幸田家のしつけ
第一章 理詰めで教える掃除の達人
父親の出番/子どもに家事をさせない親/魅了される生活感覚/豊かな自然の中で/畏敬する父親の影響/厳しい掃除の稽古/教え方は三段重ね/「これ渾身」の教え/生き方を伝える
第二章 父に向けた手厚い看護
戦後、市川へ転居/露伴の葬儀に裸足で/病の床で求めた氷/余命短いことを覚悟/逝く父へ果たした娘の一念
第三章 反発しながらも畏敬の心
「いらぬやつが生まれた」/キズついた子の心/「愛しているよ」のメッセージ/幼時の記憶は生きている/親を〝捨てる〟子ども/父は「絶対」の存在/父の最期を前に〝ひらめき〟/アンビバレンツ/出し続けるべき〝愛〟のサイン
第四章 父は遊ばせ上手
花と遊んで/父が遊び相手/意図的な配慮/子どもと向き合う/少ない「子どもとの時間」
第五章 最もおいしいときに食す
炊事いっさい受け持つ/まずいものは食べたくない/露伴の〝食哲学〟/おいしい食事のジレンマ/台所は頭脳の磨き場所
第六章 無言で育む美しい心
「道に知識を拾う」/実際に見て、知る/見て体で覚える/「育む」もの/美しさの感受性/幼稚園に通う母子の姿/子が選んだ藤
第七章 「わかる」とは「結ぶ」こと
五人に四人が塾などへ/自然に身に付く〝感覚〟/本好きに誘うには/初めは絵本から/読み聞かせ
第八章 形が人を美しく見せる
きれいになりたい/美人と佳人/美しく見せるコツ/本当のおしゃれ
第九章 着物は着こなしにある
幼くして着物には敏感/親が承知のボロ着物/目で他人の着物を〝着る〟/去る季節に合う心意気/格子縞への思い入れ
第十章 言葉遣いに厳しく
使者の口上/「ヤアガル人種」/言葉は自らを守る
第十一章 父と娘の性教育問答
〝女〟を巧みに描く/幼い者の性意識/自伝的作品『銀の匙』の場合/恋愛にも似た想い/女子生徒の「S」/われにもあらぬわが心/父親の性教育/先走る青少年の性行動/親は毅然と自然な態度で
第十二章 夫婦の不和で傷つく子の心
気の合わない父と継母/両親のけんかで湯の洗礼/子どもに見せるな親の不和/子どもの親への気遣い/悲しい聖なる心/
第十三章 男の子に甘い父心
かわいい不出来な子/毅然として諭す父
第十四章 生死の間に最後の教え
子に示す老いと死/従容とした父/静かさの中に見送る
あとがき
参考引用書籍一覧