覚書金輸出解禁論争史
はしがき
覚書 金輸出解禁論争史 ――『東洋経済新報』の新平価解禁論をめぐって――
序 石橋湛山の回想と論争の歴史的意義
『湛山回想』から
論争の意味するもの
一 金本位制度と金輸出解禁の意味
金本位制度
金輸出制限令
購買力平価説
二 新平価解禁論の展開
正貨の無制限払下げ
新平価解禁論へ
衆議院の金解禁決議案否決
為替相場の動揺と解禁論
片岡蔵相の解禁準備工作挫折
解禁準備と金融恐慌の原因
三 新・旧平価解禁論の激突
旧平価解禁論再燃
新平価解禁論の精力的展開
盛り上がる金解禁論争
井上蔵相の金解禁政策
『東洋経済新報』の金解禁政策批判
「井上蔵相の旧平価解禁論を評す」
四 旧平価解禁の断行と昭和恐慌
金解禁後の正貨流出
恐慌拡大と社会不安の激化
深刻化した農業恐慌
金輸出再禁止論の台頭
『井上蔵相の錯覚』
不況打開策としての金輸出再禁止
五 金本位制度から管理通貨制度へ
満州事変の突発
イギリスの金本位制停止
金輸出再禁止即行
リフレーション政策へ
付論Ⅰ 金輸出解禁論争前史 ―「解禁即行」か「時期尚早」か―
アメリカの金本位制度復帰
「金解禁の好機」
「大正九年の財界大反動」と金解禁問題
混迷する物価対策
震災直後の解禁論
付論Ⅱ 金解禁をめぐる石橋―松崎論争 ―「新平価解禁」か「旧平価解禁」か―
論争の発端
新平価解禁論の周辺
金解禁の目的
ヨーロッパ諸国の平価切下げ
為替相場と物価
新平価の決定は困難か
論争の評価
付論Ⅲ 三浦銕太郎の「金解禁の是非」 ―金本位制度廃止論の展開―
異端の主張
金輸出解禁と金本位制度
金本位制度は物価の安定を保証しない
管理通貨制度の効用
『東洋経済新報』における金本位制度廃止論の流れ
付論Ⅳ 是清と湛山の時代 ―リフレーション政策の挫折―
はじめに
湛山の是清批判
消費は美徳
転機となった五・一五事件
リフレーション政策へ
「高橋蔵相縦談」
防波堤崩壊
参考文献資料
金解禁関係略年表(一九一九~一九三二)
あとがき