粋と絆
1 はじめに(久保金司)
2 町の曲り角(藤森照信)
3 神田川「水紋」
4 子
日本の鉱物で、ないものはありません(櫻井欽一)
脱水機が命より大事です(廣瀬力)
縁日が一番楽しかった(小川喜)
神田の四季が題材です(永井幸子)
本当に繊維の街だったね、この辺りは(森田陽之助)
5 丑
ニューヨークでも行商します(河原宗次郎)
着物がある限り引退しません(鈴木八郎)
アメリカ漫画にあこがれました(佐宗美邦)
下町には人情の機敏があります(吉川義一、こう)
ふぐほど出世した魚はありません(鳥山政幸)
ステンドグラスに神田を残します(藤川貞一)
本物のさつま揚げをどうぞ(構常雄、静)
6 寅
弓は娯楽、矢場は息抜きの場所です(小山秀子)
あんこう鍋のキメ手はタレです(立川源次郎)
祭りには囃子は欠かせません(青山宗二郎)
神田今昔①「お茶の水」
7 卯
木版染の文様は私の世界です(小山保家)
和紙は生き物、千年だってもちます(田記譲)
ぺちゃんっこ靴でドイツに行きました(石川恵美子)
芸術家じゃなくて職人なんです(斉藤幸次)
浮世絵を探して世界を回る(酒井藤吉)
アルプス号は神田生まれです(萩原愼一)
仏教は座禅、弓道は立禅(綾部正)
第一級の古書を集めています(纐纈公夫)
氏子さんとの絆が神社の誇りです(大鳥居信史)
商売はソロバンだけではやれません(堀田喜久雄)
8 辰
花柳章太郎先生から影響を受けました(秋山多津雄)
垢にまみれたら染めかえます(青木惣太郎)
将門太鼓は人と人を結びます(米山穂積)
神田今昔②「神保町」
9 巳
一度は死んだ身、平和に尽くします(加藤清政)
江戸時代から神輿を造ってます(村田桂一)
文字にホレなきゃダメですよ(前川巳代三)
10 午
夫婦喧嘩はいっぺんもありません(天野フユ)
舶来品に負けないカバンをを作りたい(吉田吉蔵)
足袋にごまかしはききません(田中正次郎)
おふくろの味が自慢です(池サエ)
闇に埋もれる史実を掘り起こす(渡辺浩助)
時流に合わせた鮨は作りません(師岡幸央)
伝統をふまえて新しい神田を創りたい(藤井康男)
神田っ子にもやせ我慢は難しい(西出幸二)
神田今昔③「神田明神祭」
11 未
鼻緒をすげられる職人もへりました(小泉勝太郎)
漢方薬では誰にも負けない(土田茂雄)
感謝の気持ちでいっぱいです(大塚慶子)
ビルになっても龍名館は変わりません(浜田隆)
神田祭り、これほど血が騒ぐものはない(遠藤達蔵)
家の下から延命地蔵が出てきた(安孫子豊修)
無地染の技術を伝承したい(平岡昌三)
12 申
健康に一番大事なのは空気です(名倉英二)
神田っ子の健康を預かって半世紀(奥田嘉門)
ウサギ料理屋の提灯がとてもきれい(原田直翁)
露先の糸がとれる傘は作りません(古屋源太郎)
お互いに助けあって商売繁盛(小高登志)
やっぱりオヤジにはかなわない(北川小介)
神田今昔④「神田明神と秋葉原界隈」
13 酉
能は歴史を踏まえているから面白い(檜常太郎)
玩具は、いま集めなきゃ後がない(牧野玩太郎)
節句には店にスリがでるほど賑わった(宇野清松、幸子)
無心になれる祭祀が好きです(山崎寛)
14 戌
取り上げた神田っ子は数千人(熊谷イシ)
一竿入魂の気迫が大切です(櫻井博)
ビルマでは魂はルビー色になります(柳原義雄)
娘が暖簾を受け継ぎます(藤川郁)
15 亥
鰻の味つけも薄くなりました(内田栄次郎)
お釜やお饅頭も質草です(大塚金太郎)
ニコライ堂の鐘の音はよかった(井上正澄)
ニコライ堂「夜明け」
16 わたしたちの故郷は神田です(堀田康彦)
17 あとがき(野中章弘、亀井紀人)