世紀の巨人・虚人
まえがき
本シリーズ執筆者
凡例
田中正造 立憲政体への幻滅から天皇直訴へ(五十嵐暁郎)
ジョゼフ・ピュリッツァー イエロージャーナリズムの元祖(武田徹)
ジクムント・フロイト 近代社会のタブーを解明(高田公理)
ラビンドラナート・タゴール 矛盾を矛盾として体現した生涯(臼杵陽)
森鷗外 都市空間への鋭敏な感性(紅野謙介)
ヘンリー・フォード 「私は万人のために自動車を作る」(能登路雅子)
マックス・ヴェーバー 「偉大なトルソー」の誠実な制作者(猪木武德)
孫文 デンバーで接した辛亥革命の報(藤井省三)
夏目漱石 「大学屋」転じて「新聞屋」(紅野謙介)
南方熊楠 博覧強記と猥雑な逸脱と(佐伯順子)
マリー・キュリー 栄光のラジウム放射能に死す(常石敬一)
横山大観 富士を描いて「心神」に迫る(前田良一)
フランク・ロイド・ライト 流動する空間の多様性を開く(鷲田清一)
マハトマ・ガンディー 近代国家に抗うアヒンサの原理(姜尚中)
アンリ・マティス 野獣派の卓越した眼と手(藤本憲一)
ウラディミール・イリイッチ・レーニン 世紀の栄光と悲惨を宿す個性(姜尚中)
グスタフ・クルップ ナチに屈した産業界の独裁者(松原聡)
鈴木大拙 欧米に禅ブームをまき起こす(五十嵐暁郎)
美濃部達吉 天皇機関説と皇室崇拝が同居(五十嵐暁郎)
ジョン・D・ロックフェラー 容赦なく奪い惜しみなく与える(能登路雅子)
ガートルード・スタイン A rose is a rose is a rose...(香川檀)
ウィンストン・チャーチル 「鉄のカーテン」の名付け親(五十嵐暁郎)
アルベルト・シュヴァイツァー 論議を呼ぶ「生命への畏敬」(下坂英)
カール・グスタフ・ユング 勝因は「普遍的無意識」の提唱(佐伯順子)
柳田國男 「偉い」と言われ続けた知性の悲喜劇(大月隆寛)
松永安左エ門 「民」の強化に徹した「電力の鬼」(立石泰則)
吉田茂 「伝統国家」の正統な継承者を自認(姜尚中)
アルバート・アインシュタイン 生涯で二度世界の目を奪う(常石敬一)
レフ・トロツキー 「裏切られた革命」の予言者(姜尚中)
ヨシフ・V・スターリン ソ連を収容所国家に変えた男(臼杵陽)
ダグラス・マッカーサー 英雄伝説を演出する劇的人間(五十嵐暁郎)
ヘレン・ケラー 人間に潜む無限の可能性を示す(能登路雅子)
魯迅 文学は「国民国家(ネーションステート)を創る(藤井省三)
パブロ・ピカソ スペインが生んだ永遠の前衛(高田公理)
フランクリン・D・ルーズベルト 米国史上初の四選大統領(五十嵐暁郎)
ジョン・メイナード・ケインズ 鋭い経済感覚と一級の文人性(猪木武德)
ハリー・トルーマン 原爆投下と冷戦にゴーサイン(松岡完)
東條英機 みみっちくも律儀な独裁者(朝倉喬司)
中里介山 「全身まるごとニヒリズム」の誕生(紅野謙介)
ダヴィド・ベングリオン 建国の英雄に漂うきな臭さ(臼杵陽)
折口信夫 魂魄は「はてしなさ」を追う(朝倉喬司)
ル・コルビュジエ 今世紀の都市風景を供給した張本人(藤本憲一)
ジョン・リード 世界に「青春」を回復する試み(邨野継雄)
蔣介石 北伐戦争出陣式の朝、よぎる不安(藤井省三)
チャーリー・チャップリン 「苦労は人間を作る」なんて嘘だ(井野瀬久美惠)
アドルフ・ヒトラー 矛盾、奸計、暴力をいとわず(若一光司)
マルティン・ハイデッガー ナチズムに西欧の救済を託す(姜尚中)
ホー・チ・ミン 真骨頂は愛国主義にあり(松岡完)
ドワイト・D・アイゼンハワー 新旧アイク像の劇的変化(松岡完)
シャルル・ドゴール 危機の祖国を導いたカリスマ(五十嵐暁郎)
野坂参三 共産主義運動の悲劇と重なる陰影(姜尚中)
チトー 多民族国家の大いなる求心力(若一光司)
フランシスコ・フランコ かくも長き独裁者の影(松岡完)
毛沢東 全党的指導性を確立した遵義(じゅんぎ)会議(藤井省三)
ニキータ・フルシチョフ スターリン批判という大博打(松岡完)
ベーブ・ルース 力強く美しく完璧な打撃フォーム(邨野継雄)
西光万吉 「水平社宣言」起草者の変転(若一光司)
シンプソン夫人 王に王冠を捨てさせた理由(若一光司)
周恩来 狂乱のパリに映る中国革命(藤井省三)
川端康成 戦後日本に背を向けた「日本の私」(紅野謙介)
アーネスト・ヘミングウェイ 死と暴力から人間を凝視する(若一光司)
昭和天皇 「現人神」と「人間宣言」のはざま(佐伯順子)
スカルノ 時にはワヤンの操り手のように(五十嵐暁郎)
ウォルト・ディズニー ファンタジーを資本に帝国を築く(能登路雅子)
今西錦司 前人未到のフィールドを闊歩(小長谷有紀)
チャールズ・リンドバーグ 地上の逆風に堕ちた空の英雄(能登路雅子)
アーヤトッラー・ホメイニー 反西欧・反世俗がはらむ逆説(山内昌之)
鄧小平 民主化を捨て「四つの近代化」へ(藤井省三)
ジャン=ポール・サルトル 戦後四半世紀を制した発言(鷲田清一)
エドガー・スノー 『中国の赤い星』への旅立ち(藤井省三)
ダグ・ハマーショルド 合言葉は「ダグに任せろ」(松岡完)
本田宗一郎 二十世紀を象徴する音景色(藤本憲一)
湯川秀樹 確信に満ちた中間子存在の予言(常石敬一)
井深大 天才発明少年の猛進と限界(武田徹)
クロード・レヴィ=ストロース 西欧近代の思考に異議申し立て(鷲田清一)
マザー・テレサ 最も悲惨な人にむける視線(井上順孝)
金日成 「神聖国家」に輝く「民族の太陽」(姜尚中)
リチャード・ニクソン 歴史に名を残そうとする執念(松岡完)
ジェシー・オーウェンス 走った。ひたすら走り続けた。(邨野継雄)
オーソン・ウェルズ このガルガンチュア的な器量!(能登路雅子)
ワトソン&クリック DNA二重らせんモデルの衝撃(高田公理)
ジョン・F・ケネディ 二年十カ月間で見せた大変貌(松岡完)
ガマル・ナセル(ナースル) 自立を目ざす民族の期待を担う(山内昌之)
田中角栄 山地と平野の落差が生んだ爆発力(朝倉喬司)
アレクサンドル・ソルジェニーーツィン 収容所国家を敵に回した半生(五十嵐暁郎)
エドマンド・ヒラリー 「本業は蜂飼い。探検は道楽だ」(邨野継雄)
リヒャルト・カール・フォン・ヴァイツゼッカー 保守エリートの自覚と覚悟(姜尚中)
アンドレイ・サハロフ 「明日は闘いだ」が最後の言葉(常石敬一)
アレクサンデル・ドプチェク 「人間の顔をした社会主義」の末路(松岡完)
マルコムX 十三発の銃弾に散る(井野瀬久美惠)
マーガレット・サッチャー 「信念の政治」をめざす(井野瀬久美惠)
フィデル・カストロ 米国を震撼させたキューバ主義者(松岡完)
アンネ・フランク 救いのない死を死んだ無辜(むこ)の少女(徐京植)
ヤースィル・アラファート カリスマ性と信念のギャップ(山内昌之)
ニール・アームストロング 宇宙飛行について黙して語らず(常石敬一)
ミハイル・ゴルバチョフ ペレストロイカの野望と敗退(臼杵陽)
皇后美智子 「シンデレラ」が言葉を失うまで(前田良一)
ムハメッド・アリ 「ホラ吹きの悪役」を超えたヒーロー(能登路雅子)
レフ・ワレサ 「人生の最高の時期は終わった」(松原聡)
ビートルズ 憎悪と友情のまじった最後の演奏(松岡完)
プライム・エッセー うっかり「巨人」と言われてしまうことの仕掛け(大月隆寛)
参考文献
写真提供先
本巻執筆者紹介
索引