大隈侯八十五年史 第1巻
総説
修業時代
一身を犠牲として国事に尽くす
率先して大政返上を策す
明治政府に重用せらる
万難を排して改革事業に努力す
留守政府に於ける功績
財政上における各種の貢献
明治十四年の政変
第1編 少年時代より王政維新前後まで
郷国及び祖先
昔の俤を留めた家
武人として成功した祖父と厳父
母堂から受けた教育
藩風刷新
佐賀の藩風と学生時代の生活:佐賀の学校
内生寮に入る
寄宿舎に起臥した頃
一種の活学問
葉隠主義の武士道
在来の学風に反抗す
勤王思想の涵養と欧米学術の研修
佐賀の武備
義祭同盟起る
欧米文化の新刺戟
南北間の争闘
蘭学を修む
学習の困難
兵学と日本の古典とを勉強す
夙に運動を好む
義祭同盟の分裂
桜田の変と佐賀藩士の緊張
鍋島直正の公武一和主義
時代の急変に応ずべき道
儕輩に推重せらる
桜田の変と一藩の驚愕
空しく脾肉の嘆を抱く
国家の前途を憂惧す
新知識吸収時代
英語学修と理化の実地研究
代品方の機密に與る
鍋島閑叟の人望
失望時代
始めて木戸孝允と語る
英語を通ほして新知識吸収
商業上の奇策を案出す
長崎に英語学校を設く
勤王運動
再び起って国事に奔走す
佐賀と熊本との握手
外遊を辞す
大政返上の必要を痛感す
大政返上運動に着手す
原市之進に逢ふ
病中国事を想ふ
江戸及び京都へ赴く
王政維新前後の奔走
帰国途上の感懐
早朝原田小四郎に会す
始めて閑叟に時勢を説く
長崎に於て外交事務を執る
硬直の態度を以て外人に臨む
才器抜群を認めらる
第2篇 中央出仕時代より遣外使節発程まで
英公使と接衝して外交上の重大問題を解決す
外交上の難問題
堂々の論陣を張って英公使を屈服せしむ
貨幣に縺れ付いた外交問題
造幣局設立に決す
江戸鎮定の尽力と横須賀造船所回収
当面の二大要務
二十五万両を調達す
江戸の無政府状態
賊徒掃蕩に尽力す
オリエンタル・バンクより五十万弗を借る
英国水兵斬殺事件を審理す
江戸横浜に於ける生活
長崎へ赴く
英人殺害事件の調査を進む
京都に帰る
財政の難局に当る
外国官副知事に抜粋せらる
不換紙幣に対する内外の苦情
由利公正に対する非難
版籍奉還運動と宗教革新運動
閑叟の明識
薩長両藩へ勅使差遣
新神道建設に尽力す
紛雑を極めた太政官札の整理
通貨問題に伴ふ諸弊
会計官副知事となる
英公使と折衝す
外交上の難件続出
再びパアクスを屈す
通貨についての厳令
政府の信用恢復
築地に新居を構ふ
公選法の実現と当時の複雑な政情
新旧思想の混合
薩長の感情齟齬
公選法を実行す
財政に関係した外交上の難問題と贋貨処分
悪貨問題に就て外国公使の抗議
外交談判の模様
悪貨問題の解決
官制改革後に於ける新地位
民部大輔となる
民蔵合併と木戸孝允の不満
進歩的施設の進行
鉄道電信創設に対する保守派の大反対
鉄道布設について米人の要求を斥く
鉄道布設について進言
英人レイを訪ふ
外資借入に対する反対
レイの奸策に欺かる
万難を排して急進的政策を執る
経費節約と官紀振粛
民政改革
前原一誠を論破す
不当の非難
民部大蔵両省に新進有為の人材集る
公平に人材を擢用す
渋沢栄一を説服す
民蔵の勢力
文明的新事業の開創
模範政治上の創立
灯台建設
新貨鋳造を急ぐ
時勢に先駆した各種の新施設
関八州募兵論
通商振興
度量衡及び駅〓制度の改革
通信制度の改革と新紙幣印刷の苦心
廟堂に一波乱を捲起した民蔵分離問題(上)
新旧主義の衝突
五代友厚の忠告
勢力平衡に伴ふ党争
政界の低気圧
廟堂に一波瀾を捲起した民蔵分離問題(下)
参議登庸問題
民蔵分離発表
浮説紛々
政府当局を憂慮せしめた朝鮮及び樺太問題
朝鮮政府の非礼
木戸孝允と対鮮問題を語る
樺太問題
政界の暗流と薩長土の提携運動
大久保及び木戸の活動
両雄の意見一致
不安な政情に対する君の決意
造幣局の落成
廃藩置県を断行する迄
姑息の弥縫
木戸の不平
西郷隆盛の立場
除外し難き一勢力
廃藩置県の断行
遣外使節発程までの政情
幣制統一の必要
秩禄処分の困難
風俗一新
条約改定の期迫る
閣僚間の申合
約定書成る
第3篇 留守政府の時代より西南役まで
留守政府の新施設
旧藩債の処分
藩札整理
地租及び兵制の改革
教育及び法制の一新
京浜鉄道の開通
暦法改正
大蔵事務総裁となる
大蔵と文部の衝突
司法対大蔵の確執
内閣の紛転
紛争の調停
井上馨の決意固し
歳出入見込会計表を作る
地租改正事業を全うす
尾去沢鉱山事件
井上の窮境を救ふ
征韓派と非征韓派との葛藤
内閣の動揺
征韓論の勃興
危険な空気
隠密的意志
大西卿の心事
意味ある沈黙
征韓論に反対した理由
固く非征韓派の意見を支持す
内治を先にすべき必要
非征韓派の勝利
佐賀の乱
民選議院開設の建白
江藤新平の最後
不安の空気到る処に漲る
台湾蕃地事務局長官として危局に善処す
台湾蕃地処分の要略
木戸の異論
長崎に於ける機宜の処置
大久保と協力して勇断
保守進歩両思想の衝突
島津久光の不平
久光と会見す
厳に保守派に対抗す
島津久光に対する君の強硬な態度
久光の詫証文
征台役の後始末に伴ふ財政上の苦心
対支交渉案件
政府の戦意固し
講和漸く成る
征台役の結果
大阪会議の前後
大阪に於ける諸雄の会合
薩長土の提携成る
大阪会議の結末
政府の海運事業保護
三菱政府の命を奉ず
三菱へ補助金下附
東北御巡幸供奉
金禄公債証書発行及び支那借款問題
財政上諸種の苦心
金禄公債発行の利
支那に対する同情
破談に終る
西南役に於ける財政始末
鹿児島の騒乱
財政上の大打撃
意外の失費
西征の功を賞せらる
国立銀行設立と発展
国立銀行条例の発布
銀行の経営難
第一銀行の破綻とその救済
国立銀行条例の改正
銀行の発達
十五銀行の創立
第4篇 西南戦役より十四年の政変前後まで
大久保薨去前後の政府
起業公債の利便
勧業上の尽力
海関税の調査
聖上の行幸を仰ぐ
始終危険の境地に立つ
失意の井上馨を援助す
警視庁の改革
農商務省の新設
紙幣整理始末
戦後財政上に於ける種々の困難と努力
紙幣同収の用意
時変に処した応急策
洋銀取引所の新設
正金銀行の設置を助成す
紙幣消却のために配慮す
財政上の新施設
会計検査院の創設
困難な地租改正事業
再度の地租調査
民衆生活のために尽くす
備荒儲蓄法の実現
『大日本貨幣史』の編纂
財政史上の回顧と大観
紙幣の費途
銀行設立の由来と必要
租税の変遷
政府の財産
国営火災保険案の創定と国勢調査開始
保険事業の調査
保険法案の作成
内務省側の反対
国勢調査の嚆矢
国会開設及び憲法制定に就ての建議
憲法調査と進歩派の意見
保守派の意見
穏当適切な見解
思想上に於ける縺れ合ひ
保守派の一群
岩倉具視の意見
薩長政治家の大隈排斥策
伊藤博文の建議
伊藤井上の諒解
新聞発刊の計画
熱海会議の真相
噴火山上に坐する如き危険
非難の焦点となった開拓使官有物払下事件
正義の精神を貫く
政敵が用いた反間苦肉の策
薩派政治家の暗中飛躍
薩長土の連合と恐るべき陥擠策
十四年の政変に関する秘密の謎
薩長政府が放った密偵と誇張した流言蜚語
黒田清隆山田顕義の策動
伊藤博文岩倉を動かさんとす
政界の大暗流
謀反罪に問はれようとした事情
君の公明正大なる言動
物々しい大警戒
位登井上両人大将大隈の首を斬って軍門に降る
政党組織を急いだ事情
写真目次あり