図書ショウワ テンノウ ト チアン タイセイ080006273

昭和天皇と治安体制

サブタイトル1~10
編著者名
荻野 富士夫 著
出版者
新日本出版社
出版年月
1993年(平成5年)7月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
219p
ISBN
4406021914
NDC(分類)
317
請求記号
317/O25
保管場所
地下書庫半藤図書
内容注記
和書 半藤一利氏旧蔵資料
目次

はじめに
「臣民ノ幸福」の増進と破壊
戦争責任と統治責任
二つの観点から
「現人神」思想の強制
 
Ⅰ 治安維持法と「国体」
「国体」の登場―治安維持法成立過程―
「国体」への注目
過激社会運動取締法案の前史
過激法案のなかの「国体」問題
「新取締法案」における「国体」の浮上
「赤化運動」の危険性
司法省第一次成案
内務省第一次成案
「国体」「私有財産制度」の登場
司法省の譲歩
法制局の抵抗
「国体」の復活
「国体」変革=無政府主義
若槻内相と小川法相の「国体」観
「国体ノ問題ハ絶対ニシテ是非ノ論議ノ範囲外タリ」
「国体」の限定付けと絶対不可侵性
京都学連事件=私有財産制度の否認
拡張的「国体」観の内包
内務省の慎重姿勢
司法省の積極性
「国体」観の確定―三・一五事件と治安維持法「改正」―
三・一五事件の惹起へ
「国体」変革の衝撃
治安維持法「改正」の報道
「改正」法案の閣議決定
議会廃案、緊急勅令へ
「国体変革処罰に関する件」
緊急勅令案決定までの紛糾
思想的内乱罪・外患罪
「国体」の根本義―皇統の不変性
「国体」観のズレ
「国体」観の確定
山宣の「国体」観
「国体」変革観念の拡張―一九三〇年代以降の治安維持法―
風早八十二「治安維持法」
三宅正太郎「治安維持法」
池田克「治安維持法」
目的遂行罪の拡張
共産党=「国体」変革結社
全協、「国体」変革結社の認定へ
治安維持法再「改正」の論議
「国体の尊厳」の確保
朝鮮の民族独立運動への適用
定平農民組合事件
大本教事件―「国体変革部分の抽出」
無政府主義運動への適用
一九四一年「改正」―「国体」変革観念の大拡張
「銃後治安ヲ確保スヘキ国家的要請」
浅見仙作事件
治安維持法と「国体」の最終到達点
 
Ⅱ 特高警察体制と天皇制
特高警察理念の展開
「政府の警察」
「民心ヲシテ戦栗スル所アラシムヘシ」
社会主義取締の原理
特高警察体制の創出
「治安体制」の構築へ
三・一五事件の意味
「国家の警察」
「天皇の警察」
超法規的取締の論理
「国民精神の指導」と統制
反「国体」運動の取締
思想戦の担い手
国民総監視体制
「天皇の警察」意識の継承
華族〝赤化〟への弾圧と処分
「名家富豪ノ子弟」の〝赤化〟
目白会「ケルン」と五月会
天皇制についての認識
「反国家的不逞行為」
峻厳な取締
華族階級への警告
緩やかな司法処分
華族廓清へ
宮内省の厳重処分方針
天皇の「御心配」
寛大な処分へ
全華族の訓戒
思想対策の「御下問」
事件の意味すること
 
Ⅲ 「昭和大礼」と天皇制警察
「昭和大礼」以前の警衛警備
〝見せる〟警衛
民衆統制の警備強化
「大逆」事件後の警備
「大正大礼」警備
大正天皇「大葬」の警備
「昭和大礼」と警衛警備
『昭和大礼警備記録』
「大礼」警備の理念
「大礼」警備計画の策定
直接警衛―沿道警衛と列車警衛
間接警備―要警戒者の検索
要警戒社への取締
労働・小作争議の禁圧
移動警察
「大礼」警備の最終段階
保安―一般静謐の保持と「奉祝」の統制
「大礼」報道の統制
「大礼」警備の意義
「昭和大礼」以後の警衛警備
陸軍特別大演習時の行幸警備
通常の行幸啓警備
戦後の警衛警備
 
Ⅳ 昭和天皇の治安認識と対応
治安情報の把握
「人心悪化、思想動揺」の上奏
思想問題への関心
三・一五事件の上奏
治安維持法「改正」の「条件付裁可」
内大臣牧野の思想問題憂慮
内大臣木戸の治安情報蒐集
三つの特徴
「現下の治安状況に就て」
「国体ノ擁護」の最優先
御前会議での報告
東条首相の内相兼任
近衛上奏への不同調
天皇自身の対応
内務省人事への関心
司法部行幸
クートベ留学生への関心
皇太子誕生の恩赦
内務・司法官僚の叙勲と金銀杯下賜
毛利基と戸沢重雄の場合
「共産党潰滅」の功績
天皇の意を体して
敗戦後の治安問題への懸念
「人権指令」の衝撃
特高「解体」への憂慮
皇太子との問答
共産党への危機感
人間宣言
マッカーサーへの直訴
 
あとがき
資料―『木戸幸一日記』にみる治安情報の蒐集