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沖縄の植民地的近代

サブタイトル1~10
台湾へ渡った人びとの帝国主義的キャリア
編著者名
松田 ヒロ子 著者
出版者
世界思想社
出版年月
2021年(令和3年)3月
大きさ(縦×横)cm
22×
ページ
261p
ISBN
9784790717546
NDC(分類)
334
請求記号
334/Ma74
保管場所
閉架一般
内容注記
参考文献・年表あり
和書
目次

序章 沖縄の近代を再考する
一 境界領域としての沖縄
二 台湾の植民地化と人の移動
三 植民地帝国のモダニティ
帝国日本の統合と格差 植民地的近代と帝国主義的キャリア
四 沖縄県と台湾間の人の移動
帝国日本をめぐる人の移動とエスニシティ 台湾引揚者の戦後
五 主観的資料と日本帝国史
六 本書の構成と表記について

第一章 沖縄の人びとはなぜ海外へ向かったのか?
一 沖縄海外移民の幕開け
民権運動と海外移民 ハワイへの渡航者
二 海外移民と沖縄系移民コミュニティ
フィリピンへの移民 ブラジルへの移民 南洋諸島への移民
三 「総督府王国」の成立と沖縄系移民
四 植民地台湾のエスニック・コミュニティ
沖縄系移民の多様性と県人会 漁業関係者のコミュニティとエスニシティ
五 小括

第二章 帝国の拡張と八重山の近代
一 フロンティア開拓と住民の抵抗
中川虎之助の石垣島開墾事業 石垣島から植民地台湾へ
二 資本主義経済への包摂
三 植民地開発と八重山社会への影響
四 農民の周縁化と台湾への移動
五 なぜ八重山住民は台湾へ向かったのか?
八重山の近代化と農民の周縁化 憧れの台湾へ
六 小括

第三章 「出稼ぎ者」の帝国主義的キャリア形成
一 内地延長主義のもとの人の移動
二 〈支配者〉と〈被支配者〉の間
植民地における沖縄方言と標準日本語 同じ職場のライバル関係
三 より良い将来を求めて
四 ジェンダー化された帝国主義的キャリア
植民地で働く沖縄女性たち 職業婦人への憧れ 台湾で軍のタイピストに
五 「日本人」への同化と象徴的地位の上昇
在台日本人社会と女中 女中になることの意味
六 小括

第四章 植民地医学と帝国主義的キャリア形成
一 沖縄県における近代医療の萌芽
二 近代医学教育の展開
三 沖縄から台湾へ−山口秀高の軌跡
四 植民地医学と南方進出
五 なぜ台湾の医学校なのか?
貧困と教育機会 帝国日本の学校ネットワーク
六 植民地医学校卒業の後
七 小括

第五章 帝国日本のクレオール
一 霧社の警察官の息子
宮古島の山番から霧社の警察官になった父 『日本人』警察官の息子
二 植民地で生まれた閩人三十六姓の子孫
久米村から台湾へ渡った祖父 台湾生まれの母と沖縄県生まれの父 沖縄系移民の『故郷喪失』
三 帝国主義的キャリア形成と転籍・改姓名
四 日本人・琉球人・台湾人の狭間で
『琉球人』の血? 『台湾人の女学校』への進学
五 帝国の人類学と沖縄人の誇り
川平朝申と帝国の人類学との出会い 台北を中心とした琉球・沖縄民族研究
六 小括

第六章 米軍統治下沖縄への「帰還」
一 戦時下の台湾と沖縄系移民
二 終戦直後の台湾
帝国の崩壊 密航船で台湾を去る
三 琉僑として、ふたたび沖縄人へ
台湾沖縄同郷会連合会の結成 日本兵から琉球官兵へ
四 沖縄は故郷か?−帰還移民として生きる
五 引揚者の沈黙
沖縄戦経験者と引揚者の間 引揚者団体と集合的記憶
六 帝国主義的キャリアの戦後
七 小括

おわりに
あとがき
ライフヒストリー調査のインフォーマント
沖縄・台湾年表
参考文献リスト
事項索引
人名索引