現代の発見 第4巻
天皇観の戦後史(丸山邦男)
プロローグ
新装天皇制の成立
〝心の靖国神社〟と戦死者
<神々の復活>―右翼の変節
テロ恐怖と〝自由からの逃亡〟批判
人間宣言と象徴天皇制
戦後の天皇制論―個人と制度、大衆天皇制論
天皇の位置と新貴族層
憲法調査会の罠
愛国心問題の周辺―結語にかえて
<共同討議> 天皇制について(石母田正/大江志乃夫/遠山茂樹/藤田省三)
なぜいま天皇制を問題にするか
天皇制信仰とキリスト教
「天皇制原理」と国家権力―共和主義の問題
反天皇制運動の課題
被害者意識と応援団意識
なぜ共和制が問題にされないか
国家と教育
直接民主主義のために
植民地と天皇制
国会神聖論と天皇の政治的役割
社会党と天皇制
戦後天皇制の変化
天皇の責任
「天皇」体験について(奥野健男)
暗い不気味な余剰―「天皇」体験
反逆的で浪漫的な天皇主義への道
天皇制の亡霊と前衛たち
悠久の大義と死の世代
大義と現代(城山三郎)
殉皇精神の呪縛
一つの証言『大義の末』
戦中世代と戦後世代
大義の末裔として
天皇制イデオロギーと現代(高木宏夫)
はじめに
天皇制の思想形成
現代に生きる天皇制思想の問題
忠誠論―核時代における人間問題(大熊信行)
占領政策と日本国民の忠誠喪失
「忠誠」概念の史的変遷と忠誠の相剋
核時代における国家的忠誠の動揺
帝国海軍上層部における極秘の一問題
過去現在未来にわたる戦争責任問題の構造
忠誠論では事実問題と価値問題の識別が先決である
国家的忠誠の動揺期におけるミシシッピ大学事件
未来にむけられた人間的実践の道を求めて
忠誠論にたいする戦中派の抗議はつづいている
思想の科学「転向」研究グループの方法問題
戦後世代と奇型的な精神構造の発生
孫文の講話にみる「忠孝」論
あとがき(編集委員会)