新長崎市史 第3巻
目次
刊行にあたって
はじめに
凡例
序章 近代長崎の幕あけ
第1章 近代都市長崎のさきがけ
第1節 維新直後の長崎
1 長崎県の成立
(1) 長崎会議所の設置
(2) 長崎裁判所の設置
(3) 一等県長崎県の誕生
2 町会所の設置
(1) 区域の拡大と町の統廃合
(2) 戸長の設置
(3) 明治天皇の巡幸
3 戦役と長崎
(1) 佐賀の乱
(2) 西南戦争
(3) 梅香崎招魂社、佐古招魂社
第2節 明治初期の地方行政と長崎
1 区制の変遷と構成
(1) 町村制度の整理統合
(2) 組織、機関、事業
2 長崎区制の施行
(1) 郡区町村編制法の施行
(2) 区役所と区会
(3) 対外関係
(4) 長崎市への移行
第3節 居留地と都市基盤整備の近代化
1 開港前の都市形成
(1) 日米、日英、日露和親条約と一時居留
(2) 日蘭条約と海軍伝習隊
2 開港後の居留地の都市形成
(1) 外国人居留地
(2) 中国人居留地
(3) 居留地の区画、面積、人口
第4節 信教の自由と思想・文化
1 信教の自由とキリスト教
(1) 「信教の自由」前後の時代状況
(2) カトリック信仰の復活と教会の建立
(3) カトリックによる愛の事業
(4) プロテスタントの伝道活動の開始
(5) 信教の自由とキリスト教排斥の世相
(6) 復活カトリックと日本人の心
2 幕末から明治期の神道と仏教
(1) 神仏習合から神仏分離へ
(2) 明治政府の宗教政策
(3) 九州鎮撫総督沢宣嘉の新政
(4) 浦上皇大神宮の創建
(5) 神仏分離政策における神道と仏教
(6) 明治政府の長崎布教における中・小教院
(7) 大教宣布運動の終結と信教の自由
(8) 戦時下の神道と仏教
第2章 長崎市の誕生
第1節 市街地形成と都市生活基盤の整備
1 第1次長崎港湾改良事業による埋立
(1) 長崎港の閉塞とその対策
(2) 長崎港湾改良の計画
(3) 第1次長崎港湾改良事業の工事概要
(4) 変流事業
(5) 沿岸部の近代橋梁の架設
(6) 第1次長崎港湾改良事業による地形の変化
2 道路の近代化による整備
(1) 長崎における道路の近代化
(2) 日見新道の開削
(3) 時津新道の開削
(4) 茂木新道の開削
(5) 野母新道の改修
3 都市公衆衛生の確立
(1) 疫病の蔓延
(2) 下水道の整備
(3) 上水道建設の計画
(4) 水道施設の建設とその後
第2節 長崎市の市制施行と政治状況
1 長崎市の発足と市政の展開
(1) 市制施行と市行政のはじまり
(2) 水道敷設をめぐる対立の終焉
(3) 長崎市域と衛生行政
2 長崎市政の展開と市域拡張
(1) 市会議員選挙と政治党派の影響
(2) 都市基盤整備と市政の展開
(3) 第1次市域拡張
(4) 要塞地帯法施行と長崎市域
第3節 近代学校教育の成立
1 初等教育の成立・発展
(1) 学制頒布と長崎の小学校
(2) 自由教育令・改正教育令と長崎の小学校
(3) 明治19年の小学校令と長崎区の小学校
(4) 明治23年の小学校令と長崎市の小学校
(5) 明治33年の小学校令改正と長崎市の小学校
2 中等・実業・高等教育の成立
(1) 中学教育
(2) 私立学校
(3) 師範学校
(4) 実業教育(長崎商業学校)
(5) 高等教育(医学)
3 幼児教育の成立
(1) 幼稚園
(2) 託児所(保育所)
4 特殊教育の成立
(1) 盲・聾唖教育の成立
(2) 学業不振児教育問題の顕在化とその救済
(3) 開成学園の開設
5 通俗教育の成立
(1) 通俗教育
(2) 職業教育と社会教育
(3) 社会的教化と青年団
第3章 地域の発展と対外関係
第1節 港湾改良事業と鉄道敷設
1 近代的交通機関の形成と長崎
2 九州鉄道会社長崎線の建設
3 第2次長崎港湾改良事業による市街地の拡大
(1) 第2次長崎港湾改良事業の背景と決定
(2) 改良工事の概要
(3) 改良事業による都市構造の変化
(4) 第1回長崎水道拡張事業
(5) 第1回長崎水道拡張事業の水道施設
第2節 国際都市長崎の活況
1 長崎港貿易の盛衰
(1) 明治長崎港貿易の盛衰
(2) 外国商人の活動
(3) 貿易商品の生産と流通
2 長崎と明治期の対外戦争
(1) 台湾出兵
(2) 日清戦争
(3) 北清事変(義和団事件)
(4) 日露戦争
第3節 明治期長崎の社会と生活
1 公的救済制度
(1) 恤救規則
(2) 窮民救助規則
(3) 行旅病人及び行旅死亡人
(4) 長崎市の救済事業
2 民間慈善事業の勃興
(1) 慈善救済事業
(2) 棄児養育問題
(3) 感化・免囚保護事業
第4節 明治期の女性と地域社会
1 近代女子教育の誕生
(1) 初等教育機関の設置
(2) ミッションスクールの誕生
(3) 中等教育機関の誕生
(4) 職業教育の始まり
2 女性グループの活動
(1) 女部屋
(2) 長崎婦人会
(3) 長崎婦人慈善会
(4) キリスト教婦人矯風会
(5) 長崎オーケストラ
(6) 愛国婦人会
(7) 篤志看護婦人会
3 女性の職場への進出と労働事情
(1) 小学校教員
(2) 看護婦
(3) 産婆
(4) 時代の先端をゆく仕事
(5) 石炭仲仕(通称「天狗とり」)
(6) 製糸、紡績業
(7) その他の製造業
(8) 海外出稼ぎ
4 港町長崎と公娼制度
(1) 市内5遊郭
(2) 芸妓
(3) 「からゆきさん」
第4章 地域の社会と文化
第1節 居留地社会の形成と展開
1 居留地の組織、団体、商社
(1) 居留地社会の始まり
(2) 領事館
(3) 居留地借地人会と商業会議所
(4) 外国人経営商社
(5) 西洋式ホテル
(6) 商店や工場
(7) ミッション・スクール
(8) 医療施設
(9) 国際墓地
第2節 居留地の生活文化
1 社交の場
(1) ナガサキ・クラブ
(2) パブリック・ホール
(3) フリーメイソン・ロッジ
(4) スポーツ施設
(5) シーマンズ・ホーム(水兵休息所)
2 食文化と音楽
(1) 居留地の食文化
(2) メディカル・ホールと炭酸飲料の生産
(3) 西洋音楽の普及
3 通信と情報メディア
(1) 英字新聞
(2) 電信電話
4 居留地社会の衰退
(1) 条約改正と治外法権の廃止
(2) 長崎内外倶楽部
(3) ロシア人の動向
(4) ユダヤ人社会の興亡
(5) 居留地社会の終焉
第3節 長崎華僑の歴史
1 近代華僑の誕生
(1) 日本華僑のルーツ
(2) 華僑の人口推移
(3) 華僑の職業
2 三会所の成立と華僑貿易商
(1) 福建会館
(2) 広東会所
(3) 三江会所
(4) 華僑貿易商の活躍
(5) 泰昌号と泰益号
3 中国領事館と華僑団体
(1) 日清修好条規と清国領事館の開設
(2) 孔子廟と華僑学校
(3) 長崎華商商務総会と国民党支部
(4) 日中戦争と華僑
4 中国革命運動と長崎
(1) 孫文と長崎
(2) 辛亥革命と長崎
(3) 長崎亡命コミュニティの形成
(4) 梅屋庄吉と孫文
(5) 長崎で建造された中国砲艦「中山艦」
(6) 長崎における中国人イメージ
第4節 近代長崎の文化
1 生活文化
(1) 長崎の年中行事と料理
(2) 冠婚葬祭
(3) 長崎くんち
2 長崎とジャーナリズム
(1) 活版印刷術の導入と普及
(2) ジャーナリスト・福地源一郎
(3) 長崎発行の諸新聞
(4) 「東洋日の出新聞」と日露戦争
3 近代長崎と文芸
(1) 長崎出身の文学者
(2) 長崎を舞台とした文学作品
(3) 来遊の文学者たち
(4) 歌壇・俳壇・詩壇
(5) 芸能
第5章 地域における産業と経済
第1節 近代産業の創成
1 近代日本と造船業
(1) 殖産興業政策と近代造船業
(2) 官営長崎造船所
(3) 工部省から三菱へ
2 近代造船業の発展
(1) 三菱による経営
(2) 造船事業の確立
(3) 近代企業への挑戦
3 会社・商工業団体の設立
(1) 金融機関の創成
(2) 商工業者の組織化
(3) 地元企業の生成
(4) 郵便と電信
第2節 石炭産業の発展
1 長崎の石炭資源と利用
(1) 市内の炭層と炭鉱
(2) 幕末・明治の石炭産業
(3) 炭鉱の仕事と生活
2 日本の発展と長崎の炭鉱
(1) 労働問題と爆発事故
(2) 軍艦島
(3) 戦争と炭鉱
第3節 長崎の農業と農村
1 農産物の特徴と展開
(1) 土地利用と農産物の概要
(2) 農事改良と米の移入状況
(3) 畑作と蔬菜類の推移
(4) 果樹園芸と畜産業
2 長崎の農村社会事情
(1) 地主小作関係からみる農村事情
3 農業団体の動向
(1) 農会の組織化と変遷
(2) 産業組合の組織化とその動向
第4節 水産業の変遷
1 明治期の水産業
(1) 明治期の漁業と漁業者
(2) カツオ漁業とイワシ漁業の発達
(3) 朝鮮沿海出漁
2 遠洋漁業の発達
(1) 漁船の動力化と遠洋漁業の発達
(2) ノルウェー式捕鯨の発達
(3) 汽船トロール漁業の発達
(4) レンコダイ延縄と以西底曳網漁業の発達
3 長崎の魚市場と鮮魚流通の発達
(1) 明治期の魚市場と鮮魚流通
(2) 魚市場の移転と大型産地市場の形成
(3) 魚市場の取扱高と再編
4 漁船の建造
(1) 大型木造船の製造
(2) 長崎港の大型木造船造船所
第6章 地域社会の進展とひずみ
第1節 対外関係の変動と長崎
1 上海のなかの長崎人
(1) 「長崎県上海市」
(2) 初期の長崎人
(3) 上海とからゆきさん
(4) 増大する日本人の進出
(5) 長崎・上海航路
(6) 戦争のなかの上海
2 大正・昭和期の対外戦争
(1) 第1次世界大戦(山東出兵)
(2) 中国から見た二つの上海事変
第2節 長崎市政と経済の変遷
1 長崎市政の展開
(1) 市制改正と市会議員選挙
(2) 大戦景気と市勢振興
(3) 生活関連施策と市政の展開
(4) 小ヶ倉水源地増設
(5) 第2次市域拡張
(6) 政派対立と長崎市政
2 長崎市経済の発展
(1) 大正期経済の動向
(2) 大正期の労働事情
第3節 学校教育の拡充と社会教育
1 初等教育の拡充
(1) 義務教育年限の延長と二部授業問題
(2) 臨時教育調査会の設置と小学校教育の改善
(3) 昭和戦前期の小学校
(4) 学校衛生の進展
2 中等・実業・高等教育の発展
(1) 中学教育の拡大
(2) 女子教育の拡大
(3) 実業教育の拡大
(4) 大学教育
3 幼児教育の発展
(1) 幼稚園
(2) 保育事業
(3) 託児所
4 特殊教育の発展
(1) 「盲学校及聾唖学校令」の制定と長崎市の盲・聾唖教育の拡充
(2) 長崎市における特別学級の設置
(3) 開成学園の県立移管
5 社会教育の成立
(1) 通俗講演会の制度化と行事化
(2) 青年団の創設
第4節 地域社会の変動と生活
1 社会事業の成立
(1) 米騒動と社会事業の成立
(2) 地域社会と方面委員制度
(3) 公設市場
(4) 職業紹介所
(5) 市営住宅
(6) 県社会事業協会と共同募金運動
(7) 民間社会事業の進展
(8) 淳心園隣保事業
(9) 公益質屋
2 労働者の状態と労働運動
(1) 長崎市の労働者
(2) 日露戦争から第1次世界大戦
(3) 戦間期前半
(4) 戦間期後半
第7章 改革の動向と総動員体制化
第1節 都市化の進展と将来構想
1 「大長崎」構想と都市計画
(1) 「大長崎」構想と大長崎振興計画
(2) 都市計画法の適用と具体化
2 電気軌道の敷設と海陸連絡の実現
(1) 路面電車
(2) 第3次長崎港湾改良事業
(3) 日見トンネルの建設
(4) 国道25号の改修
3 国際産業観光博覧会と観光による市勢振興
(1) 雲仙国立公園指定運動と観光
(2) 博覧会開催と第3の市勢振興策「観光」
(3) 観光政策の展開
(4) 観光の資源発掘と施設整備
第2節 普選体制下の市政と経済動向
1 普通選挙施行と市政の展開
(1) 市制改正と市長の選任
(2) 普通選挙実施と政治党派の推移
(3) 政派対立の推移と長崎市政
(4) 不況・恐慌下の市民生活と市政
2 不況・恐慌下の長崎市経済
(1) 昭和戦前期の長崎市における経済の動向
(2) 諸産業の動向
(3) 商工団体と企業
(4) 労働事情
第3節 人権問題と女性の社会文化活動
1 部落改善運動から長崎県水平社へ
(1) 長崎県水平社の結成
(2) 水平社結成の前夜
(3) 明治以降の部落改善運動
(4) 長崎県に見る大正期の部落改善の動向
(5) 水平社の結成と糾弾闘争
(6) 水平運動から戦後へ
2 女性の社会文化活動
(1) 女子教育の進展
(2) 「職業婦人」と女性労働者
(3) 婦人参政権をめぐって
(4) 女性団体の活動
(5) 公娼廃止とその実態
第4節 満州事変から日中戦争へ
1 満州事変と軍部の台頭
2 日中戦争の拡大
3 総動員化と革新体制
第8章 総力戦とその帰結
第1節 翼賛化と対米英戦争
1 新体制と翼賛化
2 対米英(連合国)戦争
3 戦時統制化
第2節 戦時下の教育
1 国民学校への転換
(1) 国民精神総動員運動(自彊生活運動)の展開と教育界への影響
(2) 小学校から国民学校へ
(3) 長崎原爆と国民学校
(4) 立ち上がる被爆の学校
2 中等・高等教育の変容
(1) 戦時下の中等・高等教育
(2) 長崎原爆による中等・高等教育機関の被害状況
3 幼児教育の変容
(1) 幼稚園
(2) 保育所・季節託児所
(3) 戦時下の保育再編と原爆被害
4 特殊教育の変容
(1) 盲・聾唖教育の変容と原爆被害
(2) 国民学校令と養護学級
(3) 戦時下の開成学園と戦争・原爆被害
5 社会教育の変容
(1) 図書館・市立長崎博物館・市民運動場の状況
(2) 青年期における社会教育の制度化(実業補習学校、青年訓練所、青年学校)
(3) 青年団と女子青年団
第3節 銃後の生活と社会
1 軍事体制の強化と軍事扶助
(1) 戦時下の社会事業行政
(2) 銃後奉公会・国防婦人会
(3) 軍事援護事業
(4) 戦争の長期化と市民生活
2 戦時下の女性たち
(1) 戦時期の女子教育
(2) 女性の動員と生活の規制
(3) 母子保護政策と結婚・出産の奨励
(4) 戦時期の女性労働
第4節 本土決戦と原爆投下
1 本土決戦と長崎の防衛
2 オリンピック作戦と原爆投下
3 降伏から占領へ
終章 戦前・戦中から戦後へ
写真・図・表一覧
参考文献一覧
協力者一覧
関係者名簿
あとがき
写真・図・表一覧