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新修神戸市史 産業経済編Ⅰ(第一次産業)

サブタイトル1~10
編著者名
新修神戸市史編集委員会 編集
出版者
神戸市
出版年月
1990年(平成2年)4月
大きさ(縦×横)cm
22×
ページ
698、30p
ISBN
NDC(分類)
216.4
請求記号
216.4/Sh69/1
保管場所
閉架一般
内容注記
文献あり
和書
目次

第一章 明治前期の第一次産業
第一節 明治前期の第一次産業
1 概説
新しい時代の幕あけ  開港と都市化  神戸市の誕生と発展  江戸時代の市域農業  維新期の制度改革  明治前期の第一次産業
2 農業構造
自然的差違と農業構造  経済的差違と農業構造  制度的差違と農業構造  米麦中心の生産物  大幅に変動した米の反当収量  
地域差が顕著な被害状況  ほぼ自給できた米  西神と北神の米  西神と北神の裸麦  西神のサツマイモ  北神のジャガイモ

第二節 地租改正と地主制
1 貢祖の金納化と旧明石藩領石代金騒動
旧慣踏襲の維新期粗法 廃藩後に推進された貢祖金納化 旧明石藩領の石代金騒動 壬申地券の発行  壬申地券の意義
2 地租改正の実施
兵庫県での開租経過 改租収穫高をめぐる官民の対立 地等調整を重ねた飾磨県の改租  地租改正の影響
3 松方デフレと地主制
農村に深刻な松方デフレ  デフレ期に重なった農業災害  勤倹貯蓄の励行  村外地主への土地移動  地域差の残る小作慣行

第三節 近代農業政策の開始
1 西洋農法の移植
西洋農法の移植  神戸オリーブ園の開設  神戸植物試験場の開設  植物試験場の三大機能  種苗分配と郡試植場  比較試験中心の植物試験場  農業通信も兼ねた勧業報告
2 老農組織の活用
第一回勧業会の開催  地域に農会を開設  不況下の勧業策とさぐる諮問会  国産奨励の共進会と品評会  勤倹貯蓄の奨励
3 近代的科学的農政の萌芽
近代的農法による米麦作  近代的農法と農業巡回教師  私立兵庫県勧業会の創立   郡区町村私立勧業会の活動
4 水利慣行と水利紛争
市域に多い溜池灌漑  水利団体と水利慣行  水利をめぐる紛争
5 淡河川疏水
疎水計画の発端  疎水に二一ヵ村が加盟  淡河川疎水と御坂サイフォン  工事費を上回る水害復旧費

第四節 農業経営と農業物流通
1 神戸の農業地域
明治初期の物産調査  八部郡菟原郡の農業生産  有馬明石美嚢各郡の農業生産
2 農業経営の展開
多品種を試みた水稲経営  デフレ期の経営危機
3 農産物流通の展開
都市的発展と特用農産物  有馬郡の農産物流通  明石郡の農産物流通

第五節 林野
1 林野の官民有区分と地租改正
林野の所有と利用  官林の創設と士族への払下げ  公有地の官民有区分  民有林野の多い市域  林野の地租改正
2 改租期の林野紛争
さまざまな入会紛争  中一里山訴訟  中一里山の官民有区分  摂藩入会山の入会慣行  曲折を経た入会山の民有化  六甲山の入会慣行  六甲山の入会権紛争  地方巡察使復命書と民林保護
3 神戸の鉱業
高取の石炭 丹生六甲山地の銅山 六甲の御影石 六甲の天然水

第六節 漁業
1 漁業制度の推移
維新後の漁業紛争  雑税廃止と海面借区制  漁業採藻税規則
2 神戸市域の漁業
兵庫県漁業慣行録  イワシとイカナゴ漁中心の漁業  魚市場と入会漁船

第二章 明治後期大正前期の第一次産業
第一節 明治後期大正前期の第一次産業
1 概説
工業化の時代  工業化と神戸経済  神戸の都市的発展  都市機能の整備  農業生産基盤の整備  市域農業と漁業の特色
2 農業構造
地域差の顕著な産業構成  人口急増の神戸市周辺  人口増と市域産米の不足  地主制の展開と小作地の増大  増加する蔬菜等食用農産物  減少する麦比率  壊滅の綿と菜種  急増する明石郡の葉タバコ

第二節 地主制の展開
1 地主的土地所有の地域的展開
市域での地主制の展開  市域の農家構成の状況
2 不在地主の支配
明石郡神出村の状況  伊藤家の土地集積  大西家の土地所有の推移  松方デフレ期の土地集積の特徴
3 地主経営の構造
小作地経営と小作料  明治三十二年の小作証書  小作証書の改定状況  小作料収取の実態  小作米販売と米価の動き  貸金業の展開  株式公債投資の動向  賃家および賃地経営  地主経済の動向

第三節 官僚型農業政策の確立
1 官僚主導型農制の確立
農事試験場の設立  農会の誕生と農事指導  産業組合の設   園芸場の開設  米麦作改良十六項目の奨励  
黄色タバコの創始とアダムス  日露戦後の食糧増産強制  害虫駆除予防へ強制的指導  共同苗代設置の強制  米穀検査の実施  米価下落と農業倉庫の設置奨励
2 農会と産業組合 237
神戸市農会の設立  幅広い農会の活動  産米改良の奨励  大正はじめの米価低落対策  急増した産業組合  機関誌『兵庫支会報』
3 耕地整理と水利
よみがえる山田川疎水  疎水支線と溜池の増設  村と町の耕地整理  市街区造成の耕地整理  呉錦堂の小束野開拓  労力過剰対策の耕地整理
4 水利調整の展開
市営水道の創設と農業水利権  工業用水と農業水利  農業用水の紛争  湊川付替えと水利補償

第四節 農業経営と農産物流通
1 農業経営の変化
商品化の進んだ蔬菜と米  耕耘は犁肥料は鰊粕  商品米生産の自作経営  葉タバコ作の経営  中規模自作農に厳しい経営環境
2 農産物流通の整備
神戸の青物市場  兵庫米穀肥料市場の開設  産業組合の販売購買事業

第五節 林野
1 町村合併と部落有林野
財産区と旧慣使用権  部落有林野の管理組織  林野の管理と利用
2 部落有林野の整理と開発
固有森林原野の下戻  部落有林野統一の目的  兵庫県の林野政策  上淡河村の行財政と林野  入会の整理と部落有林の分割

第六節 漁業
1 沿岸漁業の停滞
地元漁業の停滞  朝鮮出漁と遠洋漁業  第二回水産博覧会神戸で開催
2 漁業権と漁業組合の成立
漁業法の成立と漁業権  漁業取締と山田巾着網紛争  駒ヶ林浦漁業組合の活動
3 都市化と漁業
漁業被害の拡大  魚市場の発達

第三章 大正後期昭和戦前期の第一次産業
第一節 大正後期昭和戦前期の第一次産業
1 概説
激動の四半世紀  激動の時代の神戸経済  市域の拡張と人口増加  都市的生活  様式の形成  慢性的不況期の第一次産業  戦時経済期の第一次産業
2 農業構造
急騰し暴落した米価  農業成長および所得の停滞  小作地率の上昇と下落  神戸市周辺の都市化の進展  東部地域の都市化と農業の変化
急減の武庫郡の米麦生産  増加の小麦減少の裸麦  増加のジャガイモ停滞のサツマイモ
第二節 農業政策の転換
1 農政の転換
米騒動の勃発  戦後不況と米価の下落  政府の米価調整策  拡大した新農会  動力農具と化学肥料の普及  
大正十三年の干害  蔬菜園芸農業の発展  中央卸市場の開設  農業恐慌と農村の疲弊  自作農創設維持事業の展開  米穀統制法と米の自治管理
2 農会と産業組合の活動
神戸販売斡旋所の開設  農政団体の創設  戦時恐慌下の投売防止運動  農村改善と農会是  自力更正運動の提唱  
国指定の経済更正計画  八多村の経済更正運動  産業組合の拡充
3 耕地整理と水利
都市型の耕地整理  農村型の耕地整理  山田池の築造  淡河疎水への増水努力
4 多発する水利紛争
明石郡の水利紛争  農業用水と明石市営水道の創設  明石郡農業水利改良計画
第三節 小作争議と地主制の動揺
1 初期小作争議の展開
初期の小作争議の特徴  大西家農事組合の設立  市域での地主小作人組合の設立  西部農民互助会の設立と活動  
日本農民組合の結成  市域の小作争議と調停 武庫郡の作難料  六甲村の作離料調停条項  神出村の小作料減免調停条項
2 農会と産業組昭和恐慌と農村危機合
世界恐慌の波及  農業恐慌の進展  農村構造の変貌
3 恐慌期の小作争議
市域の小作争議の位置付け  武庫郡の争議状況  神戸市内の争議状況  市街近接地での争議状況  明石郡の争議状況
4 農民運動の分裂
恐慌下の農民運動  農民運動の分裂
5 地主制の解体
地主制の解体  大西家と土地会社
第四節 農業経営と農産物流通
1 農業経営の変容
蔬菜栽培と機械化  山田村の農事状況  農業恐慌下の蔬菜栽培  米価に左右される恐慌期の経営  経済更正運動下の農業経営  山田村の菊栽培  垂水のイチゴ栽培
2 農産物流通の整備
市内での販売機構の整備  出荷組合の活動
第五節 林野
1 統一政策の展開
公有林野の整理  有馬郡長尾村の林野統一  美嚢郡淡河村の林野統一  有馬郡有野村の林野統一
2 背山の市有化と摩耶山
背山の市有化  摩耶山の変化
第六節 漁業
1 昭和恐慌経済
恐慌から戦時体制へ  昭和恐慌と漁業  工業排水と漁業  中央卸市場の開設と魚市場  漁業組合の協同組合化
2 漁業組合と網元
網元の経営  漁業組合の協同組合化  水産団体の統合
第七節 戦時体制下の第一次産業
1 農業
農業生産力の衰退  戦時下の労働奉仕  化学肥料の不足  米穀配給制の実施  生鮮食料品の配給  米麦集中作への移行  一坪農園一鉢農園の奨励
2 林野
森林法改正後の林野統一  森林組合の設立  木炭用材の増産  帝釈鉱山の再興
3 漁業
水産物の統制  漁業用資材の統制

第四章 大正後期昭和戦前期の第一次産業
第一節 昭和戦後期の第一次産業
1 概説
復興期の第一次産業  高度成長期の第一次産業  安定成長期の第一次産業  市域農業の特徴と展望
2 農業構造
農業構造の六大都市比較  農業構造の西神と北神比較  ほぼ均等の米と野菜と畜産  急増後停滞し再増する野菜生産  着実に増加する果樹と花卉
第二節 復興期の農業
1 終戦直後の食糧危機
台風の襲来と食糧危機  米の強制供出  未利用資源の粉食化  ヤミ市とヤミ食糧    増える栄養失調者  インフレの激化
2 食糧増産と農園化
戦災跡地の農園化  多聞農場の開設  食用兎および山羊の増殖  新市域の拡大と食糧の確保  肥料として重要な都市屎尿  神出開拓
3 農地改革
第一次農地改革の開始  地主の抵抗と農民運動  第二次農地改革の推進  市町村農地委員会の改租  県農地委員会  県下の改革進行状況  神戸市域の進行状況    農地改革の結果
4 神戸市農政の発足
神戸市農政の目標の推移  神戸市農業経営審議会の設置  家庭農園協会と種苗のあっせん  土地改良と水利施設の整備  
農業委員会の誕生  六甲山牧場の開設  多角農業総合計画の樹立  北部指導農場の開設
第三節 高度成長期の農業
1 都市化の進展と農家経済
宅地化の波と農地の減少  土地利用の混在と公害  兼業化による農家経済の向上   市民と農業
2 農業経営と農産物流通
農業経営の変化  経営規模の両極分解  兼業化と基幹労働力の流出  農業機械の導入  農産物流通の状況  低下した青果物市民供給可能率  低い神戸市場への出荷割合  低下する青果物の共同出荷
3 農業政策
新しい村づくり  市農業構造改善対策審議会  農業構造改善事業の導入   圃場整備事業等の推進  神戸市農業振興計画の策定  農業振興地域の指定  米の生産調整の始まり  畜産公害対策  東播用水事業の着手  地域(まち)づくり計画  緑農開発公社の発足
第四節 安定成長期の農業
1 都市と農業の調和
土地利用の定着化  ニュータウンと農業地域  市街化区域内農地と宅地並課税  兼業所得が謙著な農家経済  市民に親しまれる農業
2 農業経営と農産物流通
農業経営の変化  経営規模の一層の両極分解  基幹労働力流出の歯止め  農業機械化の一層の進展  農産物流通の状況  高まる青果物市民供給可能率  高まる神戸市場への出荷  増加の青果物共同出荷量
3 農業政策
野菜の契約栽培事業  神戸市農業基本計画の策定  水田利用再編対策  農業構造改善事業の推進  園芸振興基金協会等の設立  
農地の流動化への取組み  広大な樹園地の造成  神戸ワインと農業公園  圃場整備事業の進展  土づくり―堆肥銀行の設立  農村総合整備モデル事業の実施  農村下水の整備着手
第五節 農業協同組合の変遷
1 農業協同組合の設立
農業協同組合の制度化  総合農業協同組合の設立  農業協同組合の再建整備  専門農協と農協の連合会
2 近代化政策の進展と農協合併
近代化政策と農協の高成長  購買事業の成長  販売事業の成長  信用事業の拡大   農業協同組合の合併
3 都市農協の経営の変化
都市化への農協の対応  合併後の農協事業の展開
第六節 漁業と林野
1 漁業制度の改革
戦後の市域漁業の推移  漁業協同組合の設立  漁業制度の改革  神戸市水産会の結成
2 漁業協同組合の合併
神戸市水産振興五ヵ年計画  西部漁業協同組合の設立  東部漁業協同組合の設立  とる漁業からつくる漁業へ
3 漁業が生き残るために
狭まる漁区と漁協の解散 海づり公園の建設 漁業の発展をめざして 栽培漁業センターの設置
4 林野
林野の荒廃と緑化運動  林野所有形態の変遷  都市空間の創出と林野

[巻末付録]