型論・その三
難解で退屈なプロパガンダ
信用されないプロパガンダ
繰り返しの効果
宣伝効果を高めるために
副作用について
聴衆の反応とその操作
聴衆の反応を分析する
注意から行動まで
態度変化を促す強迫観念
忠誠と禁欲の倫理
媒体の上手な利用法
事件を左右する媒体
メディアの発達と種類
象徴と比喩
建築物の偉大さ
彫刻と絵画の効用
雄弁術の魅力
音楽の力
ピラミッド型情報組織と印刷術
詩と演劇の役割
小説と歴史の説得力
映画の詩的な美しさ
ラジオとテレビの浸透力
第Ⅱ部 プロパガンダの歴史
ローマ帝国
強力な統治技術の発達
シーザーのイメージづくり
シーザーの総合的プロパガンダ術
オクタヴィアヌスの大衆操作術
プロパガンダに芸術家を動員
キリストのみごとな宣伝力
教皇政治
コミュニケーション組織の未発達
教皇たちの大衆操作術
教皇たちの主導権争い
十字軍構想のプロパガンダ
〝騎士道観念〟の形成
赤髯王とジャンヌ・ダルク
宗教改革―十六~十七世紀
ベストセラー作家・ルター
ルターの「ウィッテンベルク教会事件」
すぐれた宣伝家たち
クロムウェルのイメージづくり
検閲権をめぐる抗争
革命の時代―十八世紀
トーリー対ホイッグの宣伝合戦
圧力団体の自己PR
政治的出版物の隆盛
フランス革命のなかの大衆操作術
ロベスピエールと新聞キャンペーン
絵画・演劇・音楽の奨励
ナポレオンのプロパガンダ戦略
〝敵の剣(自由主義)〟で闘うナポレオン
帝国主義―十九世紀
社会変革へのインパクト
ロマン主義者のイメージづくり
国粋主義とプロパガンダ
戦争讃美の思想宣伝
第Ⅲ部 二十世紀のリーダーたち
レーニンと共産主義
革命の基礎『イスクラ』創刊
エリートとソヴィエトの提携
宣伝機関としての「コミンテルン」
プロパガンダのための芸術
青少年向け思想教育
ヒトラーとファシズム
煽動は〝反復〟にあり!
有能なブレーンの組織化
武器としての新聞
ラジオの徹底的な利用
神話と伝説をはぐくむ映画
集団陶酔の極致〝スペクタクル〟
大衆操作術の典型
毛沢東と現代中国
「大衆」の理解がかなめ
スローガンと寓話の多用
一大プロパガンダ「文化大革命」
デモクラシーと西側世界
不統一なプロパガンダ
「神」を利用するプロパガンダ
方向を失った自由世界
第三世界のリーダーたち
エピローグ―現代の大衆説得術
訳者あとがき