岩波文庫物語
1、 風雪編
円本合戦のさなかに
第一号は『万葉集』
“本屋になってよかった”
芥川竜之介の遺言
この努力この情熱
河上肇訳『資本論』をめぐって
『資本論入門』の場合
『貧乏物語』が文庫にはいる
『人間万歳』のことなど
たのしくもはかない夢
文庫合戦はじまる
レクラム文庫と対比して
『サーニン』発禁の厄
“白帯もの”へ大鉄槌
花袋・実篤・竜之介・蘆花ヤリ玉に
『ボヴァリー夫人』風俗壊乱で
ムチャクチャな戦後の検閲
『ユリシーズ』で第一書房と争う
『イミターショ・クリスチ』で春秋社と
内村鑑三氏との結びつき
陸軍恤兵部で十万部買上げ
余聞『太田伍長の陣中手記』
あの手この手の獄中の読書
「文庫を蒐めて十有三年」の船津勝雄氏
遊郭がよいと間違われた三輪福松氏
買った文庫はみんな読んだ杉浦明平氏
条件つきで集めた村川堅太郎氏
行列をつくって買った文庫
混乱をきわめた翻訳もの
「岩波文庫の会」について
創刊二十五周年記念の催し
創刊三十年を迎えて
『新訓万葉集』の改版について
『何が彼女をそうさせたか』の場合
『ヴィヨンの妻・桜桃』の場合
『聖アントワヌの誘惑』の場合
『科学と方法』の場合
『破戒』は初版本で
採用された現代表記
古典は年月と民衆がきめる
古典とはいかなるものか
古典は民衆の中に生きている
古典には永遠の生命がある
2、 作品編
完全な姿で出た『基督抹殺論』
無断で獲得した『〓東綺譚』
『日本唱歌集』の場合
『日本童謡集』の場合
『高村光太郎詩集』の場合
乃木将軍を描いた『寄生木』
見栄も何もかまわぬ『仮装人物』
今日を暗示する『風雨強かるべし』
『迷路』をめぐるエピソード
同人雑誌に書きつづけた『冬の宿』
無キズの『一九二八・三・一五』
カランコロンの『怪談牡丹灯篭』
幻覚を用いた『真景累ヶ淵』
ラフカディオ・ヘルンの『怪談』
岩波が愛した河野与一氏
血のにじむ「私の上京」
翻訳を果たしてみずからの命を絶つ
二十数年目に世に出た『トルストイの生涯』
上高地とペーターの『文芸復興』
三鷹事件と『ミドロジアンの心臓』
『即興詩人』に新旧二つの訳
削除のない『ミル自伝』
半世紀とっくんだ『貧しき人々』
愛読されている『人と超人』
『どん底』の翻訳をめぐって
内藤濯の「しなやかな」訳業
中絶十九年に及んだ『オーベルマン』
豊島氏の霊前に捧げた『千一夜物語』
二十三年目に完成した『昆虫記』
復元された『静かなドン』
3、 資料編
岩波文庫データ集
あとがき