図書イキテイル ケイザイガク080001838

生きてゐる経済学

サブタイトル1~10
編著者名
草田 時雄 著者
出版者
中央公論社
出版年月
1939年(昭和14年)6月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
289p
ISBN
NDC(分類)
330
請求記号
C330/Ku81
保管場所
地下書庫中公新社
内容注記
和書
目次

自序
まへがき

第1章 序論(本書の立場)
事変と経済(「武力即ち富力」の新段階)
富とは何か(静的の富と動的の富)
「富」の錯覚(生き物である・魔物である)
弊履の経済理想(栄枯盛衰か流行り廃りか)
社会有機体説(社会は防衛し社会は経験する)
経済有機体の組織(細胞の活力が全体の活力)
幾何学進歩の跡(平面より曲面へ・曲面より波面へ)
波動経済学(吹き荒れる戦争の大嵐)

第2章 物資(資源の問題)
「持たぬ国」日本(日本は何を持たぬか)
全くないに近い資源(全くないのは棉花と羊毛)
有るやうでない資源(詰るところは技術の問題)
物資不足の対策(先づ一般民需の禁止的制限)
廃物利用・廃品回収(近代的文化資源の開発)
生産力拡充計画(量的完成に安んずる勿れ)
輸出増進政策(更に積極的方途が肝要)
不足しない食糧品(日本は最も「持てる国」)
豊富なる人的資源(殖えるは百万人の居候か)
科学資源は貧弱(模倣主義清算が必要)

第3章 為替(国際金融)
日本の「商売」は?(生糸屋・紡績屋・魚屋・運送屋)
国民経済と一家経済(収支の均衡が絶対に必要)
輸出と円ブロツク(「出超」を楽観するは早計)
為替資金・為替相場(為替は何故動くか動かぬか)
一志二片堅持(磅にリンクする円貨の安定)
喪はれた「市場」(為替は何故下げてならぬか)

第4章 金融(国内金融)
兌換券とは?(実を失つた「相渡申候」)
貨幣制度の変貌(兌換券より管理通貨へ)
不換紙幣か否か(不換の文字に拘泥する勿れ)
兌換券の膨張(果して物価騰貴を招くか)
公債と通貨(日銀から湧き出す通貨の流れ)
公開市場操作(悪性インフレの第一歩は?)
資金・資産(個人の富と社会の富)
公債の消化(それは何時行き詰るか)
金利・金利水準(一万円を手にしたら…)

第5章 国民生活の前途
国際貸借の前途(輸出増進が何より緊要)
国家財政の前途(大増税は絶対に必要)
物価の前途(悪性インフレの可能性と限界)
全体主義(社会有機体説の結び)
貯蓄の時局的意義
真の目標は消費の節約
例外のあつた「選択的節約」
目の敵にされる購買力
不景気も亦己むなし
裏切られた熱狂相場(インフレ論批評の一つ)
徐州の陥落と山一買の陥落
太田収氏の経済前途観
インフレ期待の破綻

附録―事変経済読本
準戦体制
戦時体制
統制経済(全精力を戦争へ集注)
資金統制(臨時資金調整法のこと)
為替統制(上)(生命線一志二片堅持のこと)
為替統制(下)(蟻も通さぬ管理の鉄壁)
輸入制限(不自由な戦時体制の特色)
金の現送(国内産金奨励のこと)
消費節約(上)(屑屋に払ふも国のため)
消費節約(下)(銅御殿など以ての外)
物価対策(上)(悪性インフレ来!を裏切る)
物価対策(下)(根本に触れぬ調査会答申)
暴利取締(官定価格果して可能か)
船舶管理(見事?な自治的運賃統制)
為替統制(倫敦・上海・東京枢軸)
電力統制(こゝだけでは官民正面衝突)
生産拡充(戦時体制は半永久的)
公債・増税(一億円の未来永劫だ)
公債・増税(幣覆の如き健全財政主義)
悪性膨張(次の段階の超戦時体制)