スターからアイドルへ
まえがき
本シリーズ執筆者
凡例
オリガ・クニッペル チェーホフを捕らえた「声、物腰、誠実さ」(竹内義朗)
川上貞奴 歌舞伎とは異なる新派演劇の種をまく(佐伯順子)
ジュール・リメ 真の世界選手権の実現を最大の使命に(松岡完)
桂春団治 ヤタケタ・ゴリガン・スカタン男の一生(宮本治雄)
牧野省三 「動く写真」への無垢な感動を忘れず(朝倉喬司)
ココ・シャネル 自ら働き、感じ、考える女性を支える意匠(鷲田清一)
尾上菊五郎 <傾き者>の資質が進めた歌舞伎の革新(高田公理)
松井須磨子 「淫婦」から「愛を貫いた悲劇の人」に一転(井野瀬久美惠)
早川雪洲 米国の女性ファンを虜にした悪魔的魅力(能登路雅子)
アベリー・ブランデージ 五輪に君臨した一徹なアマチュアリズム(竹内義朗)
吉本せい お笑いの儲けで通天閣をも手に入れる(佐伯順子)
古今亭志ん生 「写実」を吹っ飛ばす「笑い」のつむじ風(朝倉喬司)
砂川捨丸 萬歳から漫才を生み出した一代の天才(朝倉喬司)
槇有恒 アイガーからマナスルまでの山行三昧(竹内義朗)
宮城道雄 「世界音楽」を追求する伝統音楽の革新者(紅野謙介)
徳川夢声 声だけでムセイとわかる浸透度(大月隆寛)
バスター・キートン 笑わせるために「石の顔」でいるスタイル(小長谷有紀)
エンタツ・アチャコ パリパリに乾いた笑い vs. 湿ったペーソス(高田公理)
パーヴォ・ヌルミ 三つの五輪に輝く禁欲的な長距離走者(竹内義朗)
ジェームズ・キャグニー 映画出演は「食卓に食べ物を並べる」ため(宮本治雄)
ルイ・アームストロング ジャズを一変させたエンターテイナー(北中正和)
ゲーリー・クーパー アメリカ流正義を映画の中で体現(竹内義朗)
阪東妻三郎 バンツマは一にも二にも殺陣が売り物(柳澤一博)
マレーネ・ディートリッヒ 恋する男を滅ぼす「運命の女」(能登路雅子)
マリアン・アンダーソン 肌の色で差別された「百年に一度の声」(香川檀)
グレン・ミラー スウィングせぬスウィングを演奏する律儀さ(三島靖)
ジャン・ギャバン 「つぶやく俳優」として自己表現の頂点へ(宮本治雄)
榎本健一 身体全体で笑わせたエノケンの「体技」(朝倉喬司)
クリスチャン・ディオール シャネルを激怒させたニュー・ルック革命(鷲田清一)
織田幹雄 記録を一ミリでも伸ばすための実践欲(邨野継雄)
秋田實 口承の力で開眼した「お笑い」の発信者(大月隆寛)
水谷八重子 新派女優に収まらない積極性と前衛性(紅野謙介)
グレタ・ガルボ 眉をあげるだけで深い情感を漂わす(能登路雅子)
人見絹枝 国威発揚のために競った「世界のヒトミ」(竹内義朗)
ローレンス・オリヴィエ 「舞台を超然と闊歩した巨人」(井野瀬久美惠)
ジョン・ウェイン 強いアメリカ人を象徴する〝男の中の男〟(宮本治雄)
淡谷のり子 「モガ」の心意気を伝える最後の生き証人(香川檀)
杉村春子 『女の一生』を演じ続ける女の生き方(井野瀬久美惠)
阮玲玉 自由恋愛に生き、死に追いやられる(藤井省三)
石津謙介 たった一人で切り開いた三文字の異世界(藤本憲一)
花森安治 全本位でトンガったたおやめの系譜(大月隆寛)
双葉山定次 戦争に明け暮れ「双葉」に熱狂した日本人(鴋澤歩)
ウディ・ガスリー 放浪し作曲し自ら歌う〝フォークの父〟(竹内義朗)
孫基禎 日の丸を胸に「ベルリン」を制した韓国人(邨野継雄)
ジョー・ルイス 人種差別の壁に風穴をあけたパンチ(邨野継雄)
ジョー・ディマジオ 詩のように優雅な五十六試合連続安打(邨野継雄)
ビリー・ホリデイ 差別、麻薬、醜聞まみれの最高の歌手(竹内義朗)
イングリッド・バーグマン 道ならぬ恋に別離の幕を引くときの魅力(小長谷有紀)
エディット・ピアフ その日、パリは彼女のために泣いた(井野瀬久美惠)
ビクトル・スタルヒン 革命の落とし子がたどった野球人生(竹内義朗)
トニー谷 キザとイヤミで笑いを呼んだもんザンス(朝倉喬司)
ジャッキー・ロビンソン 大リーグにおける社会学と論理の象徴(邨野継雄)
李香蘭 「日満親善」を目指して作られた「中国人」(宮本治雄)
原節子 原の〝失われた時〟を埋めた小津の存在感(邨野継雄)
チャーリー・パーカー 「ビバップ革命」のオモシロサの恐ろしさ(藤本憲一)
大松博文 なせばなる。だまっておれについてこい。(邨野継雄)
イヴ・モンタン 「十分生きてきたから、何も後悔はない」(柳澤一博)
エミール・ザトペック 馬並みの訓練から「人間機関車」への道(邨野継雄)
力道山 「日本のリキドー」ゆえに隠し続けた出自(井野瀬久美惠)
メリナ・メルクーリ 陽気な娼婦役の女優から反政府の闘士へ(香川檀)
マイルス・デイヴィス 他者にもたれかからぬアンサンブル感覚(北中正和)
マリリン・モンロー 私は大衆のもの。他に居場所がないから。(井野瀬久美惠)
ジョン・コルトレーン 響きわたる「シーツ・オブ・サウンズ」(三島靖)
古橋廣之進 数センチの中指の欠落が強運を招く(邨野継雄)
オードリー・ヘプバーン 大きなバストを過去のものにした妖精美(宮本治雄)
藤山寛美 一生を華であり続けた「笑いの鬼才」(三宅宏司)
ジャクリーン・オナシス ケネディ一族の光で輝いた〝月の女神〟(松岡完)
グレース・ケリー 〝父親探し〟の幼時体験を背負う男性遍歴(邨野継雄)
ジェームズ・ディーン わずか十六カ月の活躍で伝説の座へ(宮本治雄)
猪谷千春 スキー一筋から社長業に至る〝大回転〟(竹内義朗)
小野喬 時代に添い時代を受容した戦前的立志型(邨野継雄)
市川雷蔵 飄逸、爽やか、孤影と乾いたエロチシズム(宮本治雄)
エリザベス・テーラー 愚直なまでに〝愛の王道〟を求める(邨野継雄)
アベベ・ビキラ 土地入手を夢見て走り続けた裸足の英雄(竹内義朗)
アントン・ヘーシンク 精神主義を組み敷いた西欧合理主義(邨野継雄)
ブリジット・バルドー 子供っぽさを盾に自由を得た女の象徴?(香川檀)
石原裕次郎 あまりにも鮮やかだった生の閃き(朝倉喬司)
エルヴィス・プレスリー 「劣情」のエネルギーを解き放った衝撃(三島靖)
アラン・ドロン 謎や曖昧さ、翳りこそが魅力の源泉(柳澤一博)
ウディ・アレン 「女性」と「ニューヨーク」を溶かした風味(宮本治雄)
長嶋茂雄 野球における卓抜な「アウトロウ的」身体(朝倉喬司)
美空ひばり 「天才」という果実が大きく実るとき(鴋澤歩)
ウルフマン・ジャック 音楽のメタ表現重視への道を開いたDJ(武田徹)
三宅一生 身体を梱包し精神を包囲する服に抗う(鷲田清一)
堀江謙一 突出を異端視する風土の対極に漂う(邨野継雄)
石岡瑛子 「ポスターの奇跡」を呼んだ鮮烈な主張(香川檀)
円谷幸吉 時代の中に「生きていた」ことの功罪(朝倉喬司)
ペレ 「第二のペレ」を寄せつけない技術と人格(松岡完)
ボブ・ディラン 転がる石のように流転する音楽家人生(武田徹)
ヴェラ・チャスラフスカ 国際舞台に咲き続ける体操界の〝名花〟(邨野継雄)
川久保玲 それにしてもなぜ、破壊的な服なのか(鷲田清一)
ミック・ジャガー ローリング・ストーンズの悪たれ英雄(鷲田清一)
都はるみ 好きな歌を精一杯歌う「歌屋」として甦る(高田公理)
ツイッギー 〝小枝〟が火をつけたミニの爆発的流行(鷲田清一)
リサ・ライオン 世界観と美意識を表す身体彫刻のはしり(香川檀)
松任谷由実 少女たちの魂を音楽で活性化する〝巫女〟(佐伯順子)
マルチナ・ナブラチロワ 亡命者の意地で前人未到の戦績を残す(香川檀)
マイケル・ジャクソン 「マイケル現象」を象徴するモーフィング(藤本憲一)
ダイアナ妃 チャールズと別居はしても離婚せぬ心底(井野瀬久美惠)
カール・ルイス 速さを元手に商業主義街道を疾走(邨野継雄)
プライム・エッセー 変貌し、溶解する二十世紀のヒーロー像(鷲田清一)
参考文献
写真提供
本巻執筆者紹介
索引